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魔力ゼロの魔法使い〜俺の超能力は異世界でもチートでした〜 作者:鬱沢色素

騎士団長編

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9・ネコミミ少女を助けましょう

 女の高い声。

 おっ?
 もしかして、これって異世界転移テンプレの『女の子を助けるイベント』が発動したのだろうか。
 声のする方向に走って行く。

「ぐへへ。まさかこんなところで女をゲット出来るとはな」
「グーベルグに行く途中で良い拾い物をしたぜ」

 そこまで辿り着くと、女を厳つい男五人が取り囲んでいた。

「おい、なにしてんだ」

 気軽に声をかける。
 すると、ぎょっとした目で男と女が向く。
 男の方は説明しなくてもいいだろう。むさい男は男という一括ひとくくりでいいのだ。
 それよりも——俺が目を奪われたのは女の方。

「ネ、ネコミミ?」

 その女の子はとても可愛らしい容姿をしていたこともあるのだが。
 長い銀色の髪から飛び出るように、ネコのような耳を生やしていたのである。

「だ、誰ですか?」

 いきなり現れた俺に怯えているのだろう。
 もしかして男達の仲間かもしれないしな。
 女の子は怯えたような表情——そして、ネコミミを小さく震わせながら俺を見ていた。

「俺は君を救いにきた——と言っていいかな。君はその男達に襲われているんだろう?」

「そ、そうです! この辺りでモンスターを狩ろうとしたら……この人達がいきなり私を!」
「おいおい、兄ちゃん。いきなり現れてどういうつもりだ?」

 うん、やっぱり男=悪者。女=襲われている。
 この認識で間違っていないようだ。
 厄介やっかい事にはあまり顔を突っ込みたくない。
 だけど目の前で女の子が襲われていたら、助けないっていう判断はないよな。

「お前等、さっさとどっか行けよ。今だったら助けてやるから」
「はっ! お前はたった一人だろ?」
「こっちは五人だぞ。敵うと思っているのか!」

 今にも攻撃してそうな男達。

「ま、待て! これだけ自信があるんだ。もしかしたら、超強い魔法使いかもしれないぞ」

 だがその中で一人冷静な男がいた。
 おっ、ちょっとは頭が回るようじゃないか。
 魔法使い、ってところが間違いなんだが。

「ちょっと待てよ……魔力鑑定をしてみる……」

 冷静な男が首飾りを握って、俺を見る。
 首飾りに付いている宝石のようなものになにか映し出されたのだろうか。
 それを見て、男はニヤリと笑い、

「——はっ! こいつ、魔力ゼロの無能だ! こんなので、俺達に刃向かおうとしているらしいぞ」

 それを聞いて、男達がゲスな笑い声を響かせる。

「ハハハ! ま、魔力ゼロだって? そんなの初めて見たぜ」
「生まれたての赤ん坊より弱いんじゃねーか?」
「違いねえ。オチコボレの方の俺達でも魔力は100を超えるぜ?」

 どうやら、城でやられた魔力鑑定と同じようなことが出来るらしい。

「好き放題言ってくれてるな」

 弱い犬ほどよく吠える、って言うしな。
 言いたいヤツには言わせておけばいい。

「まず女で楽しむ前に——こいつを片付けるとするか」

 ジリッ、と砂利の音と一緒に男達が距離を詰めてくる。

 はあ……。
 困った。あまり無意味な暴力は使いたくないんだが。

「ファイアーボール!」「ライトニング!」「アイシクル!」「アクアボール!」

 男達の手の平から魔法が放たれる。
 うーん、城を脱出する時にも見たけど、本当にこの世界には魔法というものがあるらしいな。
 こんなザコキャラ感溢れているようなヤツ等でも、超常現象を使えるとは。
 でも——そんな力を使えるのは俺一人だけで十分だ。

「——アンチ・サイ」

 ぼそっと呟く。
 すると俺に向かってくる魔法が全て消滅してしまった。

「は?」

 男達が口を半開きにして、驚いている。
 やれやれ、ちょっと心配だったがどうやら成功したみたいだな。

「お前、なにをやった!」
「お前等の魔法とかいう子どものお遊びを目の前から消しただけだけど?」

 アンチ・サイ——。
 元の世界では(数少ないが)、俺以外にも超能力者がいた。
 そいつ等の超能力を消し去る超能力である。

 魔法でも応用が利くか心配だったが……どうやら杞憂のようであった。

「くっ……! もう一度だ! なにかの間違いかもしれねーぞ!」
「だから無駄だって」
「ファイアーボール——あれ?」

 男が魔法の名前を叫んでいるが、なにも現れる気配がない。
 アンチ・サイは発動する前の力にも有効なのだ。

 正直な話——。
 アンチ・サイがどこまで通用するか分からない。
 もしかしたら、もっと強い魔法使いには通じないかもしれないしな。
 でもこんなザコキャラ君達なら、戦わずとも勝負に勝てることが分かっただけでも上出来だ。

「さて——もう君達いいよ」
「うおっ!」

 サイコキネシス——。
 男達がふわあと浮き上がる。
 さて、後はこれをゴミのように適当に放り投げるだけ——。

「グォォオオオオオオオオ!」

 突如。
 地響きがするような大きな咆吼が聞こえた。

「なんだ?」

 どうでもよくなって、サイコキネシスの発動を止めて男達を落下させる。

「あ、あ、あれは!」

 襲われていた銀髪の女性。
 その子が座り込んで、俺の後ろを指差す。

 ドラゴンがいた。
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