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領土奪還戦争  作者: マンチカン
最終章 すべての解決
103/105

最終決戦

多くの宇宙が創られまた滅ぶ。この宇宙が何度目の宇宙かは僕には分からない。

だが僕はこの時代に封印が解け目覚めた。宇宙が誕生する前に神々と戦いそして

敗れ、封印され、またその神々も滅び去った。やっと僕の時代が来たんだ。

僕とともに封印された多くの邪神を僕の力で目覚めさせ僕たちのユートピアを

創るんだ。これだけの負のエネルギーがあれば可能だ。

「来たね。ほんとこの宇宙の住人は鼻がいい。僕の腹心を倒せたのは君たちが

最初だけどね。」

ロキの目の前に現れる戦士たち。

「オットー、マヤ、レベッカ、ジークフリードそしてカムイ。僕の名前はロキ。

よくここまで来たね。」

「貴様の目的は何だ。」

マヤがロキを問い詰める。

「僕の目的は、封印された仲間を助け、僕たちのユートピアを創ることだよ。」

「ユートピア? なんだそれは。」

坂井の質問に

「そのまんまだよ。僕たちが住みやすい世界を創るだけだよ。まあちょっと

ばっかしこの宇宙には犠牲になってもらうけどね。」

ロキは微笑みながら言う。

「宇宙が犠牲に、どういう意味だ」

オットーが問い詰める。

「封印されているのは僕たちが住んでいた世界そのものなのさ。すでに天界と

この宇宙があるだろう。だから世界をもう一つ創るには場所がなくてね。

どちらかには場所を譲っていただけなければならない。天界は僕らにも縁がある

世界だしね。破壊するわけには行かない。だから済まないがこの宇宙には

僕たちのために消えてもらわなければならないわけさ。」

ロキは淡々と説明する。

「貴様が言っている事を、この天才が超訳すると俺のためにお前ら死ねという

事だろ。」

「ものわかりがいいねグリセリド君。」

ロキは不気味に微笑をする。

「ソフィア君、遠慮はいらないな。ぶちのめすぞ。」

「もちろんよ。このためにここに来たのよ。ロンギヌス射出。」

ジークフリードの右手から青白く光り輝く槍が現れる。

「いっけええええ」

ジークフリードがロキめがけて突進する。

「ふう、ほんと哀れな生き物だ。」

ロキはふわりと飛び上がると

「そんなものは僕の愛剣ミステルテインの前には役に立たないよ。」

ロキはミステルテインを振りかざす。

「なにをこれしき」

ロンギヌスとミステルテインが衝突する。

ロンギヌスはピキピキとひびが入り、そのまま砕け散る。

「な、この俺様が作った最強兵器がたったの一撃で。」

驚きを隠せないグリセリド。

「戦いの最中によそ見はいけないな。」

ロキはミステルテインを巨大化させ、そのままジークフリードを突き刺し、

そのまま壁に激突させる。

「まずいわ、燃料タンクがやられたわ。このままじゃ爆発するわ。」

「では、ソフィア君。赤いスイッチを押したまえ。」

「わ、分かったわ。えい!」

ソフィアがスイッチを押すとジークフリードから燃料タンクが放り出され、

次の瞬間大爆発を起こした。

「まあ、機体は動かないがな。」

とグリセリド。

一面の砂煙がやがて収まるとそこには涼しい顔をしたロキが立っていた。

「全く人間って生き物は無茶をするねえ。でも動かない機体には用はないかな。」

ロキは指をぱちんと鳴らすとジークフリードを貫いていた剣が戻ってきた。

支えを失い倒れるジークフリード。

「まあ、念のため。」

また指を鳴らすロキ。巨大な岩が召喚される。

「待て、やめろ」

マヤがロキに切りかかる。目の前から突如消えるロキ。

「き、消えた。」

グサッ。

背中からマヤの心臓を貫くロキの剣。

「僕はアスタロテと違って、優しくないよ。」

そう言ってマヤの耳元でロキはささやくと剣をマヤから抜く。

そのままマヤは鮮血の海に沈む。

「短期は損気だね。」

涼しい顔のロキ。

「貴様、いいかんげんにしなさいよ」

レベッカが怒りを隠さない。

「落ち着け、レベッカ。一人ではかなわない。カムイのパイロット聞こえるか。」

オットーの呼びかけに

「ああ、ばっちり聞こえるぜ。」

坂井が返事をする。

「ではロキに対していっぺんに攻撃するぞ」

オットーはそういうと巨大な熊に変身した。

「そうか、バアルを倒したのは君か。なら僕も変身しよう。」

ロキは指をぱちんと鳴らすと瞬く間に複数の頭を持つ怪物に変身した。

「どうだい、初めて見るかい、ヤマタノオロチの姿は。」

相変わらずクスクスと微笑むロキ。

「ただの見掛け倒しよ。くらえ、『エストラージャ・シン』」

レベッカ眩い光の魔法を放つ。

「よし今です。坂井さん。コロナプラズマ砲を」

「オッケー、すみれ。目標ロックオン。コロナプラズマ砲発射。」

カムイの口からロキに向かってコロナプラズマ砲が発射される。

「よし私は後ろを取ろう。」

オットーがロキの後ろに回りこみ首に噛み付く。怪物は思わずうめき声を上げる。

「タフな奴ね。これで死になさい、『スーパー・ノヴァ』」

強大な光の玉がロキに集中し一気に爆発する。爆発で吹き飛ばされるロキ。

「よしこのまま押し切るぞ。フィンガーミサイル、フットミサイル全弾発射。」

カムイの両手両足から発射されたミサイルがロキに命中し爆発する。

「やるね、人間。でもここまでだよ、君たちの頑張りは。」

ロキは尾を振り回しオットーを吹き飛ばし、そのまま首に噛み付く。

残りの首がレベッカを捉える。突如レベッカの周囲に無数の剣が召喚される。

「何よ、こんなもん。」

レベッカが光弾を発射し剣に攻撃を行うがびくともしない。

「うそ、びくともしない。」

驚愕の表情になるレベッカ。

「人が使う魔法など神の前では赤子同然だよ。」

「くっ」

レベッカは剣から逃れようとシールドを張り右へ左へ駆け巡るが、

剣の群れはぴったりとついてくる。

「鬼ごっこはおしまいだね。」

ロキはそうつぶやくと同時に無数の剣がレベッカを貫く。声を上げることもなく

倒れるレベッカ。

「哀れなものだね、人間は。次は君の番だねオットー。僕は君にイラついて

いるんだよ。僕の首を一つもぎ取るなんて許されることじゃないよ。」

ロキはオットーの首に噛み付いたまま話さない。

「背中を見せるとはバカだな。天叢雲を射出」

白く光り輝く剣が現れ、カムイは一気にロキに切りかかる。

「本当に単純だね、人間は。」

ロキはカムイの右手に噛み付くと同時に尾を振り回しカムイの体に当て吹き

飛ばす。その衝撃でカムイの右手がもげる。

「さよならだ」

先ほど召喚した巨大な岩がカムイを押しつぶす。

「さて邪魔者は君だけだね。」

再びオットーの見るロキ。

「さて、どうやって殺そうかな。」

オットーを見つめながら思案するロキ。


その頃、中破したジークフリード内にて


「ねえ、グリセリド。この状況はかなりまずくない。」

ソフィアがグリセリドに話しかける。

「ああ、だが奴が俺様のことを忘れていたのは運のつきだ。」

グリセリドはコックピットをいじると、そこには小さな魔方陣が現れた。

「えっ、なにこれ。」

「ただの通信システムだよソフィア君。ジークフリード、そしてカムイには

統一規格されているところがあってな。魔力を燃料にしたマギエンジンが

搭載されている。こいうつは爆発する心配がないのでな。何かと使いやすい。」

ソフィアが驚くのをよそにグリセリドは通信を開始する。

「もしもしオメガ君。聞こえるか。こちらグリセリド。状況はかなり悪い。

正確に言うとオットー以外全滅した。」

「聞こえておりマス、グリセリド様。分かりました。あとはこちらにお任せ

ください。」

「頼んだぞ、オメガ君。」

グリセリドとの通信を終了させるとオメガはすぐに周囲に状況を説明した。

その内容に一堂が絶句した。

「ぜ、全滅って。あのマヤさんが。」

タナトスはショックで倒れこむ。重い沈黙が基地に漂う。

「・・・皆さん。先ほどの作戦を実行しましょう。ここでやらねば後悔が

残ります。」

ナギサの作戦。ラピステレスの姉妹の持つ時間逆行魔法とナギサの攻守強化魔法

をタナトスとセリアの歌声に乗せるというものだ。有翼族の歌声は魔法の効果を

歌が届く範囲ならどこまでも届けることが出来る。

「どうやって届けるのでしょうか、歌を。場所すごく遠いですし。」

「それはオメガにお任せくださいませ。オメガとジークフリードの通信網ならば

可能です。」

「こっちも問題ないわ。カムイにも通信網くらい付いているしね。それにあの

二人、まだ生きてるしね。」

長澤もオメガに同調する。

「そしてもう一つ、天才グリセリド様が作り上げた究極兵装を解除すること

デス。」

「なにそれ、私そんなの聞いてないわよ。」

「ええ、それはオメガとグリセリド様の秘密だからです。」

「もったいぶってないで言いなさい。」

長澤がオメガを急かす。

「それはジークフリードとカムイの合体プログラムです。」

「そんなすごいのがあるのなら、さっさとやりましょう。そして奴と決着を

つけましょう。」

「・・・準備はいい?」

ナギサが皆に同意を求める。

「いいわ」

「いいデス」

「やりましょう」

「が、頑張ります。」

それぞれが配置に付く。

セリアとタナトスがマイクの前に立つ。そして歌い始める。優しいメロディが

流れる。

「では、行きましょう。ラピステレスの秘中の秘『クロノス・リカバー』」

「・・・究極強化魔術『エクレクトス・ホプリゾーン』」

「合体封印システム解除」

それぞれが自らの役割を果たす、歌声に乗せて。

「なんだ、この不快な音は。」

異変に気づくロキ。ビデオを逆回ししたかのような状況がロキの目の前で

起こっている。

「あれ、私は。生きているのか。」

死から蘇るマヤ。

「この歌声は、どこから?」

周囲を見わたすが、そのような姿はどこにも見あたらない。

「まさか、このイヤリングか。」

マヤがイヤリングに耳を近づけると、イヤリングから歌が流れてくるのが

聞こえる。

「私は一体。」

同じく目を覚ますレベッカ。

「なぜ君たちが立っている。確かに殺したはずなのだが。人間のしぶとさって

いうのは驚かされるねえ。」

ロキの顔からは先ほどの余裕は消えていた。

「グリセリド、機体が回復しているわ。」

「さすがオメガ君。よくやってくれた。」

二人の音楽は勇ましいメロディーに変わる。

「おい、カムイのパイロット生きているか。」

「なんだお前も生きていたのか。そりゃ残念だ。」

坂井が憎まれ口をたたく。

「貴様と喧嘩している場合ではない。とりあえず何も聞かずに目の前にある

黄色いボタンを押せ。」

「これか?前にこんなのあったっけ。まあいいか。」

そう言ってスイッチを押す坂井。

「押したぞ。」

その瞬間、突然立ち上がるカムイとジークフリード。二つの機体はそのまま

上昇し急接近。両機体がいくつかのパーツに分かれたかと思うと再び結合し

一つになった。

「やっほー、すみれ。正義の味方の登場でーす。」

ハイテンションでカムイのコックピットに登場するソフィア。

「どうだ驚いたか。この合体システムには。」

「ああ、驚いた。まさかお前と同じコックピットに乗ることになるとわな。」

坂井も驚きを隠さない。

「これこそ俺様が作り上げた最高傑作、その名もアフラ・マズダーだ。」

グリセリドはいつにもましてテンションが挙がる。

「お待たせしました、グリセリド様。」

突如、コックピットに現れるオメガ。

「ど、どうやって来たのよ。」

とソフィア。

「瞬間移動装置を使ってやってまいりました。これより四人の心を私を通して

クロッシンングします。まずこれをかぶってください。」

とヘッドギアをかぶせるオメガ。

「驚いたか凡人。この四人が突如一緒になってチームワークを発揮するって

いうのは無理があるものよ。そこで機械を使ってそれぞれの意思疎通を図る

ことで難局を打破できるっていうものよ。では行くぞ。」

アフラ・マズダーがロキの前に立ちふさがる。

「合体だと、ふざけたことをしてくれるね。」

ロキは怒りの表情を見せる。

「レベッカ、チャンスだ。行くぞ」

「そうだな、マヤ。なんか力が沸いてくる。聞いたこともない術式が頭の中に

浮かんでくる。」

「こちらもだ。行くぞ、レベッカ。」

「任せといて。行くわよ『ハイパーノヴァ・エンドレスバースト』」

極光がロキを包み集約、そして爆発。だが終わらない。次から次へと極光が

生産され、集約され爆発する。文字通りのエンドレスだ。

「こっちもいくぞ、受けてみよ『インドラの矢』」

マヤから無数の炎の矢が生み出されロキの体に襲い掛かる。

「なんだ、なんなんだこれは。人間がこんなに強い魔法を使えるなんて

認めないぞ。」

「それは貴様の脳みそが足りないからではないのか。射出、天叢雲、ロンギヌス、アロンダイト、方天画戟。」

四本の腕から四本の剣と槍が射出される。剣先、槍先から放出される

エネルギーが一箇所に集約され、虹色の光が回転しながらロキに向かって直撃する。

「ぼ、僕の夢が・・・人間ごときに・・・ぐぎゃああああああああ」

爆散するロキ。

「やっと終わったな。」

マヤがつぶやく。

「今回ばかりはどうなるかと思いました。」

とすみれ。

「俺たちには、最後の仕事が残っている。分かっているなグリセリド。」

「もちろんだ坂井。この俺様は、そのことを一時も忘れたわけではないわ。

一週間後、例の場所で決着をつけるぞ。」

「望むところだグリセリド。」

アフラ・マズダーは分離しカムイとジークフリードに戻る。


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