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領土奪還戦争  作者: マンチカン
第二章 アジアの両雄激突
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中国のわな

氷室が自衛隊を日本国防軍に昇格したことを受けた中国政府は中南海において

緊急会議が開かれた。国家主席の周、外交部長の王、国防部部長の張が

集まるという異例の事態だった。

「日本の軍拡はもはや無視できない領域に着ております。そろそろ手を

打たなければならないと思います。」

張が周国家主席に詰め寄った。

「そうですね。レーザー兵器に対する対策もでき、東南アジアも押さえつけることに

成功し、日本の軍拡は国際社会も注目している現在、機が熟したと

見るべきでしょう。」

周の言葉に王は

「では、いよいよ仕掛けるというわけですね。しかし、それには何らかの

大義名分が必要かと思いますが」

王の心配をよそに

「王外交部長、そのことについては心配ありません。ここは戦争屋に

お任せください。なあに忠誠心の高い共産党員を数人ばかりの犠牲で済ませますから」

と張が不気味な笑みを浮かべながら王に行った。その数日、中国の漁船が何者かに

発砲され漁民が死亡するという事件が起きた。近くにいた別の船にはその死亡した

漁民の娘が乗っておりその一部始終を語った様子が生中継された。少女が話した

内容は旭日旗をつけた船が父の漁を邪魔し、抗議した父たちの船を突如発砲

したということを涙ながらに語ったのである。このスピーチを聞いた国連は

日本に対し非難決議を採択し中国の武力行使を認める裁決を下した。

2月10日、中国は日本に対し正式に宣戦布告をし日中の開戦は避けられない事態となった。 中国から宣戦布告を受けた日本政府はすぐさま緊急閣僚会議を開いた。

「先ほど、中国政府から正式に宣戦布告の通知が届きました。よってわが国は

国家非常事態宣言を発令しますが異存はありますか」

氷室首相に集められた面々は彼の発言に皆、首を縦に振った。

「山本統合幕僚長、この戦いの大概を説明していただけますか」

飛鳥防衛大臣の説明を求められた山本は

「中国軍との戦いは緒戦においてはミサイルの撃ち合いになるでしょう。

相手がミサイルを撃つか撃たないかに関わらず我が国は敵基地を叩く為にミサイル

攻撃をします。そして沖縄を奪還する作戦に東郷を最高司令官とした第五護衛隊群を

送ります。また国土防衛に関してではありますが、PAC3、20式戦車、

迎撃レーザーによるミサイル防衛、また国内のテロ対策として陸軍、公安、警察の

連携で対処いたします。以上であります。」

山本の説明が終わると氷室は

「山本統合幕僚長、大体のことはわかりました。これから今まで以上に厳しい

戦いになるでしょう。だが我々は勝たねばならないのです。勝ちましょう。

それでは会議を閉会します。」

 その日の夕刻、政府官邸より正式に国家非常事態宣言が発令され日本は

臨戦態勢となった。  

2028年2月10日


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