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領土奪還戦争  作者: マンチカン
第一章 日本の目覚め
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竹島決戦~空戦編~

日韓の戦闘が開始されたことは高度一万メートル上空にも知らされた。

「坂井、日本と韓国で戦闘が始まった。よって本日の空中給油訓練は中止とし、

速やかに臨戦態勢に入る。」

「了解しました、黒川教官。」

本日俺が乗っているF―2ハヤブサ

急きょ戦闘になるとは模擬訓練すら入っていない俺にとっては思いも

しないことだった。そんなことはお構いなしに機体は韓国の主張する防空識別圏に

向かっていった。しばらくするとグレイスレーダーに反応がでた。敵機だ。

彼我との距離はおよそ5キロ。液晶パネルには敵機らしき画像が写し出されている。

ハヤブサにはレーダーに反応した5キロ先までの敵機の様子がリアルタイムで

写し出すことができるのだ。教官はその機体をロックオンして30ミリ砲を

撃ち込んだ。しばらくしてモニター先の機体から火が噴き出し錐揉み上に

落下していった。撃墜したのはF―16Kであった。レーダーがまた敵機を捉えた。

それと同時に画面上に敵機が写し出される。ラプターだ。ラプターがこちらに

向かって何かを発射した。対空ミサイルの類だろう。教官は即急降下をし、

これをやり過ごす。今度はこちらからAAM―5を撃ち込んだ。避けられた。

やるなと思っていたら、突如ラプターから火を噴き出し、そのまま落下してしまった。狐につままれたような感覚だったが、これはこれとして次の目標に向かっていった。

後で分かったことであるがラプターを撃墜したのはF―15改(雷電)による

対空レーザー砲によるものだった。俺らが獲物を探しているとき鬱陵島基地では

「長門健在を確認しました。飽和攻撃は失敗です。」

「フランクリン司令官、第4モニターロストしました」

と次々と悪い知らせが司令部に届けられていた。韓国軍、及び在韓米軍の司令部は

真っ青になっていた。飽和攻撃の失敗、ラプターの喪失。とても本国に

報告できるものではない。ラプターを撃墜されるということは米国が韓国に

関与したことが日本に知られたということにもなる。

「第五モニター、第3モニターロストしました。」

「どういうことですか、フランクリン司令官。」

たまらずイ・ミョンハン元帥が詰め寄る。

「分かりません。日本は想像を絶する武力を持っているということしか言えません。」

空戦の開始が報告されてからわずか5分。16台のモニターのうち、

すでに半数が真っ黒になっていた。その頃、鉄姫妖精は一つのF―16Kを

狙っていた。

「すみれ、これはどうかしら。さっきから鬱陵島付近をうろうろしている奴です。」

「試してみましょう、美咲さん。我が鉄姫妖精の力を」

そういうと彼女らはこの機体の制御システムの接続を試みた。

現在の戦闘機は基地からの情報を受け取るためと味方同士で連絡を取り合うための

イントラネット網が引いてある。当然であるが外部との接続などありえない。

それはこの機体もそうである。しかしこの電子戦部隊には通用しなかった。

電気泥棒というのがたまにいる。電線から勝手に電気をつないで電気をちょろまか

する奴だ。それと同じことを彼女たちはやってのけたのだ。つまり、無理やり機体に

侵入する経路を作り出し割り込んだのである。こんなことは世界で唯一、

量子コンピューターを実用化している鉄姫妖精ができることである。

あっというまに機体のコントロールを奪ってしまった。そんなことも露知らず

我がハヤブサ&雷電は次々と敵を喰っていった。敵影がほとんど見えなくなった頃、

我が機体は急降下し敵艦隊を発見、そのままMk82を投下して一隻撃沈させ、

再び急上昇。するとすぐ液晶パネルにF―16Kが写し出された。

さあ次の獲物はこいつだと思ったとき

「その機体を撃墜するのを少し待ってもらえませんか?」

声の主はすみれだ。

「別にかまわないが何故だ」

と教官が尋ねると

「今その機体の制御システムは我々が支配しています。これからその機体に武装

されている対艦ミサイルを鬱陵島に向けて発射させるためです。撃たせた後は

撃墜してもかまいません。」

「了解した。」

機体の制御を奪われた哀れな機体は我々に背を向けて自軍の基地に向かって

飛んでいき基地に向かってミサイルを撃ち込んだ。打ち込むのを確認した後、

教官はその機体に30ミリ機関砲を撃ち込んだ。この空の戦いは自衛隊の圧勝だった。ラプター16機全機撃墜F―16Kを150機中145機撃墜した。

そして日本側の損害は0である。キルレシオ161対0は全世界を驚愕させた。

特にラプターこそ世界最強と自負していたアメリカの衝撃は非常に大きかった。

同時にアメリカの関与が世界に知れ渡ることにもなった。この報道に対して

アメリカは、これは在韓米軍が韓国防衛に対して行動したことであって

アメリカとして関与したわけではないとコメントした。この戦いの後、

呉基地に戻った俺は黒川教官に

「お見事でした。教官。」

と敬礼した。

「坂井、パイロットにとって一番大切な事は何だと思う?」

この問いに俺は

「敵機を落とすことです。」

「半分正解だ。だが一番大切な事は生きて帰って来る事だ。生きていればより

強くなれるからな。だから絶対死んではいけない。やばかったら逃げろ。いいな」

「了解しました、坂井練習生その教えを守ります」

と俺は教官に最敬礼をした。いっぽう海の戦いにおいてもイージス艦を撃沈した後、

裸同然の韓国海軍に対し対艦ミサイルを中心とした猛攻撃でキルレシオ45対0

という圧倒的な勝利を収めたのである。潜水艦においては海上での戦いの現状を見て

韓国側が引き上げたため戦いは起こらなかった。一方竹島では

「なあ、韓国の艦隊、あっちこっちから炎が上がっているけど大丈夫なのか」

「だめだろ、ぼろ負けだな」

「そしたら日本の海兵隊、独島に上陸してくるのかな」

「来るかもな」

「勝てると思う?」

「無理だな。軍隊があのざまだ。警備隊ごときじゃ蜂の巣にされて終わりだろ。」

「死ぬのは嫌だな」

「俺だって嫌だ。」

韓国軍の劣勢はここ独島警備隊員にも伝わっており彼らは不安になっていた。

「よし決めた。俺は帰る。この島より自分の命のほうが大事だ。」

俺も俺もという声があちこちから上がってきた。そして彼らは警備艇に乗り込み

島を後にした。しばらく経ったのち、MV―23のプロペラ音がだんだんと

竹島上空にたどり着き屈強な戦士たちがロープをつたって竹島に到着した。

日本の海兵隊である。彼らが見たものはがらんどうの基地だった。上陸後は敵が

潜んでいるのではないかと思い身を潜めながら進軍したが結局何も見つからなかった。

よって直接交戦せず島を奪還することに成功した。


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