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領土奪還戦争  作者: マンチカン
第一章 日本の目覚め
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日韓国交断交

2026年9月16日18時、氷室首相による緊急記者会見が開かれた。

「本日、日本政府はソウル日本大使館の全面閉鎖を決定いたしました。わが国は1952年からの韓国による竹島占領に対し自制した行動をとってまいりました。

しかし我が日本国民を不当に拘束し、また解放要求に対して韓国政府は拒否の姿勢を貫いてきました。このような暴挙は到底許されるものではありません。よって制裁措置

として国交断交を決定しました。以上。」

この発表から一ヵ月後、両国に住む外国人は強制退去され国交は完全に閉鎖された。

この事件に世界は驚きを隠せなかった。数年前の日本は侵略されても自衛隊の

派遣を行わなかった。それが今回、突如の国交断絶である。日本の軍国主義が

台頭していると韓国、中国、ロシアは強く日本を非難した。一方アセアン諸国は

この動きを賞賛した。一番泡を食ったのは韓国である。今までとまるで違う

日本の姿勢になすすべがなかったからである。在韓米軍総合司令官である

フランクリン最高司令官は、米軍は竹島問題に関しては積極的に関わることはしない。

両国が平和的に解決することを望むと述べるにとどまった。その夜、フランクリンは

韓国軍元帥と極秘会談を行った。

「突然呼び出してすまなかった、イ・ミョンハン元帥。」

「いえ、問題ありません。お話とは難でしょう。」

「今回の日本の強硬姿勢、米軍としても非常に興味がある。」

「おっしゃるとおりです。今までこんなことはありませんでした。よほどの兵器を開発したのか、ただの政治音痴なのか分かりかねます。」

「米軍は先ほど発表した通り積極的にこの問題には関与はしない。だが間接的に関与する用意がある。これは日本の現在の軍事力の程度を知るためである。ぜひ協力してくれないだろうか」

「具体的には韓国軍はどのような協力ができるのでしょうか」

「米軍は韓国軍に対しF―22を16機貸与する。これにビデオカメラを搭載し

日本に気づかれないよう監視してもらいたい。もちろん戦闘になった際はラプターを

存分に使ってかまわない。」

「了解しました。紛争を起こさないよう努力はいたしますが保障はできません」

「問題ない。米軍としては日本を知りたいだけだ。」

両者はがっちりと握手を交わして、この会談は終了した。韓国としては願ったり

叶ったりだった。これであの日本を叩きのめせる。そう確信していた。

またアメリカもこの状態で日韓が戦えば、日本は窮地になりアメリカの助けを

求めるだろう。そうすればアメリカのアジア戦略において日本を前線基地にできるに

違いないと確信していた。韓国はこの会談の後すぐさま行動に出た。

韓国軍は防衛力強化という名目で竹島近海にイージス艦3隻、駆逐艦45隻、

潜水艦25隻を展開したのだ。10月20日のことである。これにはさすがの

アメリカも驚いた。ラプターを貸すことで、これほど早く行動するとは

予想できなかったのである。が日本も即座に応戦した。海上自衛隊がイージス艦2隻、

護衛艦35隻、潜水艦16隻を竹島近海に展開したのである。この米韓の予想を超える

日本の動きは穏やかな海を一変にして嵐にしてしまった。その後、両国における

にらみ合いは3ヶ月にも及んだ。

「飛鳥大臣、鉄姫妖精の霧島すみれから電話です。」

「分かりました、すぐ伺います。」

飛鳥が秘書から電話を受け取り

「飛鳥です。何があったのですか」

「アメリカと韓国が手を結んだようです。」

その報告は飛鳥にとっては想定内だった。

驚くことではない。しかし彼女の根拠を聞く必要はある。

「根拠は何でしょうか、霧島さん。」

「グレイスレーダーがラプターから発するレーダーを竹島上空で捉えました。」

ラプターが竹島上空に?在韓米軍が韓国軍に貸したのかしら?

きっと日本の軍事力を確かめるためね。

上等よ。

「連絡ありがとう、霧島さん。また何かあったらよろしくお願いね。」

10月20日から日韓両軍がにらみあってから10日後のことだった。

一方韓国政府は予想を超えた日本に対しほとんど対応できずにおり、これが弱腰だと

国内から非難されていた。政府がおろおろしている中、在韓米軍と韓国軍は

鬱陵島にある海軍基地で着々と準備を進めていた。中央司令室には16台のカメラが

取り付けられていた。これでラプターから見ている様子を司令室からでも

見られるわけだ。この頃から韓国軍はラプターから送られる映像の解析訓練を

始めたのであった。さらに済州島と合わせて180機を越える戦闘機を集中させて

きたのである。まさにやる気満々である。

「霧島海上幕僚長、護衛艦10隻ほど交代したいのですがよろしいでしょうか」

電話の主は呉地方総監の田山である。

「田山、それはどういうことだ。」

「はい、幕僚長。SSM―2B搭載の護衛艦10隻の実戦訓練が終了したためであります」

「それは本当か。よくぞ間に合わせてくれた。本田の能力には本当に驚かされる。すぐ準備してくれ。こちらもすぐ旗艦艦長に伝える」

これはとんでもないことである。一度に展開している艦隊の三分の一を入れ替えるのだから。この連絡を受けた東郷艦長は難色を示していたが新型艦対艦ミサイルを実装

した艦はこの作戦に非常に重要だと考え、この計画を受け入れた。

11月末のことである。

               2026年11月


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