祝勝会
「かんぱーい!」
とある高級ホテルの一室で祝勝会が開かれた。
世界中の政府関係者はもちろん、戦闘で活躍した兵士たちも祝勝会に招待された。
「さあさあ、皆さんお聞きください。この稀代の天才グリセリドと最高傑作
オメガによるアメイジングでエキサイトな冒険活劇を。」
誰もが彼のほうを振り向かない。
「教授、誰も教授の話興味ないみたいです」
「凡人とは哀れなものよのお。」
そんな中、一人の女性が近づく。
「あら、グリセリドさん。この度はおめでとうございます。」
「この天才に話しかけてくださるとは、さすが飛鳥大臣。あなたは器が違う。」
グリセリドが大げさな態度をとる。
「そんなことはありませんわ、グリセリドさん。あなたの活躍、この目で
じっくりと見ましたから。そんなあなたにプレゼント。」
そういって飛鳥はポケットから手紙を取り出してグリセリドの目の前に
突きつける。
「弁償してもらいますからね。扉の修繕費。今日は逃がしませんよ。」
「まずいぞオメガ君。この場は退散だ。」
「ハイハイハーイ。教授。トンズラしましょう。」
一目散に逃げる一人と一体。
「待ちなさいよ、このクラッシャー。」
追いかける飛鳥。
「会場、にぎやかだね。」
「うん、そうだね。ソフィアちゃん。」
テラスに出た二人を満月の明かりが照らす。
「有希さんや美咲さん、天国でパーティーやっているのかな。」
すみれの頬に一筋の涙が流れる。涙の道が月明かりに反射され美しさを
際立たせる。
「もちろんだよ、すみれ。今頃私たちのこと見て『情けない顔しているぞ、
あいつら』なんていって笑っているよ。」
「そうだね、ソフィアちゃん。じゃあ、勝利を祝って乾杯。」
「うん、乾杯。」
満月を背景にして二人のグラスが重なり合う。
相変わらずにぎやかな会場。
会場から出て廊下を歩く少女。ナギサ・ジブリール。
「お久しぶり、ナギサ。元気してた。」
突如目の前に水色の翼を持つ女が現れる。
「・・・姉さん。どうしてここに。」
これで三章まで終わりです。次の章でこの作品の完成します。




