竹島決戦~海戦編~
突如イージス艦長門にアラームが走った。韓国海軍の駆逐艦から対艦ミサイル海星が
発射したのをイージスシステムに接続されているSPY―2レーダーが捕らえたからだ。すぐさま長門からレーザー砲が発射。ミサイルの燃料区画に命中、そのまま誘爆。
続いて護衛艦ゆうぎり、はつゆきからのレーザー砲が世宗大王級駆逐艦に
襲い掛かった。
「艦長、大変です。艦が被弾した模様であります。ただいま消火に当たっております。」
被弾だと?そんなばかな。何の衝撃もなかったぞ。それにこれはイージス艦だ。
システムが作動するはずだ。キム・デヒョン艦長が疑問に思っているとオペレーターから
「艦長、SPYレーダー反応しません。攻撃を受けた模様です。」
館内が混乱し始めていると非常に大きな衝撃音とともに艦が激しく揺れた。
新型護衛艦かいりゅうからの対艦ミサイルSSM―2Bによる攻撃のためだ。
イージス艦の中核であるレーダーがレーザー砲により破壊されたうえに、
マッハ10の新型ミサイルが襲い掛かってきたのだ。
「艦長、ただいまの被弾で負傷者多数、底部破損、ミサイルランチャー破損、
レーダー故障しました。」
これほどまで無力なのか。我が国のイージス艦は。何もできないではないか。
防御も攻撃も。捨てるしかないな、この艦を。
「艦長命令だ。全員この艦から非難せよ。この艦を放棄する。」
命令後、すぐ乗組員は救命ボートで避難した。その後この艦は沈没した。
そのような光景は他のイージス艦でも同様だった。海上自衛隊は韓国海軍の
イージス艦を集中攻撃したのであった。まずレーザー砲を用いてレーダーを無力化、
そして対艦ミサイルによる攻撃で撃沈したのであった。イージス艦全艦喪失は
韓国海軍に致命的なダメージを与え海軍力を一気に低下させた。この出来事は
鬱陵島にある海軍基地にすぐ伝わった。
「イ・ミョンハン元帥、キム・デヒョン艦長からの伝令です。た、大変です。
イージス艦3隻大破されました。」
その報告で司令室が凍りついた。沈黙がしばらく続いた後
「そうか」
とイ元帥は力なく答えた。隣にいたフランクリン司令官が
「イージス艦長門に対し飽和攻撃を開始しましょう。」
その命令の後、戦闘機群150機による長門攻略作戦が開始された。
緊急事態発生、緊急事態発生、分隊長以上全員中央司令室に集合せよ。
長門の艦内に緊張が走った。中央司令室のモニターにはおびただしい数のマークが
あった。その数300。対艦ミサイルがこちらを狙っていたのだ。司令部に
不安が走った。これだけの攻撃。持ちこたえられるのかと。しかし長門は
落ち着き払っていた。モニターに無機質な文字で
《問題ない、速やかに処理を実行する》と
次の瞬間、モニターのマークが次々と消失していった。500の同時攻撃が可能な
イージスシステムがフル稼働したためだ。レーザー砲4門が同時砲撃を始め、
スタンダードミサイル、ゴールキーパーなどが対艦ミサイル群に襲い掛かったのだ。
数分後、何事もなかったかのように悠々としている長門の姿がここにあった。
「よっしゃあ!」
という歓声が司令室から上がった。勝ったのだ。あれだけの飽和攻撃に。
指令室内の歓声はしばらくやまなかった。
《目標殲滅、任務完了》
と再び長門から無機質な文字がモニターに表示された。




