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50・エピローグ

「……とうとうサザラント王になってしまいましたか」

「マスターはたまにマリーズの想像を超える時がある」

「それは『たまに』かい? ボクは『いつも』なんだけどね……」


 グーベルグからエコーとフランも呼び出して、俺は王様の椅子とやらに座っていた。

 異世界から召喚された時は、王様に見下される側だったのになかなか感慨深いものだ。

 それに両手には美少女。

 うーん、なんて幸せなんだ。


「マコトさん? 政治なんて出来るんですか」

「難しいことは分からん。まあ、でも……なんとかなるだろう」


 楽観的に考える。


 何故なら——俺の超能力は異世界でもチートすぎるからだ。

 サザラントには資金が足りない。元々王や王女の散在のせいもあったが、その上俺を異世界に召喚する際に多額の資金を溶かしてしまったからだ。

 しかし——複製の超能力が使える俺にとっては資金などいくらでも融通出来る。


 とはいっても、過度に複製してしまってはインフレを起こしてしまう。

 だから俺は軍事費を削ることにした。


「まさか騎士団を解体するとはね」


 メイド服姿のフランが呆れたように言う。

 そう、有象無象の連中を集めるより『俺一人』の方が強いからだ。

 これによって、大幅に軍事費が削られ……ってかほとんどなくなった。


 他国が侵攻してきたら、それはそれで戦争の大義名分が出来るしな。

 戦争で勝って多額の賠償金を勝ち取ってやる。

 うーん、順風満帆すぎる。


「トーナメントで優勝した、ってだけならあんまり驚かないですけど、さすがに王様になったって最初聞いた時はビックリでした」

「ボクも疑いより『ああ、やっぱりか……』って思ってしまったのがなんか不覚だよ」


 エコーとフランが言う。

 ああ、そうそう。トーナメントのことだ。

 いや、トーナメントも今となってはどうでもいいことかもしれないが、あの戦いで唯一得た収穫みたいなものがある。


 それは……。



「お兄ちゃん!」



 扉がバンと勢いよく開かれ、外から幼女ロリが俺へと飛びついてくる。


「……まさかアルヴィンが女の子なんだってな」


 ——奇術都市の領主アルヴィン。


 この異世界で超能力を使えて決勝戦で死闘を演じた相手。

 あの戦いで——エネルギー弾でオーバーキルしてしまった際に服が消滅してしまったのだ。

 その時、普通男の子には付いているものがなく、胸もふっくらと少し膨らんでいることからアルヴィンの性別が判明したのだ。


「隠さずに言ってくれよ」

「……そもそも僕、男だって一言も言ってないじゃん」


 ほっぺをすりすりと擦りつけてくるアルヴィン。


「ん〜!」

「……マスターは幼女趣味があったとは驚き」


 その様子をエコーとマリーズが歯軋りして睨みつけてくる。


「大丈夫だ。俺はロリコンなんかじゃない——全年齢の女の子をこよなく愛するんだ! お前等も来い!」


 そう声を張り上げると、二人が俺の体に抱きついてきた。

 三人の女の子が俺の体にしがみついている。


 なんと至福の瞬間なのだ!

 メッチャ良い匂いがして、頭がクラクラしてくるぜ。


「……やれやれ。仕方ないね。ボクも茶番に付き合わせてもらうか」


 渋々といった感じでフランも抱きついてくる。

 だが、俺は見逃さなかった。フランの頬が薄く紅潮していたのを。



 ——異世界で好き放題やっていく。



 それは今からも同じことであった。


 そんなこと果たして出来るのか?


 いや、俺なら出来る。

 何故なら俺の超能力はなんでも出来て、魔法よりもチートだからだ。


 そんなことよりも——。


「お、おい! さすがに息苦しくなってきたから、どいて欲しいんだが……」


 顔に柔らかいお尻とか胸とか当たっている!

 しかもそれは顔が潰れんばかりに密着しているのだ。


 あ、圧死するっ?


 俺は桃色の香りを嗅ぎながら、少しずつ意識が遠のいていくのであった。

これで完結です。

今までお読みいただいた方、本当にありがとうございました!

同時に新連載も始めましたので、よかったらお願いします!

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