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超短編

私の夏休み

作者: ミーケん

即興で書いた短編です(笑)

思いつきなのでわかりませんが、よろしくです!


 



 ここにはなにがありますか?

 ここにはなにもありません。




 私の夏休みは10日で終わった。


 夏休みの1日目に私の体は成長を止め、壊死していった。


 なんでこんなことになったのか、原因は親から聞いた。


「なんで?どうして?」


 私が聞くとお父さんは答えてくれた。


「お前の体が腐ってるんだ」


 ひどいことを言われた。


 なんで腐ってしまうのか、原因はわからないらしい。そもそも原因があるのかさえ不明の病なのだそうだ。


 お父さんは白いオジサンと一緒に私の病室に来ていた。オジサンは『オジサン』と名乗った。


 オジサンは私のかかった病気の研究をしているんだそうだ。そして、私を実験台にしたいらしい。お父さんはその話を聞き、何かの書類にサインをした。


『研究に協力するのを義務付けられた。』


 それを知ったのは1日後だった。


 その頃から私は目を頻繁に擦るようになった。


 目が見えなくなってきたのだ。私の視力は1.0以上で、眼鏡のお世話になったことなんて一度も無かったのに私は眼鏡をかけ始めた。最初は薄かったレンズも3日でとても厚くなった。

そのうち重くて疲れるようになった。


 そんな間もオジサンの研究は続いていた。


 全身を検査して、唾液を検査して、皮膚を採られたりもした。でも、私はもう痛みを感じることもできず、ただ、採られた皮膚をみていただけだった。


 5日目からはもう、延命治療が始まった。


 なにもできずに死んでいく私の目にはもうなにもうつっていなかった。

 そこにあるのは闇で黒で空間だった。

 

 おかあさんは私の夏休みの最終日にやって来た。


 いつも来なかったのにこの日だけやって来た。

 

 私はおかあさんを見つけるために手を伸ばし、言った。


「ここにはなにがありますか?」


 おかあさん〝じゃない〟声が私に答えた。


「ここにはなにもありません。」


 私は最期に泣いた。

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