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領土奪還戦争  作者: マンチカン
第二章 アジアの両雄激突
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完成、有人火星探査船

火星探査船の開発はエンジン部門を長澤結衣、船体表面部門を大島豪、

システム部門を霧島すみれ、船内部門を本田翔、総合部門を高樹亮太で行われた。

日本の兵器開発部門のエースの夢の共演である。

「高樹、ちょっとこれを見ろ」

大島は実験施設を訪れた高樹を呼び止めた。ガラス状の板に熱線が当てられている。

「これは何の試験だ」

「新作の耐熱ガラスパネルだ。」

「どこまでいける。」

「今のところ一万度までは問題ない。もう一つ面白いのを見せてやる」

そういうと今度は20式戦車が登場した。

「何するんだ」

「まあ見てろって」

そういって大島が手を挙げると20式戦車の主砲が火を噴いた。

的はあのガラス板のようだ。凄まじい轟音が施設内を巡ったがガラス板は傷一つ

ついていない。

「どうだ」

「オーバースペックだろ。まあいいけど。」

船体表面は上々のようだ。続いて船内部分のほうはどうだろう。高樹は本田の

実験施設に入った。すると突然体が宙に浮かんだ。

「な、なんだこれは」

「これは重力制御装置だ。無重力から地球の重力の10倍までコントロールできる。」

これはたまげた。たしかに超長距離の宇宙旅行に対して乗組員の体力低下は

重要な問題のひとつである。

「どうだい、無重力の味は」

「いや、すごいな。」

ここも順調である。それでは次に行くか。

「どうだ、順調か」

「まあまあよ。」

とすみれの返事が聞こえてきた。

「真空管とかトランジスタとか骨董品があるけど大丈夫なのか。」

「宇宙では何があるか分かりません。一つ部品が壊れたら駄目になるハイテクよりも

多少壊れてもどうにかできるローテクが生きることもあるのです。宇宙では

やわなものはお断りです。」

ハイテクとローテクの融合か。ここも問題なさそうだな。最後はエンジン部門か。

「どうだ、長澤。調子は。」

「そうね、反重力エンジンには問題ないんだけど。光ジェットエンジンで

一箇所問題があるわ。」

「どんな問題だ。」

「電力よ。このままでは核融合炉を入れないと無理ね。」

「それは電気抵抗を抑える方法では駄目なのか。」

「そうね、常温超伝導金属があれば可能ね。」

「大島に聞いてみたらどうだ。レールガンだって電力かなり食うだろ。」

それを聞いた長澤は

「そうね、大島ならなんか知っているかも。ありがと。」

そういうと長澤は大島の実験施設に飛んでいった。

「大島、レールガンの消費電力どうやって抑えているの」

突然入ってきた長澤に大島は少し驚いたようだが

「常温超伝導金属を使っているが」

とさらりと答えた。

「作り方教えて」

「分かった。ちょっと待ってろ。」

そういうと大島はパソコンに向かい作業を始めた。数分後、一枚の用紙を持ってきた。

「これだけ?」

「これだけだ。意外だろ。これを見つけたとき拍子抜けしたよ。」

「自分で作ったのこれ?」

「そうだよ。救世主様からのメールが来る前にはできてた。」

「ありがとう。これで問題は解決したわ」

そういって長澤は自分の実験施設に帰ってエンジンの開発に取り組んだ。そして

一週間後ついにエンジンが完成した。それを聞いた高樹はすぐに長澤の実験施設に

駆けつけた。

「どうだ」

「ばっちりよ。」

そういうと長澤は小さなロケットを持ち出してきた。

「これは完成品の小型バージョンね。では始めるわ。」

ロケットを固定し、試験が開始された。特に派手さはない。見た感じは懐中電灯が

ついているようにしか見えない。ロケットが拘束から逃れようともがいている以外は。

「まあ光ジェットだからね。火が噴くわけじゃないし」

派手さにかける試験に長澤は少しため息をついていた。

「速度はどれくらい出るんだ。」

「秒速1万キロってところね。理論上では光速まで出せるわ。」

「あとは本田のドッグで組み立てだな。」

そして二週間後・・・

ついに完成した。日本初の有人火星探査船が。

名前は夏日星。アメリカに遅れること約三ヶ月。クルーの選出も決まった。

JAXAから3人、航空自衛隊から二人である。その中に岩本もいた。

出発まであと少しである。

       2028年一月十二日


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