罰ゲームからの恋!?
『始まりは罰ゲームから!?』の一ノ瀬sideです。
「・・・うそだろ?」
俺はこの結果を信じることができなかった。
***
始まりは三日前
俺達の溜まり場となっている空き教室に集まっていた。
「しゅーちゃーん明日のテストの点で賭けようぜ!!」
「あ?何いってんだお前?」
「やー最近刺激がなくてー」
ヘラヘラと涼太が笑いながら机にへばりついた。
「まぁまぁ、涼太の言うこともわかるでしょ」
総司が宥めるように寄ってきた。
「で?なにやるわけ?」
「明日テストあんじゃん?その点数で競おうってわけー。んで、負けた方が罰ゲームやんの!!」
「へぇ、楽しそうじゃん」
「罰ゲームはどうするつもり?」
「んー、次にそこの道通った女子に告白するってのでどうよ?」
「OKもらっちゃったらどうするのさ、僕やなんだけど」
「負けなきゃいい話だろ?最悪さっさと振ればいい」
「じゃーけってーいってことで!!」
「じゃあ不運な俺達の相手が来るのを待とうか」
---10分経過
---20分経過
---30分経過
「っだぁーー!!だれもこねぇじゃねーか!!」
待ちきれなくなった秀悟が帰ろうとしたその時...
「おっ来たじゃーん♪」
1人の女子生徒がゆっくりと過ぎていった。
染めてないセミロングの髪を片方でひとつにシュシュでまとめているどこにでもいる女子。
「あの子は確か.......浪川さんだったかな?」
「そーちゃん知り合いー?」
「去年同じクラスだったんだよ。彼女ならまぁ大丈夫じゃない?」
「あんな地味にやつかよ・・・」
「じゃー負けたやつは浪川ちゃんに告白で!!」
***
そして冒頭に戻る。
テストが帰ってきた俺達は放課後にテストを見せ合った。
......結果は一点差で俺の負け
にやにやとこちらを見るやつらが憎い。
「わーったよ!やればいいんだろ!?」
「どーやってやんの?」
涼太が目を輝かせ楽しいと言わんばかりの顔で聞いてきた。
「んなもんてきとーに呼び出して言えばいいだろ!」
「じゃあ手紙書かなきゃね♪」
なぜかノリノリだ。
俺は鞄からルーズリーフを取り出してさっさと書くことにした。
.....こんなもんだろ
『話したいことがある。
放課後に裏庭の桜の木まで来てほしい。』
我ながらうまく書けたぜ
「場所は告白スポットなのに・・・上から目線すぎるでしょ」
「いーんだよ!!」
「じゃー出しに行こーぜ☆」
涼太の無駄に高いテンションに殴りたい衝動に駆られたがなんとか抑え、みんなで玄関に向かう。
総司にあの女の場所を教えてもらい投げ入れた。
いよいよ明日か......
***
...バタバタバタバッ!
ガラッ!!
「ちょっwしゅーちゃんの手紙捨てられたwww」
「なにそれ?」
「はっ!?」
「どーなるかなーって見てたら浪川ちゃんがいやそーな顔してポイッてw」
クスクスッ
「名前書かなかったのがいけなかったんじゃない?もしかしたら来なかったりして」
「そんときゃ涼太が連れてこいよ?」
「えー」
「あ゛?」
「わかったよぅ」
***
放課後、俺達呼び出した場所へと向かった。
2人は後でどうなるのか見ているらしい。
既にあの女は来ていたようだが携帯に夢中でこちらに気がついていない。
それがなぜか面白くなく、影を作るように近づいた。
ようやくこちらと目を合わせた。
柔らかい笑顔を作り
「浪川由紀さん、俺と付き合ってくれませんか?」
・・・完璧だろ!
校内でも人気のこの俺様からの告白だ。断るわ理由なんてないだろ?
「ごめんなさい」
・・・はっ!?
「そもそも名前知らないし......」
名前も知らない・・・だと!?
驚き呆然としている俺をよそに女は何故か俺の後を見ている。
・・・おもしろい!!
こいつを絶対に俺に惚れさせてやる!!
宣戦布告とともに混乱している浪川を抱きしめそう決意した。
別side難しい(泣)
読んでくださった方ありがとうございます!!
【登場人物】
一ノ瀬秀悟
普段は猫をかぶっている。
俺様で2人の前では素でいる。
学校では王子様のようだと女子から人気。
藤田総司
黒髪の爽やか系。
実は腹黒。
風見涼太
金髪のちょいチャラい。
頭は良いのにアホ。
楽しいことが好き。