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領土奪還戦争  作者: マンチカン
第一章 日本の目覚め
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アメリカの困惑

アメリカ国防省サイバー兵器研究所にて

「ジョーンズ、どうだい。最近の日本の様子は。」

「そうですね、軍備拡張の傾向は見られますが兵器開発はあまり

進んではいませんね。ホワイト大佐。」

「そうか。IAEAも日本の核開発の兆しは見えないと報告が上がっているからな。」

ホワイトは歯がゆい気持ちだった。自国の領土が占領されたのにほとんど軍事行動を

する気配がないというのは。我が国に限らずどんな中小国でも抵抗はする。

抵抗すらしないというのが不思議でしょうがなかった。同じ考えをしていたのか

ジョーンズが

「奇妙ですよね、ホワイト大佐。中国、韓国から侵略されても反撃一つしないなんて。

それにあの女の行動と一致しません。」

「あの女?」

「防衛大臣ですよ。クリストファー副長官を篭絡して空母をたった1ドルで購入したじゃないですか。おかしいですよ、このギャップは。」

「いわれてみればそうだな。ジョーンズ、防衛省に侵入を試みたことはあるか?」

「何度も行っております。セキュリティーレベルに若干の改良はありますが、

現在の日本の情報セキュリティーレベルは一世代遅れております。

そして侵入の結果で分かったことは、日本の兵器開発はほとんど進んでおりません。」

とジョーンズは呆れながら答えた。報告を聞いたホワイト大佐は苦笑いしながら

「そうか」

と答えた。一方その頃

「どう、防衛省に対する攻撃は?」

長澤の質問に対し

「中国、韓国、ロシアからの攻撃は毎度のことだけど、この頃アメリカからもくるわ」

と顔立ちの整ったポニーテールの少女が答えた。彼女の名前は霧島すみれ。

霧島海上幕僚長の娘である。

「ご心配なく結衣先輩。こいつら全員私の開発したダミーに踊らされているから」

というとVサインをして見せた。

「ダミー情報って?」

「詳しくは言えないけれど一言で言えば、超インチキ情報よ。

日本は軍拡こそしているけれど兵器開発は遅れていますってね。まあ、ちょっと

見てみてよ、これを。」

すみれにいわれて長澤はパソコンの画面を見てみると画面は英語で埋まっていた。

「これは米国国防省による最近の日本の動向についての報告書よ。」

「これって機密情報じゃないの!」

「ご名答。かっぱらっちゃいました。アメリカいや、世界のコンピューターはフォン・ノイマン形式だけど、うちらは量子コンピューターだからね。すべてのセキュリティは

無に等しいわ。」

さすが電子の妖精ね。絶対敵には回せないわ。

「さすがだわ。でも油断はしないでね。」

その言葉を聴いたとたん、すみれの顔からさっきまでの余裕が消え険しくなって

「結衣先輩。私は戦場ではただの役立たずです。だって自動小銃だってまともに持てないし、体力だって10キロも走れないわ。でも彼らは違う。腕一本で私を軽々と持ち上げてしまうもの。とても私にはできないわ。でもね・・」

とコンピューターの方を見つめ

「私にはこれができる。これで彼らを支援するの。そう、いち日本人として。彼らを守るために、そして日本が勝つために。だから私は大丈夫。油断はしないわ。」

           2026年9月


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