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領土奪還戦争  作者: マンチカン
第三章 揺れる世界
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ロシアへの挑戦状

「カムイの完成、そしてパイロットの選定も無事終わりました。これでロシアの

巨大ロボットに対抗する準備が整いました、総理。」

飛鳥が氷室総理に報告する。

「これだけの短期間にここまで準備できるとは大変素晴らしい。私はあなたを

任命したのは正解でした。」

「ありがとうございます総理。しかし、これは私ではなく私の部下たちの頑張りで

あります。」

氷室のほめ言葉に飛鳥が謙遜する。

「それがあなたの力ですよ。飛鳥大臣。それはそうと、準備が整ったのであれば、

今度はこちらから攻撃しましょう。」

「そうですね。では果たし状は彼らにお任せしようかと思います。」

「彼らとは?」

氷室の質問に飛鳥は軽く微笑みながら

「パイロットの二人ですよ、総理。」

その日の夕方、坂井とすみれは、とある管制室に呼ばれた。部屋に入ると二人は

作戦についての説明を受けた。

「了解しました。要はあいつらを挑発すればいいんですね。」

と納得した坂井は早速、グリセリドたちに挑発を開始する。

「へロー、頭のねじが1ダース抜けた変態さん。あの案山子みたいなガラクタ

粉末にしてやるから、俺らと勝負しろ。」

「ふん、かすり傷一つ負わせることができなかった分際が何をぎゃあぎゃあ

吼えているのだ。どうやら貴様の脳みそはカエル並みのようだな。だろうな。

この天才に挑むという暴挙に出るというのは。まあ、生まれたての子犬はトラの

強さを知らないとは昔からよく言ったものだ。相手にしてやるのも暇つぶしくらい

にはなるだろう。」

「けっ、その高慢ちきの鼻っ柱をたたき折るというのも悪くねえ。首を洗って

待っていな。」

「あらぁ、ずいぶんと荒々しい方ですわね。戦場に生きる男性って激しくって

ス・テ・キ。興奮しちゃうわ。」

交信の相手が突然変わったことと、女の妖しい挑発に思わず坂井はたじろいだ。

「何だ、からかっているのか。」

「焦った声もまた素敵ですわ。妄想したらワタシ、熱くなってきちゃった。

早くお会いしたいわ。今週の金曜、日本時間の19時なんてどうかしら。」

すみません、といってすみれが坂井のマイクを取り上げる。

「ソフィアちゃん、いったい何が目的なの。あの時言ったことはうそだったの。」

「何のためって祖国のために決まっているじゃん。あの時って何だっけ。ああ、

あれね。もう、真に受けちゃうなんて。」

すみれはその場で立ち尽くす。坂井が立ち尽くしているすみれからマイクを取り

「なんだか知らないけど余裕こいていられるのも今のうちだぜ。金曜、19時だな。

分かった。あばよ。」

通信終了。決戦は金曜日。

「すみれ、引き金を引けば後悔することができる。引かなければ後悔する事も

できないぞ。」

そう言って坂井は部屋を後にした。そうね、その通りよね。必ずこの勝負に

勝たなくては、日本のために。

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