表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
領土奪還戦争  作者: マンチカン
第二章 アジアの両雄激突
51/105

沖縄近海戦~空の戦い編~

「坂井、これから俺たちは中国との戦いに向け出陣する。準備はよいか」

黒川教官の声が紅蓮の飛行甲板で俺に檄を飛ばす。

「教官。私、坂井健一はいつでも出陣可能であります。」

俺は黒川教官にそう答えると

「よし。では俺が離陸した十秒後に離陸しろ」

「了解であります。」

俺たち空の男の闘いがついに始まるのである。紅蓮から離陸して数分後、

最初の敵機をレーダーが捉えた。俺はすぐさま旋回し敵の後ろに回りこんだ。

これがJ―21か。最新鋭のステルスもこのレーダーの前には意味をなさない。

いや、ラプターのほうがまだましだ。俺はそう思いながら敵機に30ミリ砲を

撃ち込んだ。敵機は火を吹きながら錐揉み上に海に落下した。これで一機。

次の獲物を狙っていたとき突如警報が鳴り響いた。ディスプレイを見るとマークが

8つある。しかも俺を囲い込むようにしてだ。俺は深呼吸をしてから周囲を確認した。敵は見られない。とにかくここにいては危険なので俺は速度をあげ

脱出しようとしたが、俺の飛行に合わせて滴たちも動き出す。それだけでなく

俺を囲っている円がだんだんと小さくなっている。完全に見つかったな、

と俺はそう感じながら周囲の警戒を強めた。気が付かれているのだから

レーダーはもはや意味がない。俺は敵の気配に気を配っていると頭上を曳航弾の

赤い線がゼロを掠めたのだ。これはまずい、そう思ったときある光景が頭に

浮かんできた。

「どうだ、新型の威力は全方位発射型の機関砲よ。しかも同時に10機まで攻撃が

可能よ。」

長澤のふんぞり返った姿である。オールレンジ式機関砲か。試す価値はある。

俺はすぐさま通常の機関砲を引っ込めオールレンジ式機関砲を機体から出した。

敵の攻撃をかわしながら。よし準備完了。マルチロックオン完了。発射。

スイッチを押した瞬間、30ミリ砲がそれぞれの敵機に向かって発射され、

発射音に続いて小さな爆音があちこちから聞こえてきた。ディスプレイを見てみると

先ほどまであったマークが一つ残らずきれいになくなっていた。

一度に全機撃墜したためである。このピンチを乗り越えたのはいいが

燃料が少なくなっていたので俺は紅蓮に帰還したのである。

燃料を補給している間に中国との空戦は終わり我が日本軍の勝利で終わった。

「坂井、無事だったか。」

「囲まれたときはヒヤッとしましたが無事であります。黒川教官もご無事で

何よりです。」

そう言うと黒川教官の目は急に曇って

「囲まれただと。それは目視で見つかったのか。それともレーダーに

捉えられたのか。」

と俺に質問してきた。

「囲まれた原因は分かりません。自分の不注意なのかレーダーに捉えられたのかは。」

そう答えるのでいっぱいいっぱいだったが教官は

「そうか、ではその件について報告書にまとめておくように。兵装の改良が

必要になるかもしれないしな。期限は明日までだ。」

それだけ言うと黒川教官はどこかへ言ってしまった。明日までって、そんな無茶な。

俺は勝利の余韻に浸るまもなく報告書の作業に終われる羽目となった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ