サイバー軍の動揺
鉄姫妖精が活躍している頃、雲林省にあるサイバー軍は混乱に陥っていた。
「大変です。我々のプロフィールが次々と日本に送られています。」
士官の一人がパソコンの異常に気が付いて凍り付いていた。すぐさま上官が駆けつけ
「どうなっているのだこれは。我々がサイバー攻撃を受けているのか。」
「もしかして日本でしょうか」
「その可能性はないだろう。攻撃開始してか10分足らずしか経っていない。
そんなに早くここを探知できると思うか」
「無理だと思います。サーバー何箇所も経由していますしセキュリティーもわが国
最高クラスです。」
「とりあえず趙上将に伝えておく。」
この異常はすぐさま趙に伝えられた。趙は日本にいるスパイに電話をかけた。
プルルルル・・・
おかしい。何度電話をかけても繋がらない。日本で何が起きているのだ。
首都鉄道網は現在混乱しているはずだ。そして彼はその管制室で働いている
はずなのだが。いかんせん情報が入らない。裏切ったか。林に限っては
そんなことはないだろう。他に連絡するスパイがいないのは痛いな。仕方ない。
周国家主席にこのことを報告しておこう。この報告を受けた周は一言
「分かった。」
とだけ言った。計画が狂ったなと周は思った。これが日本側の攻撃だとしたら
早すぎるな。アセアンの分断工作があまりうまくいってはいない。
日本側の攻撃でないことを祈るしか今はないな。が数時間後その希望的観測は
もろくも崩れ去った。首都鉄道網が完全に復旧したという連絡が入ったからである。
2027年9月18日




