最強兵器系ヒロイン誕生!?
「え、と…その…」
「困惑するのも無理が無いです、私も最初彼に会ったときは少々困惑していましたから」
奏さんの笑顔は、見ているととても落ち着く。
でも…
「少々なんですね、はぁ…」
「ふふッ」
ガラガラーという音と共に2人(2匹?)、誰かが入ってきた。
片方は楠野さん、もう片方は…誰だろう?
「楠乃様…そちらの方は、まさか…」
「奏、余計な詮索はよせ」
「っ…申し訳、ありません」
「ックク…ハハハハ」
「…?」
「お前らは昔から変わらないな、フッハハ」
「フンッ…早く用件を言って自分の巣へ帰れ」
「冷てぇな、そんなだから昔から変わらないとか言われんだよ!」
「言ったのはお前だ」
「っぷふ……あっ」
ああああ、今物凄い顔が赤いんだろうな…。
「ふーん…お前が、棗の言っていた“客人”か?」
「は、はいっ!篠宮真と、申し、ます…」
段々フェードアウトしていく自らの勢いに呆れつつ、自己紹介をした。
「俺は、黒浪透だ。棗と同じく、村の長をやっている。」
「あっ、そうなんですか…って楠乃さん、村長やってるんですか!!!?」
「なんだお前、言ってなかったのか」
「忘れてただけだ、それに奏という使用人がついているという時点で気づくと思った…」
「…すみません、私混乱していて一杯一杯でっ…!」
「だ、そうだ。この女だってこっちの世界に来たばかりで混乱している」
「え…?」
「黒浪様…!?」
「おい、透。お前…」
「さっきの話の続きをしようか、棗。奏と女も聞いていろ」
彼、否黒浪さんは話し始めた。私が体験した不思議な出来事の真相を…。
「まず始めに言っておく、俺がお前を呼び寄せた張本人だ。」
ゴクリと唾液を嚥下する音が聞こえた。
「俺らの村は長年、争いを続けている。ある土地にある資源…まあ食料や木材だ。で、相手の村とそれらを取り合っていると言う訳なんだがここ最近で取り合う土地は始めの5分の1まで減った。そんなもんで、もうすぐ争いが終わる、村人にとっては嬉しいことなんだろうが、こちらとしては残り僅かの土地を何としても手に入れたい。だが、現在残っている兵を掻き集めても勝つ見込みが無い。という事で有りっ丈の増援を、と味方である村に頼んだ。だが、数日経っても増援が来ない。それどころか、対立していた村の方に今まで俺の村の味方だった奴等が敵村に寝返ったことが分かった。
そこでだ、俺の一族に昔から伝わる呪術に異世界転移というものがあるのを知っていた俺は実行することにした。そして…呼び出されたのがお前だ、女。
呼び出されたからには、それなりの力を持っているんだろう?」
ヒロインの能力はきっと、スプーン曲げですね!(殴