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領土奪還戦争  作者: マンチカン
最終章 すべての解決
92/105

タナトスとセリア

『エンジェルファクトリー芸能事務所』

と書いてある看板の目の前にタナトスは立つ。全く私なんかでいいのかしら。

でも折角来たんだし、話だけ聞くのもありかな。意を決して玄関の扉を

ノックする。

「どうぞ。」

と扉の奥から声がした。

「失礼します。あの、私ビブリオ・フレミングさんの紹介で来ましたタナトスと

申します。」

タナトスが恐る恐る声をかける。

「あ~、君はあのときの。よく来てくれたね。どうぞどうぞ、上がって。」

部屋の中はソファーとテーブル、その置くには事務机が並んでいるという

シンプルなつくりだった。

「そこのソファーに座って待っててね。」

言われるままにソファーに座るタナトス。しばらくすると奥の扉が開き、

見たことのある二人が出てきた。

「いや~、よく来てくれたねタナトスちゃん。前に自己紹介したと思うけど、

私ビブリオ・フレミングと申します。そして隣にいるのが我が事務所、

一番のアイドル、セリアちゃんだ。」

「セリアよ、よろしく。でも、ほんとう、話に聞いたとおりの子ね。

この翼といい、この顔といい。」

セリアはタナトスの翼を触ったり頬ずりしたりする。

「でしょでしょ。セリアちゃん。私の目に狂いなんてないんだから。」

「さすが、やり手のスカウトマンね。」

そういいながらセリアはタナトスの頬を突っつく。

「いいわあ、この張りと艶。」

タナトスで遊ぶセリア。

「あの、ちょっとよろしいでしょうか。」

タナトスが恐る恐る声をかける。

「なあに、タナトスちゃん。何でも聞いて。あとセリアちゃん。駄目よ

食べちゃ。」

「はいはい、分かりました。」

セリアが名残惜しそうにタナトスから離れる。

「それで質問なんですが、いつから闘技場はコンサートホールに

なったんですか。」

タナトスの質問に

「ここ100年くらいね。でもどうしてそんなこと聞くの。」

「私、仕事でずっと下界にいたから、細菌の天界について全然分からないんです。だからこの前、ビブリオさんに会ったとき、あまりの変化にびっくり

しちゃいました。」

タナトスがそういうと

「えっ、タナトスちゃん。下にいたの。ねえねえ、下界ってどんな感じ。」

セリアが食いつく。

「そうですね、一言で言えば刺激的なところです。」

そう言ってからタナトスは地上についての説明をした。マヤとの出会いや

巨大ロボットの存在、エトセトラエトセトラ。

「じゃあ、アスタロテちゃんには合わなかったのね。」

ビブリオが聞きなれない名前を口にする。

「アスタロテ、いえ、聞いたこともありません。」

タナトスの答えに

「そっかあ、それは残念ねえ。あの子もなかなかいい子だったのに。

セクシーアンドエキゾチックな感じで。」

とビブリオが少し肩を落とす。

「そんながっかりしないでください、ビブリオさん。きっと見つかりますよ。

天使なんて地上にほとんどいませんから。もしよければ特徴を教えて

いただけませんか。」

「本当、タナトスちゃん。あなたいい子ね。分かったわ。セリアちゃん。

タナトスちゃんのこと味見くらいならしてもいいわよ。私が許す。」

「さすがビブリオさん。じゃあタナトスちゃん。今日はお泊り、明日はデート。

決定ね。」

「ちょっと待ってください、セリアさん。」

「決定ね。」

「はい。」

押し切られるタナトス。

「アスタロテちゃんの特徴なんだけど、水色の翼を持つことと褐色美人ね。

水色と褐色というコントラストがたまらないのよね。」

「ありがとうございます。他に何かありますか。」

「そうねえ、妹がいることくらいかな。まあアスタロテちゃんの話だけだから

会ったことはないけどね。名前も聞いてないし。」

とビブリオは言う。

「そうですか。まあ、やるだけやってみます。」

とタナトスは答える。

「ねえ、ビブリオさん。私も地上にいっていいかな。」

「そうねえ、いいわよ。違う世界を見聞することはセリアちゃんの人生にきっと

役に立つわ。」

「ありがとう、ビブリオさん。じゃあ、早速行こうよ、タナトスちゃん。」

セリアがタナトスの腕を掴んで催促する。

「その前に知り合いにお土産かって期待のですがいいですか。」

「うん、いいよ。じゃあ、私が案内してあげる。」

「では、お願いします。」

「そんなかしこまらなくていいよ。では、ビブリオさんいってきます。」

「気をつけるんだよ、二人とも。」

ビブリオは二人が見えなくなるまで見送った。

商店街に着いた二人は色々なものを見た。

「これきれいですね。」

タナトスは一つの商品に目を奪われる。

「これに目をつけるとはお嬢さん、なかなかいいセンスしているね。

これはレムリアンクリスタルっていう宝石を使ったネックレスさ。どうだ、

気に入ったかい。」

店主がタナトスに商品を勧める。

「ねえセリアさん。これどう思います。」

先ほどの商品を見せる。

「いいじゃん。すごくきれいだね。」

「本当、じゃあこれ買っちゃおう。おじさんこれ二つください。」

「あいよ。お嬢さん可愛いから特別に半額だ」

「本当。おじさん、やっさしい。」

買い物を済ませた二人は人目の付かないところにいくと

「では行きますか。」

「行きましょう。」

タナトスは魔方陣を張り二人は地上に向かった


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