2つの歯車が、噛み合う時…。
ここから、本編始まります。紛らわしくてスンマセン(全力スライディング土下座 m(_ _)m)
「ん、起きたか、女」
枕元に、男が居た。
‐パンチのあるものがよかったとは言ったけれども、ねえ…それにしても、これって犬…いやあ、猫かな?
無性に触りたくなって、手を伸ばす、と
「ん、耳がどうかしたのか?それとも、銀という毛色が珍しいか…?」
苦笑気味に相手は、声を発した。
そして…
「それはないか、お前にも付いているしな。同じ色のやつが」
思わず耳を疑うような言葉を、平然と言ってのけたのだった。
それを、口の中で転がすように、反復してみる。
「お前にも…お前にも…何が?耳が…?」
覚醒しきった脳をフル稼働して考えるが、いまいち意味が分からない。
この堂々巡り状態を少しでも解消するため、頭の天辺に手を伸ばす。
すると、モサッとした毛のような感覚。
髪の毛とはまた別の、何か、そう、きっとこれは…
「……きゃああああああああああああああ!!」
自分でも上げたことの無い、高い高い悲鳴が響き渡った。
が、それも途中で中断される、
先程の人の手によって。
離して欲しくて騒いでいると、静かにしろ、耳が裂ける、と散々言われてしまった。
‐申し訳ないですっ!!
初対面の人にそう言われるとなんだか、とても悪い事をしたような気分になる。
まあ、実際、この人に迷惑をかけてしまったのだが。
首を縦に振って、もう叫ぶな、に肯定の意を示す。
そうすれば呆気無い程、あっさりと手を離してくれた。
「ええと、それで…あの、あなたは一体どちら様で、しょう、か…」
「…人に名を尋ねる際はまず自分から、というのを知らないのか?」
「うえっ!?あ!ですね!!すみません、どうも混乱していて…アハハハ、ハ」
「まあ、俺からも聞きたいことがたんまりあるんだ、早く名を名乗れ」
もの凄く上からな態度に、違和感を覚えたがとりあえず、何も分からないという状況を
抜け出したい一心で、自分の名を名乗った。
「私は、篠宮真って言います。あの、それで…あなたは…」
「俺は、楠乃棗だ。で、お前は一体何だ?
俺が、森の中で倒れている所を見つけていなかったら、お前、今頃襲われていたぞ?
昼寝って訳でもないだろ、それとも何か?お前、奴隷か?逃亡してきたのか?」
‐奴隷って…もう廃止された制度でしょ?
心のうちに秘めておいた積もりの言葉が、どうやらポロッと漏れていたらしく、
「なんだ、お前…只の世間知らずか?それとも……・・・・か?」
「世間知らず……そうかもしれないです。あ、後最後の方が聞こえなかったのでもう一度言ってくれますか…?」
「は、たいした事ではない、気にするな」
「そう、ですか…」
これで会話は一旦終了した。