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領土奪還戦争  作者: マンチカン
第二章 アジアの両雄激突
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混迷するアジア

「若松外務大臣、中国政府の意図は何だと思います。」

氷室首相が若松に問う。

「正直理解しかねます。沖縄本島での戦闘は始まったばかりであります。

それと中国から見て小国である日本に数日で敗戦したとなれば中国の面子は

丸つぶれです。」

撤退を宣言してから中国政府は沈黙を保っているため日本政府も中国が何を

考えているのか分からないのが現状である。

「国内事情を優先したのかもしれません。もしくは日本以外のインドやアセアン

諸国との武力衝突を優先したのかもしれません。」

と飛鳥防衛大臣。

「いずれにしても中国はまた攻撃してくる可能性は十分にあるので警戒は

怠らないようにいきましょう。」

と氷室。領土を奪われたと逆上した中国や韓国が結託して日本に戦争を仕掛けてくる

可能性は否定できないが注視するしかないのである。

「失礼します。飛鳥大臣はいらっしゃいますか。」

飛鳥の秘書が血相を変えて会議室に入ってきた。

「どうしました。」

「たった今、韓国国防省から連絡があったのですが前大統領パク・デジュンが

脱獄した模様です。また警備員数名が死亡したとのことです。」

あまりに予想外の連絡に会議室内は一瞬あわただしくなったが飛鳥は落ち着いた

様子で

「連絡ありがとうございます。後はこちらで対処します。」

と述べた。

「亡命でしょうか」

若松の問いかけに飛鳥は

「かもしれません。それに韓国側の報告が事実ならば警備員の死亡が問題です。

元大統領側のクーデターの可能性もあるかもしれません。」

氷室は

「しかしこれは基本的には韓国国内の問題でしょう。しばらく様子を見るのが

賢明でしょう。」

と述べ、会議を元に戻そうとしたとき飛鳥の別の秘書が

「失礼します。飛鳥大臣はいらっしゃいますか」

と先ほどと同じように血相を変えて会議室に入ってきた。

「今度は何がありましたか。」

「今度とは。」

「こちらの話です。気にしないでください。」

「はい。中国の周旭人国家主席が突如退任。現在行方不明とのことです。」

またもや予期せぬ報告に室内は騒然となったが先ほどと同様に落ち着いた様子で

飛鳥は

「連絡ありがとうございます。後はこちらにお任せください。」

とだけ述べた。

「いったい何が起きているのしょう。」

若松の不安そうな言葉を尻目に氷室は

「まだ分かりません。しかし不測の事態に備える必要があるでしょう。そして

それが起きたときに対処するのが内閣の仕事であります。皆さん、

私についてきてくれますか。」

「もちろんです総理。」

二人の大臣はほぼ同じタイミングで返事した。


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