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領土奪還戦争  作者: マンチカン
第一章 日本の目覚め
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空母完成

ここは呉造船所の、あるドック。日本が敗戦してからおよそ80年たって

ついにここまで来たのだ。専守防衛を基軸にする日本が空母を持つ必要は本来ない筈である。だが、敵基地を破壊しなければ国家安全の防衛ができないという

現政権の下、急ピッチで進められたのであった。ベースとして、

財政危機に陥っているアメリカから購入したキティーホークである。

これをたった1ドルで買えたのだから安いものである。老朽化がかなり進んでいたこともあって改修、改良を行った結果、もはや別物となっていた。

この空母建造に関わったのが本田翔という男である。空の長澤結衣、陸の大島豪、

星の高樹亮太、そして海の本田翔。この四人は日本の兵器開発では

欠くことのできない存在である。亡国の危機にこれだけの人材が

彗星のように現れたのは天の助けだろうか。それはさておき、

本日は防衛大臣自ら空母建造の現場を見学に来る日である。

SPに守られて彼女はやってきた。

「はじめまして、飛鳥理恵です。」

おっとりとした口調、さらさらロングヘア。髪が風になびくとほんのりと

の匂いがした。TVでも時々彼女の姿を見るが、防衛大臣としてはどうも

しっくりこない。どう考えてもグラビアアイドルのほうが向いている。

実際彼女の人気は大臣としての資質よりも美貌のほうだったからである。

大臣の挨拶の後、本田のほうも軽く挨拶を済ませ大臣への空母についての説明を軽く行った。老朽化の修繕のこと、現在の完成度のこと、兵装について。などなどである。一通り説明をすると、大臣は、

「ご丁寧な説明ありがとうございました」

といって本田に深々とお辞儀をした。そのときだった。彼女は強い眼差しで本田を見つめた。そこからは彼女の風貌からは全く想像できない強い力を本田は感じた。その力を保持したまま彼女は、

「私が空母建造を命じたのには三つの理由があります。まず一つ、災害時における物資の大規模輸送の手段。二つ、敵基地攻撃時の移動要塞として。三つ、誇りを失ったわが国の希望と示す船として、です。」

本田は彼女に対する考えを改めざるをえなかった。彼女から発する気迫は命をかけて

必ずこの国を守り通す意志というものを感じた。この圧倒的な力に共感した本田は、

俺も日本を守る一員として世界最強の艦隊を造ってみせると心に決めた。その夜、メールを確認すると、<空母完成までもう少しですね。頑張ってください。亡国の救世主より>

というメールが届いていた。           2026年4月


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