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領土奪還戦争  作者: マンチカン
第三章 揺れる世界
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日中露合同協議

場所は北京・中南海

「皆様、急な日程であったに違いないが来て下さりありがとうございます。」

江恩来国家主席のあいさつが始まる。

「内容はアラスト星人についてですね。」

氷室首相が江首席に質問する。

「アラスト星人と言うのですか。あの異星人は。」

「ええ、このことは現在、日本とロシアのみがつかんでいる情報です。

ヴィクトール大統領、すみません。例のCDは持っておりますでしょうか」

氷室に言われたヴィクトールは背広のうちポケットからCDを取り出した。

米国とアラスト星人のやりとりを映した動画を鑑賞した後、江は

「驚きました。我々の知らないところでこのようなことがあったとは。」

と感嘆の声を上げた。

「たしかに驚きですね。失礼ですが氷室首相、ヴィクトール大統領、おふた方は

何故このことを事前に公表しなかったのですか。」

見知らぬ男が二人に尋ねる。

「信頼に値する情報か判断できなかったためであります。ところであなたは初めて

お会いになりますね。」

氷室がその男に尋ねる。

「申し送れました。私、江政権において参謀長を務めることになりました

陸孔明であります。」

「私、氷室武と申します。今後ともよろしくお願いします。孔明参謀長。」

「ロシア政府の考えも日本と同じだ。タヌキが人間を脅かしているなんて、

にわかには信じられない話だからな。」

ヴィクトールも続いて答える。

「まあ、そうでしょうね。仮に中国政府がこの情報を掴んでいたとしても同じ判断を

したと思います。」

孔明も納得したように答える。

「異星人の正体についてはこれくらいにして彼らとどのように対抗するか

議論しましょう。」

江が話を元に戻す。

「それについてですが私から提案があります。江首席。」

「何でしょうヨハン・チェンロシア軍参謀長。」

「極東をロシア、日本、中国を中心としてアラスト星人からの侵略に備えることです。それに米軍への支援及び欧州との共同作戦も行いやすいでしょう。」

チェンの答えを聞いた氷室が

「なるほど日中露統合軍を設立すると考えてよろしいでしょうか。チェン参謀長」

「その通りであります。しかし情報収集に関してはエスペランザで行います。」

「エスペランザとは何でしょうか。」

江がチェンに質問する。

「はい、エスペランザとはロシアと日本の情報部の統合部隊であります。」

「そうですか。分かりました、お願いします。我々の情報部はアラスト星人に

ついては掴めませんでしたので両国が最適でしょう。」

江は納得したように答える。

「では、アラスト星人に対しては日中露統合軍で対応するということでよろしい

でしょうか。」

江が会議の参加者に是非を求める。

各席から「問題ない」と答えが返ってくる。

「では問題無いようなので、日中露統合軍を設立することが決まりました。

続いてですが朝鮮半島において突如起きた謎の現象についてですが

どういたしましょう。」

江が参加者に意見を求める。

「ほっといたらどうでしょう。今はアラスト星人についての対処が最優先事項です。

人類が滅ぼされてしまったら元も子もありませんから。」

氷室が今は無視するべきという提案を出す。

「まあ、そうでしょうね。両方に対処できる余裕もありませんし、私は氷室首相の

意見に賛成です。」

孔明が氷室に賛同する。江は周りを見わたす。先ほどの緊張感と違って、

どこか他人事のようだった。意見も全く出てこない。

「何も意見が出てこないようですので朝鮮半島について今は放置ということで

決定します。皆様方、本日は集まっていただきありがとうございました。」

江がそういって会議を締めくくった。


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