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領土奪還戦争  作者: マンチカン
第二章 アジアの両雄激突
45/105

アメリカへの脅迫

「はじめまして。我々は宇宙を流浪する民、アラスト星人である。世界一の経済力

軍事力を持つアメリカが地球の代表であると勝手ながら我々は判断し君らに

お願いをしにきた。」

突然やってきた異星人との接触にジョージ・ルーズベルト大統領は少々戸惑ったが

「お願いとは何かね。アラスト星人とやら」

「この星は我々の亡き故郷と酷似している。定住できる星を探していた我々としては

絶好の機会なのだ。そこで我々に居住許可を与えてくれないだろうか。」

「なるほど。しかしこの問題はわが国単独で決めることはできない。

それは了承して欲しい。異星との交流は初めての経験のことなのでありますので」

ルーズベルト大統領の多国間協議で決めたいという旨に対して

「いや、その必要はない。君たちにはこの星から出て行ってもらえば

よいだけだからな」

その高圧的な態度にルーズベルト大統領は

「それはどういう意味かね。」

聞き返すと

「この星は地球人とアラスト星人が一緒に住めるほど広くはない。

残念ながらどちらかが出て行くしかないということだ。」

あまり無茶苦茶な要求をしてくるアラスト星人に対して怒りを覚えたルーズベルト

大統領は

「断るといったら」

と返答するとアラスト星人は不敵な笑みを浮かべ

「なら力で排除するのみだ。君たちに選択権を与えよう。おとなしくこの星から

出て行くか。または、抵抗し駆逐されるかだ。広大な宇宙を移動できる我々と

地べたで這いずり回ることしかできない君らが戦えばどのような結果になるかは

火を見るよりも明らかだろう。」

「それは我々に対する脅迫か」

「いや、単なる交渉だよ。期限は君たちの時間で一年間あげよう。それでは

いい返事を期待しているよ。」

そこで連絡は途絶えた。

「ワシントン国防長官。今の内容をどう考える」

「我々人類に対する明らかな挑戦と思います。しかし我々の軍事力ではまともに

戦うことは不可能でしょう。」

ルーズベルト大統領は深々とイスにこしかけ

「しばらくこの情報は無かったことにしようワシントン長官」

「かしこまりました。大統領。」

ホワイトハウスはこの事件をない物として処理をした。

場所は変わってロシアのとある軍事施設。

「地球から出ていくか死ぬかですって。冗談じゃないわ。くそタヌキ。」

銀髪でポニーテールの少女が騒ぎ出す。

「なんだソフィア君。また盗み見か。趣味が悪いねえ。もっと乙女らしい

趣味を持ったらどうだ。」

油まみれの白衣を着た長身の男がソフィアという名の少女をいさめる。

「あんたに言われたくないわよ。変態グリセリド。」

「変態ではない。俺様はただの超天才グリセリド。この天才さを理解できぬとは

哀れな小娘だな。」

「はいはい、とにかくこれを見てみなさいよ。」

ソフィアはヘルメットらしきものをグリセリドに渡す。ヘルメットをかぶると、

そこにはルーズベルト大統領とアラスト星人とのやり取りが映し出される。

そのやりとりを見終わったグリセリドは

「はははははは」

と笑い転げた。

「ああ、ついに壊れたか。いや前からか。なにがおかしいのよ。これは人類滅亡の

危機じゃない。」

グリセリドは笑いをこらえながら

「アラスト星人はおろかなり。この天才、グリセリド様を目の前にしてこのような

発言ができるとはおろかなり。一年だと。一年もあれば十分おつりがたくさんでる。

そう思わんかね、ソフィア君。今すぐ新兵器を開発し奴らをとっ捕まえてやつらを

タヌキなべにしてくれよう。そして一年後、タヌキに対し宇宙が始まって以来の

天才に歯向かった事を地獄の門の一歩手前で後悔させてやろう。」

「今に始まったことじゃあないけど、言っている事、無茶苦茶ね。でも人類が

こんなところで負けるわけにはいかないわね。」

不敵な態度を示すグリセリド。呆れながらも同意するソフィア。

人類のほとんどが知らない未曾有の危機に立ち上がる二人。

残り時間はあと365日。

2028年2月7日


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