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領土奪還戦争  作者: マンチカン
第二章 アジアの両雄激突
34/105

首都鉄道網マヒ

《日本の皆さんこんにちは。本日の営業は終了しました。残念でした。》

新宿駅の電光掲示板に突然こんな文が表示された。朝の出来事である。続いて

電光掲示板の文字が消えたかと思うと再び光りだした。

今度は《タイムリミット24:00:00》と表示されカウントダウンが始まる。

何が起きたか乗客にはさっぱり分からず、周囲は混乱に陥った。JRの情報管制室も

この突然の事態にどう対応してよいか分からない状況だった。そのため事態が

分かるまで前鉄道の運転を取りやめるという決定を出した。この一報を受けた政府は

直ちに陸上自衛隊を新宿駅に向かわせ事態の解明に乗り出した。爆発物・毒ガス・

生物兵器などなどの調査に乗り出した。それと同時に情報管制室には霧島すみれ

率いる鉄姫妖精を送り込み管制室のサーバーに侵入した人物の特定を捜査した。

「皆さんご安心ください。私たちが必ず原因を突き止めます。」

すみれが管制室内の人間に言ったが彼らの顔は少し不安そうであった。

「早速ですが美咲さん、有希さん。始めましょう。」

「イエッサー」

と彼女達は気合を入れると、何やら形容しがたい不思議なものを取り出した。

分かるのはキーボードぐらいである。それをメインコンピューターに繋げた。

管制室にある大型ビジョンに何やら文字が表れる。彼女たちが

打ち込んでいるプログラムソースのようだ。

「美咲さん、遠隔操作の発信源はどこか分かった?」

すみれの質問に対して

「まだです。現在追跡中です。途中結果ですが日本、アメリカ、フランス、

マレーシア、ドイツを経由していることまで追跡しました。」

「有希さん、攻性防御プログラムの完成度は?」

「およそ90%ってとこね。すみれのほうこそ強制イントラネット構築プログラムの

完成度はどうなのよ?」

「まあ85%ぐらいかな。」

カタカタカタとキーボードを打ち込む音が室内に響き渡る中

「見つけました。発信源は中国の雲林省です。」

と美咲が声を上げた。捜査開始10分後のことである。その時、一人の男が

立ち上がろうとすると

「どうかなさいましたか」

とすみれが尋ねたので男は

「いや、トイレに行くだけだ」

と答えたので、

「どうぞ」

すみれは素っ気無く答えた。

男はトイレの個室に入ると携帯を取り出し何やらメールを打ち始めた。

何事もなかったかのように男が帰ってくるとすみれは振り返り大型ビジョンを

指で指しながら

「お帰りなさい、リンさん。このメールはどなたに送ろうとしたのですか」

と質問した。突然名指しされた林という男はその大型ビジョンを見て驚愕した。

画面には《発信源が特定された。わずか10分でだ。自衛隊のプログラマーは

優秀だ。だが問題ない。女三人だけだ。いつでも殺せる》

先ほど打ったメールの文章が映し出されていたからだ。驚く男の顔をよそにすみれは

話を続ける。

「強制イントラネット構築プログラムです。この周辺から送受信されたメール、

電話等はすべて私たちのコンピューターを介さなければ現在送受信されません。

どういうことか説明してください林さん。失礼ですがこのメールを受け取ったとき、

その携帯の契約者を調べさせていただきました。本名か偽名かは興味はありません

のでご心配なく。」

林は呆然と立ち尽くしていた。しばらくすると

「すみれ、攻性防御プログラム完成したわ。これでここの制御システムの

コントロールを奪い返せるわ。」

「有希さん、さすがです。」

「いいえ、本番はここからよ。」

と有希はそう言ってエンターキーを押した。するとプロフィールだろうか。

顔写真とその隣に何やら中国語で書かれたファイルが次々と画面に表示されていく。ファイルのダウンロードが続く中ですみれが

「ちょっと待って」

とストップをかけた。そのファイルは、そうすぐそこにいる男、林本人だった。

「林さん、あなたの負けです。あなたは中国から派遣されたスパイですね。事情を

説明してもらいますね。」

その時だった。二つの銃声が管制室内に響いた。二人の人間が倒れていた。

一人は林だった。もうひとりはすみれだった。そして銃を向けたまま立っていたのは

有希だった。頭蓋を撃ち抜かれていた林のほうはすでに死んでいた。

右胸を撃たれたすみれのほうはわずかだが息があった。

「すみれさん!」

という美咲が叫び声を上げすみれに駆け寄っていく。すぐさま救急車が呼ばれ

すみれは自衛隊病院に搬送された。

2027年9月18日


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― 新着の感想 ―
[一言] 非常に興味を持てる設定で、楽しく読ませていただいておりましたが、”林に発砲させる”、これはないでしょう。 リアル日本ならありそうですが、本小説内では、戦争中の日本でしょ? 危機管理なさすぎで…
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