中国からの提案
日中首脳会談が首相官邸内で行われた。沖縄が中国に占領されて以来
初のことである。氷室首相と周国家主席との会談をぜひ行いたいという中国側の
要望で行われたのである。
「はじめまして周・旭人国家主席。氷室です」
「こちらこそはじめまして氷室首相。周です」
会談は和やかに始まった。やがて本題である沖縄についての議論に移った。
「沖縄は日本の領土です。早急に返還をしていただきたい」
氷室は強い口調で周に迫った。予想通りの展開となった周は落ち着いた態度で
「そのことで中国側からの提案があります。」
答えた。
「沖縄を沖縄本島と石垣島や尖閣諸島などの諸島群と分けます。そして沖縄本島を
日本領そして諸島群を我が中国領とする案です。いかがでしょう」
「残念だがそれは日本政府として容認できない。」
氷室は中国案を一蹴した。
「それは残念です。この問題は今すぐに解決できそうもないですね。」
「いや、つべこべいわずに貴国が返還すればよい話だ。何も難しい問題でもない。
こんな簡単な問題を難しくする必要もないだろう。」
「氷室首相。あなたはもう少し賢い人かと思っておりましたがこれではお話に
なりません。」
氷室の発言に頭にきた周は退席してしまった。
そのため日中首脳会談は決裂に終わった。
「趙、例の計画を実行してくれ。」
「分かりました。周国家主席。サイバー軍の力を日本に見せ付けてあげます」
「期待しているぞ」
2027年9月12日




