日中開戦
中国からの宣戦布告が発表された翌日、山本の予想通り中国からのミサイル攻撃が
始まった。東京中に空襲警報が鳴りひびき、多くの人々が地下鉄内に逃げ込む。
また車で東京を脱出するもので一般道、高速道路ともに激しい渋滞になった。
日本も迎撃ミサイルや迎撃レーザーで即応戦。この攻撃を退ける。
日本側も中国に対しMIRV型のICBM、SLBMで波状攻撃を仕掛ける。
中国側も独自の迎撃システムで応戦する。MIRVが途中で複数に分裂して
中国本土を襲う。そこに多数の空中で静止している球状の物体が待ち受ける。
空雷である。空雷がミサイルの軌道に向かって移動しそこでスクラムを組み
飛んできたミサイルが衝突した瞬間、空雷がミサイルとともに爆破。迎撃に成功。
初日だけで両軍合わせて2000発以上のミサイルを撃ち合ったが日中両軍の
ミサイル迎撃システムは全数迎撃に成功し互いに損害を与えることはできなかった。
翌2月12日、日本国防軍第五護衛隊群は沖縄奪還のため佐世保基地を出発した。
構成する艦艇は新型空母『紅蓮』を中核に10隻の護衛艦、潜水艦『深龍』を含む
3隻、補給艦2隻、強襲揚陸艦『青霞』1隻である。
「いよいよ始まりますね。東郷艦長。」
「ああ、そうだな。必ず祖国を取り戻そう。島田副艦長。」
東郷は一息つくと
「全艦兵員に告ぐ。これから我々は祖国を取り戻す戦いを行う。作戦名は自由の風。我々は沖縄の自由を取り戻す風となるのだ。そしてこの作戦の成否は君たちに
懸かっている。それでは総員、配置に着け。」
ついに日中両国が洋上において火蓋を切ることになる。
2028年2月11日




