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領土奪還戦争  作者: マンチカン
第二章 アジアの両雄激突
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中国の分断工作

中国政府の行う分断工作は非常に単純なものだった。アセアンが一つになっても

中国軍の足元にも及ばないことを周はよく理解していた。なのでフィリピンや

ベトナムなど中国に対し反抗的な国に対しては人民解放軍を送り込み両政府に対し

日本につくか中国につくかを迫った。圧倒的な軍事力を背景に決断を迫ったのである。前世紀的な艦砲外交であるが効果はてきめんだった。両国は国民の反発を覚悟の上で

中国に屈したのである。さらに中国は両国に対し、日本が外交交渉を持ちかけてきても門前払いするように要求しこれを飲み込ませた。インドネシアやタイも中国に対して

反抗的な態度を示す国ではあったが中国政府は艦砲外交をせず、インフラ整備などの

援助を惜しまなかった。この結果、アセアンは反中国と親中国に分かれてしまう

ことになる。

「これはまずいな。」

氷室は中国の手際のよさに打つ手を失っていた。アセアンがこれほど早く

瓦解することは氷室の予想を超えていたのである。これではインドとの会談も

雲行きが怪しくなっていた。事実、中国はアセアン諸国との会談と並行してインド

とも会談を行っていた。日本政府の外交下手は戦前とあまり変わってはいなかったのである。中国の外交攻勢はさらに続く。一度は裏切った韓国に対し経済立て直しのための資金援助を無償で行うことを決定し、ロシアに対しても不戦条約を締結することに

成功したのである。また世界に対しても軍事費の削減、核兵器の削減を約束するという今までに見られない協調姿勢を見せてきたのである。そして日本は侵略国でありわが国が脅かされているということを堂々と国連本部で演説しだしたのである。劣勢に

立たされる中日本政府は氷室がいつ激高するのかひやひやしていたが、

氷室は爆発することなく

「今は辛抱する時期だ。」

と部下たちに言い、激高する事はなかった。一方、中国政府は予想以上の外交成果に

ほくそ笑んでいた。           

 2027年10月10日 


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