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領土奪還戦争  作者: マンチカン
最終章 すべての解決
97/105

バアルVSオットー

「人間共め、ここまで我らを苦しめるとは恐れ入る。我も出陣するときが来たか。」

バアルは準備を整える。

「大変でございます、バアル様。」

バアルの部下が血相を変えてやって来た。

「どうした騒々しい。」

「はっ、人間が一人こちらに向かってきております。」

ついに来たか、ここで迎え撃つしかあるまい。

「よし分かった。その人間とは我が戦う。お前らは下がれ。」

「ご、御武運を。」

バアルの命令で部下たちが立ち去る。

「なかなか部下想いの大将だな。」

男がバアルの前に現れる。

「奴らでは足手まといなだけだ。貴様に勝つため最善の策を打ったまでよ。

ここまで来るとは貴様、なかなかの男よ。名をなんと申す。」

「エスパレス軍元帥オットーヘリコムだ。」

「良い名だ。我の名はバアル。我が主ロキの直属の四天王の一人だ。」

互いに自己紹介をする。

「バアル殿、貴殿にも守るものがあるのだろう。だが私にも守るものがある。

ここはこれで語ろうではないか。」

オットーはそういうと魔方陣を描き、そこからワインを一瓶取り出した。

「オットー、貴様は面白い男だ。」

バアルはそういうとどこからか高価そうなグラスを取り出し、一つをオットーに

投げつけた。オットーが互いのグラスにワインを注ぐ。バアルがそれを

飲み干すと

「貴様の思いは、このやり取りを通してよく分かった。だが我も引けん。」

「そうか、では始めようバアル。」

オットーがなにやら呪文を唱える。それと同時にオットーの姿が見る見る

変化していき、ついに巨大な熊のような姿になった。

「なら我もそれに答えなければならない。」

バアルが呪文を唱えると巨大な竜に変化した。

「竜になるとは、これは恐れ入る。」

オットーは鋼鉄の様に分厚い爪でバアルに襲い掛かる。それを飛んでかわす

バアル。今度はバアルが空から襲い掛かり、獣の腕に噛み付く。獣の腕から

鮮血がほとばしる。オットーは強引に竜を引き離し地面にたたきつける。

オットーは口元から黄金の炎を吐き出し竜にぶつける。バアルは翼を盾にして

かろうじて攻撃を防ぐが翼が焼ききれ、周囲には焦げ臭い匂いが漂っている。

「これほどまでとは。何たる強さよ、オットー」

バアルは全身を光らせ、真っ赤な火炎放射を獣に向けて発射する。音速を超える

炎の帯が獣に直撃し、遥か彼方に吹き飛ばす。オットーの全身は焼けただれ、

歩くのもやっとである。

「これが四天王の力か。気に入ったぞバアル。」

強敵との出会いにオットーの闘志は燃えあがる。満身創痍の二人が対峙する。

オットーが先に動く。唸り声を上げながら竜に体当たりし、そのまま首筋に

噛み付く。竜は断末魔の悲鳴を上げるが力を振り絞りゼロ距離で火炎放射を吐く。灼熱に包まれるオットー。たまらず竜から体を引き離す。ほぼ同じタイミングで

両者の変身が解ける。

「バアル、私は貴殿に謝罪をしよう。貴殿を甘く見ていたことを。」

「それは我も同じことよ、オットー。人の強さこれほどまでとは恐れ入る。

オットーよ。先ほどまでは、貴様の戦い方に合わせたが、次はこちらのやり方に

合わせてもらうぞ。」

「望むところだぞ、バアル。」

「ふっ、感謝する。おい、お前たち例のものを準備しろ。」

バアルが部下に指示する。しばらくすると彼らはリングのようなものを

持ってきた。

「これは、プロレスリングか。」

「そうだ、これから我と貴様はリングで戦う。ルールはテキサスファイト

デスマッチだ。」

「小細工なしの殴り合いか、面白い。貴殿は真に面白い。」

そう言ってオットーは笑う。

「では始めようか。」

バアルはリングに上がる。

「無論だ、バアル。」

バアルがオットーの頬を殴りつける。ふらつきながらもすかさず、カウンター

攻撃をするオットー。続いてボディーブローを撃つオットー。

「重いぞ、貴様の拳は。伝わるぞ貴様の拳を通して。貴様の背負っている思いや

意志が。」

バアルの拳が再びオットーの顔面にヒットする。ブレインショックがオットーを

襲う。

「バアル、貴殿の拳もまた重いぞ。だが私は引かん」

オットーは渾身の力でバアルを殴る。バアルもまたオットーに殴りかかる。

クロスカウンター。マットに沈んだのはバアルのほうだった。

「見事だオットー。貴様とは友として会いたかった。」

「何を言うバアル。我々はすでに友だ。」

「感謝する。オットーよ、貴様の勝ちだ。先に進むが良い。」

「ああ、そうさせてもらおう。」

そう言い、オットーは先に進んだ。


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