因縁の決着
ロキとの戦いが終了してから一週間後。国後島において最後の戦いが行われる。
「ソフィア君、あの凡人坂井はいつになったら来るのだ。もう約束の時間から
3時間も経っているではないか。」
「知らないわよ。どっか壊れたんじゃないの。」
と携帯をいじりながら、そのときを待つソフィア。
「遅い遅い遅い。この俺様を待たせるとは刎頚に値する行為であるぞ。」
「うるさいわね、少し落ち着きなさいよ。」
それからさらに2時間後、彼らはついにやってきた。
「ごめんね、ソフィアちゃん。寝坊しちゃったあ。」
「いやあ、悪い、悪い。待ったか?」
カムイに乗って登場する坂井とすみれ。
「やっと来たか凡人ども。貴様らとの付き合いもこれで最後だと思うと、
なんだかすがすがしくもなるわ。」
「御託はいいから始めようぜグリセリド。」
坂井はそういいカムイから天叢雲とアロンダイトを射出する。
「貴様らのことは、この天才の甘酸っぱい青春の一欠けらとして覚えておいて
やろう。」
ジークフリードからロンギヌスと方天画戟を射出する。相対する二体。
「ん、見えた。」
坂井がつぶやく。
「何が見えたんですか坂井さん?」
「星がだよ。すみれ。」
「こんな真昼にですか。信じられません。」
すみれが驚きの表情をする。
「そうだろうな、これで俺はひいじいさんに少し近づけた気がするぜ。」
「坂井さんのひいおじいさんって、確かあの伝説のパイロット・・・」
「そう、坂井三朗だ。いくぞ、すみれ。」
「はい、行きましょう。」
カムイがジークフリードに向かって突進する。
「ふん、ガラクタが。この槍の串刺しにしてくれる。」
ジークフリードの槍がカムイに向かう。
「見える、相手が止まって見える。」
「カムイの手は私達の手、カムイの足は私達の足、今私達はカムイそのものです。だから、絶対負けません!」
坂井とすみれの言葉が表すようにカムイはジークフリードの槍をしなやかに
かわしながら間合いを詰める。そしてジャンプし相手の頭上を越えて反転し
後ろに回りこむ。
「よし、止めだ。うおおおおおおお」
「ソフィアちゃん、かくごおお」
カムイは落下しながらジークフリードを袈裟斬りにする。
「まずいわグリセリド。運動系回路が90%断線。燃料タンクの排除も
不可能よ。」
「くっ、こうなれば最後の手段だ。」
グリセリドは青いスイッチを押す。天井が開くと同時にコックピットが上昇し
ジークフリードから離れていく。その数秒後、激しい爆音と共にジークフリードは炎に包まれ、そして大爆発を起こした。
「覚えてやがれ凡人坂井。今度会ったらメッタメッタにしてやがるからな。」
「そうよ、覚えていなさいよ、すみれ。」
グリセリドたちを乗せた脱出装置はぐんぐん上昇していき、やがて見えなくなった。
「勝ったな。」
「ええ、勝ちましたね。」
「じゃあ、帰るか。」
「そうですね、帰りましょう。」
カムイは燃え続けているジークフリードを尻目に基地へ向かって動き出した。




