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昨日の返事

2話の内容を少し変更しました。

よろしくお願いします。

次の日、1月5日の午前5時25分になった。

僕は今日もけたたましいアラームに叩き起こされた。

ぼんやりとしながらジャージに着替え、靴を履く。

まだ日も昇っていない。

街頭の少ない真っ暗な道を、白い息を吐きながら進む。

グラウンドに到着したら、挨拶をしてから体操をして朝練習のジョグを始める。


僕は昨日の公園に行こうか迷っていた。

すでに死んでいる女子高生に答えを求められている。

そんなの普通はあり得ない話だからだ。

何かの悪戯だったのかもしれない。

もしくは夢だったのかもしれない。

まだ、少しぼんやりしている頭で考える。

結局、気になるという好奇心が勝り、昨日の公園に向かった。

線路の高架下を渡り、住宅街の坂道を上る。


公園の近くまで来て、電柱に身を隠して公園の中をそっと覗いて未央を探す。

辺りはまだ暗いが、街灯のおかげで辛うじて確認できた。

未央はブランコに座って、膝にスクール鞄を載せて本を読んでいた。

ブランコは公園の手前にあり、未央は公園の外側に背を向け、僕のことは見えていない位置関係だ。

僕は、昨日の出来事は夢じゃなかったことを確認すると来た道を戻ろうとした。

変なことに巻き込まれたくなかった。

しかし、戻ろうとしたときに後ろから、ワンワンとイヌに吠えられた。

わぁ、と僕は驚き、みっともない声を出してしまった。

その声に気づいた未央が、本から視線を上げて後ろを振り向くと僕と目が合った。

「あ!秀くん、来てたんだ。」

と声をかけられてしまった。

しまった、と思ったが僕は観念したように公園に行った。


「で、どうする?昨日の質問の答え」

隣のベンチに腰をおろした僕に聞く。

「今はもう走っている理由もわからない。なんで箱根駅伝を目指そうと思ったんだろうな。」

未央に昨日言われたことはうれしかった。

でも僕の気持ちは変わらずにいた。

箱根駅伝に出るための予選会まではあと10ヶ月しかない。

チームは25位前後、僕に関してはまだ大会に出られるほどの体調まで戻っていない。

おまけにチームから孤立していると来た。

箱根駅伝なんて絶望的だ。

その時、未央はこう言った。

「走る理由がわからなくなったなら、これから見つけようよ。」

と。

その言葉に僕は目頭が熱くなった。

「ちょっと、泣いてるの?」

と未央が笑いながら肩をやさしく叩く。

しかし、背中に熱は感じなかった。

…本当に、死んでるんだ。


「っ…泣いてねえし!」

「…で、どうするの?」

と未央は笑いすぎて目に涙を浮かべながら聞く。

「…箱根、目指してみようかな。」

「やったー!!」

と未央は飛び跳ねて喜んだ。

僕の気持ちは未央の言葉で変わってしまった。

未央となら、また箱根駅伝を走る理由を見つけてみてもいいかな、とそう思ったのだ。


暗かった公園も明るくなってきた。

空は分厚い雲で覆われている。

「未央って今どこに住んでるんだ?」

「あの公園だよ。住む場所なくて。」

「そうなんだ。住む場所ないなら家くる?公園よりはいいと思うけど。」

未央は少し困惑した表情になる。

「あ、ごめん。今のは気にしないで。」

2人に気まずい空気が流れる。

その時、ぽつっと水滴が額に落ちてきた。

「雨だ。」

雨はすぐに強くなり、「さーっ」と音を立て始めた。

公園内に四阿(あずまや)は無く、急いでコンビニまで走った。

未央は僕のダッシュにも付いてきた。

陸上をやっていたというのも本当のようだ。


コンビニに着いた頃には、全身ずぶ濡れになっていた。

大雨でも練習はあるので慣れているが、濡れた服はやはり慣れない。

「濡れたままだと風邪ひいちゃうし、家でシャワー浴びて着替えたら?変な意味じゃないから誤解しないでくれ。」

と言うと、

「そこまで、私を家に入れたいの?」

と言いつつ了承した。


コンビニで雨が弱まるのを待って、僕と未央は家へと向かった。


本業がひと段落して、これから少しずつ投稿していきたいなと思います。

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