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蛇の子孫  作者: 豊永エド
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第二話 〜朝ご飯〜

 美玲の部屋から締め出されたリュウヤは、体の節々が痛いのを感じながら、自分がなぜ美玲の部屋にいたのかを考えていた。


「んー…おかしいなぁ…?昨日は自分の部屋で寝たはずなのに。」


 なんて言い訳をしても、美玲は聞いてくれないだろうなぁ、とああでもないこうでもないと考えていても答えは出ず。何かが頭に引っかかっているのが分かっているのに、しかし何も思い出せずにまだ考えていると、一階から声がかかった。


「リュウヤ〜!朝ご飯にするから降りてきなさ〜い。」


 声の主は母親の神田理子(39)だろう。そういえばさっきから味噌汁の具を刻んでいる音がしていたな。今日は豆腐に葱かな?と頭の片隅でふと考えながら、


「はいはーい。今行くから待っててー」


と返事をし、着替えを済ませに(今日初かもしれない)自分の部屋のドアを開けた。



――――「それで!私の部屋にこの変態が入っていたの!しかも、こくぁ俺の部屋だるぉう、みたいにすっとぼけながら!」


 着替えを済ませ、下に降りて朝ご飯を食べようとすると、席についていた美玲が両親に今朝のことを話していた。両親同時に冷やや目線。ため息2つ。息ぴったりの両親だね‼


「リュウヤ、いくら美玲が可愛いからって、そんな変な行動とったら私達も止めに入るからね?」


 母親の理子がまた勘違いを…と思うが、しかし。確かに今朝のことは他人からしたら、そういう認識をされるのだろうと思い、悲しさで思わずため息が出てしまう。


「リュウヤ。お前も近々大人になるんだから、こんな社会常識、知らないなんて言わせないからな?それで、一体何でこんなことしたんだ?」


 親父こと神田龍二(42)は妹のことが大好きだ。もうそれはアラスカに住むアルパカ並に好きなのだ(?)

だが、だからといって今朝のことを聞いただけで顔をモンキーのお尻みたいに真っ赤にはさせないでほしい…。あぁ、鼻もゴリラみたいにふくらんで…。


「まあ親父そう怒らないでくれ…。ほら、味噌汁が冷めるって。」


「あー!にい話を逸らそーとしてるー!」


「してないしてない!このあと話すから。とりあえず、"いただきます"」


と、ようやく朝ご飯が始まった。

 今日はいつもと違って腹が減っていたから早く食べたいと思っていた。そのせいか、いつも通りの味噌汁が美味しそうに見える。とりあえず一口っと食器を持ち上げる!!…の前に親父の威圧がすごいんだが…。


「で、リュウヤよ。どんな言い訳を聞かせてくれるんだ?」


 その質問に箸を進めていた理子と美玲も自然と耳をこちらに傾けてくるように感じた。

 とは言っても、肝心の言い訳が思い浮かばない。気がついたら妹の部屋にいたなんて言ったら病院に連れて行かれるかもしれないし、わざと入ったと言っても病院行き確定、偶然入ったなんて言ったら精神科が確定してしまう。必然なんて言ったらもう精神科ですらどうにもできないだろう。リュウヤピンチ‼再び‼(Lv2)


「えっと、なんて言うか……その………」


ヤバイヤバイドウシタライインダ…。


「変な言い訳でもしたら歯が5本はなくなると思え。」


 冷静にめっちゃ怖いこと言うなこの人!それだいぶ大変だよ!?人間の歯って2回しか生えないんだよ!?と突っ込みたい、がしかしもし突っ込もうものなら歯が60本は無くなるだろう…。

 やはりこうなったら、ありのままのことを言うしかないだろう。そう決意したリュウヤは、


「じ、実は俺もよく覚えてないっていうか、覚えがないんだ。起きたら妹の部屋にいたっていう感じで…。ほほほ本当の本当ですっ!真実!嘘偽りまっことございません!」


と言ってみたものの、あまりの胡散臭さにがっかりする。

 こうなればあとは神頼み!頼む!歯神!おらの歯守っとくれぇ!

 と、言うだけ言ってみて歯を差し出す覚悟をしていたが、なかなか親父の怒りパンチは飛んでこない。恐る恐る見てみると、なぜか両親が驚いたようにリュウヤを見て固まっていた。


「えっと……。なんか、変なこと言った…?」


心の中で「うん。」と冷静に突っ込みを入れ、返事を待つがそれでも返ってこない。もう一度聞こうとすると、今度は隣にいた美玲が箸を置いてこう言った。


「…お母さんお父さんどしたの?固まってる?」


と、それでようやく硬直から開放されたのか、龍二は美玲を、続けてリュウヤを見て、こう言った。


「…ん、あぁ、すまんすまん。余りにも、リュウヤの言ってることがトンチンかんちんでな。」


まさか、俺の真実の話がそんなにも信じられなかったのか!しかもその話を聞いただけでこんなに人って固まるものなのか!と、なぜか胸のところと目頭が熱くなる。


「あれ、今私固まってた?」


と、母親の方は何もなかったかのように聞いてくる。「固まってたよ!意外とながく!」と突っ込む気も失せ、リュウヤは


「この味噌汁、美味しいねー。」

と、飯を作ってくれた感謝を言い残し、自分の部屋へと去っていくのだった。




やっぱり家族は平和だった。


次は学校に行く予定です!笑

投稿ペースはこのままのんびりだといいですよねー。

早く戦闘的なしーんが書きたいと思いつつ、こんな日常も書いていて楽しいので笑笑

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