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登場人物紹介

アイリス・ヴァーノン


かつて宇宙遺伝学界の新星と呼ばれた女性研究者で、エリンの母、ライアンの母、そして故トーマスの妻。現在は科学界を追放され、娘の治療法を求めて禁断の宙域へ向かう。


研究と看病で痩せこけ、目の下に深い隈が刻まれているが、瞳だけは異常な光を宿している。機能的だが古びた作業服を着用し、娘の治療器具や薬剤を隠し持てる多数のポケットがある。かつては手入れの行き届いた美しい髪も、今は無造作に切り揃えられ、一部が白髪になっている。細身だが研究者として鍛えられた体幹が残っており、時に予想外の力を発揮する。


極度に理性的だが、娘のことになると感情的で衝動的になる二面性を持つ。過剰なまでの責任感があり、かつては温厚だったが現在の状況が彼女を冷酷に変えた。娘への偏執的な愛情が狂気に変わっており、目的のためなら禁断の研究も厭わない。


宇宙遺伝学の専門家として輝かしい未来を嘱望されていたが、娘の発病と夫の死により人生が一変。表向きは娘の治療法発見を目的としているが、真の目的は夫の事故原因となった「何か」を解明し利用することにある。物語の主人公として、家族を星雲へと導く中心的存在となる。


星雲のサンプルから血清を作成するなど、科学的知識を駆使して危険な実験を行う。最終的に星雲と融合し、宇宙的な美しさを帯びた存在に変貌する。





エリン・ヴァーノン


アイリスとトーマスの娘で、現在七歳。物語の鍵となる少女で、原因不明の難病に冒されている。


青ざめた唇と異常に冷たい肌を持ち、関節が異常に柔らかく時には物理法則を無視したような動きを見せる。病状が進行すると半透明になったり、瞳が星雲と同じ紫と緑の色に変化する。


幼い少女らしい純真さを持ちながらも、病気の影響で時折大人びた表情や口調を見せる。「パパが呼んでる」「みんな一緒になれる」といった不気味な言葉を口にする。


三年前に発病し、それ以来母親の全ての行動の動機となっている。実際には星雲が特別な遺伝子を持つ家族を選んで作り上げた存在で、病気は星雲への変容の過程だった。


物語の進行と共に星雲の影響が強まり、最終的には古い知識と宇宙的叡智を宿した存在に変貌。家族を星雲と融合させる役割を果たす。





ライアン・ヴァーノン


アイリスとトーマスの息子で、エリンの兄。現在十九歳の青年。


父親譲りの青い瞳を持ち、怒りと困惑を宿している。青年らしい体格で、母親の狂気的行動に対して物理的に制止しようとする。


母親の行動を狂気の沙汰と捉え、妹を危険に晒すことに強く反対している。父親を失い、母親が変わってしまった家族状況に困惑と怒りを抱いている。


父の死後、家族の中で唯一の健常な存在として、母親と妹を守ろうとする責任感を持つ。母親の暴走を止めようと奮闘するが、最終的には無力感を味わう。


物語では家族の中で最も人間性を保とうとする存在として描かれ、星雲の影響に最後まで抵抗を試みる。最終的には星雲に取り込まれる運命となる。





デヴィッド・ヴァーノン


故トーマスの弟で、アイリスの義弟。アイリスたちを追跡し、危険な旅を阻止しようとする。


兄とは似ても似つかない痩身の男性で、グレーのスーツを着用している。奇妙な平静さを瞳に宿し、どこか人間離れした雰囲気を持つ。


冷静で理性的な性格だが、兄の死にまつわる真実を知っており、アイリスの行動を止めようとする強い意志を持つ。家族思いでありながらも、真実を隠そうとする複雑な一面がある。


兄トーマスの死の真相を知る唯一の人物で、三年前の「事故」が実際には兄の選択だったことを明かす。兄の最後のメッセージを記録したメモリーチップを保持している。


物語では真実の語り手として機能し、星雲と家族の関係性を明かす重要な役割を果たす。最終的には星雲の影響に屈し、人間性を失うことになる。





トーマス・ヴァーノン(故人)


アイリスの夫で、ライアンとエリンの父。三年前に星雲で死亡したとされているが、実際には星雲と融合した存在。


生前はライアンと同じ青い瞳を持っていた。現在は星雲と融合し、人間の形を保ちながらも半透明で、身体の内部に無数の星が瞬いている。


家族想いの父親だったが、星雲の真実を知り、最終的に星雲との融合を選択した。死後も家族への愛情を保ち続けている。


研究者として星雲の正体を発見し、それが意識を持つ生命体であることを知った。自身の選択により星雲の一部となり、家族を呼び寄せる役割を果たす。


物語では亡き家族として記憶の中に存在し、最終的に星雲の使者として家族の前に現れる。家族の永遠の結束を象徴する存在として描かれる。

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