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領土奪還戦争  作者: マンチカン
第三章 揺れる世界
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宇宙戦争

「野郎共、おっぱじめるわよ!」

碧眼の星使いという二つ名を持つエスパレス宇宙軍ヘリオスフィア防衛隊隊長

レベッカ・テスタロッサの大声が宇宙空母ブリュンヒルデの指令室内に響き渡る。

「まずは先制攻撃で敵の士気を下げるわよ。」

そういうとレベッカは両手を合わせる。

「星を集え、我の僕になれ。」

基地周辺に大小様々な星の欠片が次々と集まってくる。呪文を唱えながら甲板に

移動するレベッカ。

「発動せよ、空間制御魔法メテオ!」

レベッカの周辺に集まった星の欠片が流星となってアラスト星人の宇宙戦闘機に

向かっていく。突然現れた流星にアラスト星人たちは慌てて回避行動をとる。

「なんなんだ、あの流星群は。何もないところから出現したぞ。」

何機かは撃破したがかなり多くの戦闘機が健在であった。

チッ、なかなかやるわね、あのタヌキ。ではもう一発ぶっ放すとするか。

「よおし、もう一発ぶっ放すわよ。主砲、空間圧縮ビーム砲撃て!」

宇宙空母ブリュンヒルデから巨大なビームが辺りの空間を飲み込みながら

アラスト星人の宇宙戦闘機群に襲い掛かる。直撃を受けた戦闘機はもちろんのこと

周囲の戦闘機も圧縮される空間もろとも飲み込まれ破壊される。この様子を見ていた

アラスト星人の一人は

「何なんだあの攻撃は。こんな銀河の端っこの片田舎にこれだけの軍事力があるとは。今まで数多くの星を滅ぼしてきたが、これほど強力な兵器は見たことが無い。

ボスに連絡を入れねばならん。」

といって自軍の基地に引き返した。

「敵の戦闘機は編隊を崩したわ。これよりエスパレス軍は宇宙戦闘機群に攻撃を

開始する。気合入れていくわよ!」

レベッカの気迫を合図に次々と戦闘機が出撃する。

「全く、相変わらず派手好きだな。」

「あら、マヤじゃない。持ち場から離れていいのかい。」

「問題ない、私とレベッカでアラスト星人の基地内部を制圧せよとオットー元帥から

命令が下されている。」

「ま、暴れられりゃいいけどね。ところでマヤ、その腕輪はなんだい?」

レベッカはマヤが腕につけているルビーの装飾がされている腕輪に目をつける。

「ああ、これか。ただの通信機だ。オットー元帥が月基地を攻めるときや何か

あったときに使えと渡してくれたものだ。」

「ま、うちらには関係ない代物だな。」

とレベッカ。

「だといいな。」

宇宙空間におけるエスパレス宇宙軍の宇宙戦闘機サラスヴァティーとアラスト星人の

宇宙戦闘機の戦いが本格的に始まる。両陣営から雨あられのように放出される

色とりどりのレーザーの弾幕は映画のワンシーンを思い浮かばせるほど美しい。

一寸先は死である事を忘れさせるぐらいに。互いのシールドが攻撃をはじき

ダメージを与えられない。

「ったく、しぶといわね、あのタヌキ。どうにかして一箇所に集めれば、

でかいのぶっ放せるんだけど。」

戦場の様子をモニターで見ながら頭をかくレベッカ。

「こちらが一箇所に集まり、一気に転移をし、そこに先ほどのを撃つのはどうだ。」

マヤがレベッカに助言をする。

「そうね、それで行くか。ところでこの艦のエネルギーはあとどれくらいある」

「あと50%ほどです。レベッカ将軍。」

オペレーターが答える。

「なるほどね、あと一発が限度か。まあ、一発あれば十分でしょ。全戦闘機の

パイロットに告ぐ。今から送る座標の位置に移動しまっすぐ進め。そして私が

命令したら所定の位置に転移しろ。」

命令を終えて再びモニターを見つめるレベッカ。味方が指定した位置に集中する。

交戦しているアラスト星人の宇宙戦闘機も知らず知らずに集中する。

いいぞ、いいぞ。

レベッカの目論見どおりに事が進む。

よし、今だ!

「転移!」

レベッカの命令を受けサラスヴァティーはその場から姿を消し次の瞬間、

別の位置に展開する。

「チャンス到来。いっけえええ。空間圧縮ビーム砲」

ブリュンヒルデから再び空間圧縮ビーム砲が発射される。ひとまとまりにされた

敵の宇宙戦闘機はグシャッと紙を丸めたようになり、互いにくっつき周辺の空間ごと

押しつぶされた。圧縮された空間が回復したとき、敵戦闘機は抑圧から解放され

バラバラになり宇宙の塵となった。

「敵の反応消滅。この宙域におけるアラスト星人は全滅した模様です。」

オペレーターがレベッカに報告する。

「よっしゃあ。ではこのまま敵の基地に攻撃だ。ブリュンヒルデ進軍せよ」

レベッカは意気揚々と命令を下す。

「レベッカ将軍。先ほどの主砲によりこの艦エネルギー残量は10%ほどです。

そのため、これ以上の進軍はできません。」

オペレーターがレベッカに冷たい現実を報告する。

「そりゃあ、残念だ。まあ、奴らの戦闘機を駆逐したからいいとするか。

よし次はうちらの出番だな、マヤ。」

レベッカがマヤのほうを振り返る。

「まさか、もう乗り込むのか。」

マヤの勘は当たった。

「もちのろんよ。タヌキどもは今頃、次の戦略を練り直しているわ。

それか基地を放棄してトンずらするかね。敵に考える時間は与えないわ。

電光石火で叩き潰す、それが戦いってもんでしょ。」

腕をパキパキと鳴らし、やる気を見せるレベッカ。

「それもそうだな。場所は分かっているだろうな。」

「あったり前でしょ。入り口まで一気に転移するわよ。ではエアフィールド。」

レベッカが呪文を唱えると二人の周囲を大気が包む。

「宇宙には空気がないしね。」

「そうだな。あとこれを食べるか。」

マヤはガムクッキーらしきものを取り出しレベッカに渡す。

「菓子型宇宙服か。食べるだけで空気が体内から生産されるなんてホント便利よね。

オッケー、これで完璧ね」

準備を終えた二人は敵の本拠地に転移した。


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