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領土奪還戦争  作者: マンチカン
第三章 揺れる世界
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各国の動き

米国が異星人の攻撃を受けたことに対して欧州議長マリオ・クレスポは即座に

欧州議会を開いた。

「異星人による米国への奇襲。これは欧州としても他人事ではない。よって今後の

対策を早急に決めたい。」

とマリオは言う。それに対し欧州統合軍総司令官ダリウス・ゼーラーは

「マリオ議長。現在、EUの戦力から考え異星人と交戦可能な国はイギリス、

フランス、ドイツ、イタリアの四カ国のみです。よってこの四カ国が米国の応援に

行き、残りはEUの防衛に努めるのが最適だと考えます。」

「勝てる見込みはあるのかね」

議員の一人がゼーラーに質問する。

「フランス空母リシュリューには戦車射出装置、イギリスの戦車チャレンジャー3は

光学迷彩装置という新兵器があります。さらに我々は日本やロシアとも協力しこの

問題を打開するつもりです。」

ゼーラーの答えに別の議員が

「日本とロシアは現在、紛争中であるが協力してもらえる見込みはあるのですか」

この問いに

「人類が滅びるかどうかの問題です。彼らにとっても争っている場合ではありません。よって協力は可能であると考えています。また両国は巨大ロボットを初め、

我々の想像を超える兵器を有している可能性があり、彼らの戦力はこの問題の

解決に必要不可欠であります。」

ゼーラーは答える。

「なるほど。では今後はイギリス、フランス、ドイツ、イタリアの連合軍は

EU軍として動き、そのうえで日本、ロシアとの協議に入るということで

いいだろうか」

マリオが各議員たちに賛成を求める。会議室は万雷の拍手で埋め尽くされる中、

終了した。

また同じ頃、日本とロシアもアラスト星人の襲撃についての対応に追われていた。

「氷室総理、いかがしましょう。ロシアとの戦闘を続けている場合ではないと

思います。」

「そうだね、飛鳥大臣。あなたのおっしゃるとおりです。よって私は今から

モスクワに向かいます。すでにヴィクトール大統領にその旨を伝えておりますので

問題はないでしょう。」

氷室はそういうと、向かいの車に乗り込んだ。

会談はクレムリン宮殿にて行われた。どことなく凍りついた雰囲気が漂っていた。

「急な会談を要請してしまい申し訳ない、ヴィクトール大統領。」

氷室が普段より緊張した面持ちで挨拶をする。

「ロサンゼルスの件につきましては、わが国にとっても緊急事態ですから。」

「話が早くて助かります。ところで、わが国とロシアの戦闘の原因は

北方領土についてですが一時保留にしませんか。」

と氷室は提案する。ヴィクトールは

「領土問題は複雑な問題です。しかし、現在の状況は人類の存亡がかかっております。この問題の解決はアラスト星人を叩いてからにしましょう。」

と答える。

「異星人の名をご存知ということはロシア政府もその情報を掴んでいるという

事ですね。」

「その様子だと日本政府もご存知ということですね。まあ、それは

置いておきましょう。」

両首脳の考えは基本同じであった。北方領土は譲れないがアラスト星人の問題を

優先しようということだ。

「ヴィクトール大統領、私は米国に航空機部隊を展開しようと考えております。

奴らは米国を叩いた後、他国への侵略を行うでしょう。こちらから攻めなければ

勝機は無いと考えております。」

「おっしゃることは分かります。しかし日本単独では難しいのでは。」

「確かに難しいでしょう。なので国連軍を緊急に設立する必要があると私は

考えております。」

「分かりました。そういうことならロシアも力を貸しましょう。」

そこで二人は固く握手をした。

「氷室首相、今後についてですが一部部隊を統合運用するのはどうでしょう。」

「具体的な考えがあるのでしょうか。」

「ええ、私どもの情報部と日本の情報部を統合運用しましょう。」

ヴィクトールの提案に氷室は

「そういえば霧島すみれとソフィア・マイスキーは幼馴染でしたね。彼女たちが

力を合わせればかなりの戦力になると思います。大統領の案に私は賛成します。」

二人の首脳の間に会談当初にあった緊張はすでになくなっていた。

「ところで氷室首相、さっきの混成チームのことなんだけどね、エスペランザなんて

名前はどうだろう。」

「エスペランザ。確かスペイン語で希望を意味だったような。」

「そう、彼女たちには希望となってもらいたいんだよ。この地球を救う希望にね。」

「そうですね。そのためにも我々も頑張らなければならないですね。」

こうして日露会談は終了した。日露情報統合部隊エスペランザを設立して。

2028年6月2日


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