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2.はじめての二人きり ~焼肉ランチ~



2024年4月10日

【お疲れ様です。来週の水曜日、ランチはどうでしょうか?ラインの返信待っています】


その日は15時までパートがあり、勤務終了後にスマホを見たら、河合先生が

14:21にラインを入れてくれていました。私は、すぐに来週の水曜日のシフトを確認。

ちょうど午前中で勤務の終わる日だったので、すぐ河合先生に返信しました


【お疲れ様です。了解です。来週の水曜日 17日。12時でパートが終わるので大丈夫です。楽しみです。よろしくお願いします。】


まさか本当に、河合先生がランチの日程を決めてくるとは思っても居ませんでした。


そして、次の日は柔道の稽古日でした。河合先生からは、ランチの予定のライン以降は特に来ていなかったので、私はちょっと緊張した表情で道場に向かいました。

たまたま、稽古開始時間に河合先生が間に合っていなかったようで、道場長と数人の生徒で稽古が開始になりました。いつもなら19時から21時まで、みっちり柔道をする翠ですが、その日はお腹が痛くなり、20時前に帰ると言い出しました。河合先生が20時から来られると道場長が言ったのですが、翠はそれまで耐えられないと言ったので、2人で帰ってきました。

帰りの車の中で河合先生にラインをしました


2024年4月11日

【お疲れ様です。翠が体調不良につき、稽古を切り上げてきました。先生は20時から来られるのですね。また次の稽古でお願いします。】


河合先生は、もう道場について稽古を開始したのか、ラインに既読は付きませんでした。

そして稽古終了後の21:20 河合先生からのライン

【会いたかったです】


そのラインに気づいたのは次の日の朝でした。

今なら、先生にラインをしたら、既読が付いたか、何回もラインの画面を確認してしまいますが、当時はそんなこともなく、ライン送信後、何事もなく、眠りについていた私。


朝目が覚めて、昨晩に河合先生からきた【会いたかったです】ラインに、ドキドキしっぱなしでした。


2024年4月12日(金)

【おはようございます、照れますね】

6時半という早朝ではあったが、先生からのラインに答えるかのように、こんなラインを返信しました。

そのあと3時間ほどたった朝の9時頃


【嬉しくないぞ~】のスタンプだけのラインが、河合先生から届きました。

何を言おうとしていたのか、さっぱりわかりませんが・・・

前みたいに敬語ばかりのラインだったのが、少しずつ敬語じゃない文面やふざけたスタンプをくれる関係になって、ちょっとずつ、河合先生との距離が近くなっているなと思うようになりました。



そして次の日。その日は土曜日で、私は朝から美容院に行ってきました。白髪を染めて、今まで明るくなりすぎていた髪色を少し暗めに塗りなおしました。

夕方、稽古がありましたが、私は【会いたかったです】ラインに妙に緊張してしまい、稽古開始の挨拶くらいしかできませんでした。


そしたら、稽古が終わった21:24に河合先生からのライン


2024年4月13日(土)

【こんばんは♪今日髪型変わってましたね。美容院行ってきたんですか?その髪型似合ってます】


髪型が変わったのは、他の父兄や子供たちからは、何の反応もなかったのに、まさか河合先生に気づかれるとは思ってもいなかったので、すかさず、先生に返信しました

【お疲れ様です、髪型変わったの気づいていただき、ありがとうございました。誰にも反応がなくて・・・】


【そうでしたか。似合ってますよ。今日は疲れました。ビール飲んで寝ます。おやすみなさい】


再度、河合先生から【似合ってますよ】なんて言われて、ドキドキの私。

その日は、なぜか眠れなくて1時くらいまでラインを見返していました。

会長になってから1年間のラインの履歴を読み返し、最初は敬語口調で、柔道の話以外は、ほとんど話題がなかったのに、1年経つと、髪型似合っているとか書き出す河合先生・・・

私はだんだん、河合先生に沼って行く自分にきづきはじめました。


それから河合先生からのラインはなく、次の稽古日の翌週の火曜日。

普通に稽古が終わるまで道場に居ましたが、特段、河合先生と話すこともなく、21時になり、稽古が終わりました。

車に乗り込み、出発しようとすると、ラインの通知音がなり、見てみると河合先生からのライン。

先生は、まだ道場の外で、他の父兄と話していたのですが、スマホを持ちながら話をしていたので、おそらく、話をしながら、私へのラインを作成してくれていたのでしょう


2024年4月16日(火)

【お疲れ様です。明日大丈夫ですか?自分は12時前に行っているので、お店に入ってきてね。待ってまーす】


可愛いネズミの絵文字も混じった、とても指導員からのラインとは思えないラインの文面に、思わず

【了解です】

とだけ、返して、車を走らせました。本当はもっと感情を出したかったけど翠が車に乗っているので、怪しまれる行動をすることもできずに・・・


家につき、寝る準備をして、改めてスマホを見たら、先ほど私が送った【了解です】ラインに既読はついていなかったので、私は改めての返信をせずに、そのままにしていました。

ただ、次の日は河合先生とランチ♪と思うと眠れずに、その日も0時過ぎまで過去のラインを見返していました。


次の日、寝不足もたたり、目が腫れていましたがいつもより、少し厚めにメイクをし、勤務先のスーパーで9時から12時までレジ作業をしました。

勤務終了の12時に急いでロッカーを開けると、11:53に既に河合先生からのラインが届いていました


2024年4月17日(水)

【つきましたよ。1番奥の小上がりです。注文しました。気を付けて】


ランチは焼肉屋で、先生がたまにたべているというAランチを2つ注文してくれているとのことでした。先に注文しておけば、私が着いた時にはちょうど、お肉がテーブルに届いているということで。


私は急いで着替えて、勤務先から車で5分の焼肉屋に急ぎました。

着いた時間はちょうどお昼時で駐車場も満車で、少し離れた第二駐車場に車を停め、急ぎ足でお店に向かいました。


「いらっしゃいませ~」と店員さんに促されて、私は、連れが先に入っていることを伝えると、奥の小上がり席から見覚えのある人が手を振っていました。


「お疲れ様です。ちょうどお肉来たので焼きましょう」

そういうと、先生は私の分の肉を網に乗せてくれ、自分の分も網に乗せ、慣れたように肉を焼き、

「ちょうど頃合いですね。翠ママどうぞ」と言って私の取り皿に肉を乗せてくれました。

「ありがとうございます」


紳士的な対応に、思わず見とれてしまいました。

そんな私を見て、河合先生は不思議に思ったのか

「何かありましたか?」と不思議そうに聞いてきました


「いえいえ。紳士的だなと思い。あと、いつも柔道着の河合先生なので、今日はなんかお洒落だなと思って。私なんていつも、翠を送迎している格好で恥ずかしいです」

「そんなことないですよ。今日は化粧、ちょっといつもと違いますか?あ、いつもはマスクしてるから今日は違って見えるのかな」


確かに、道場で子供たちを見ている時は、他の父兄も示し合わせたようにマスクをしています。今日もマスクをして店内に入ってはきましたが、お肉をたべるときは当然マスクを外すわけで、マスクを外した顔なんて先生に見られてのは相当久しぶりで、とても恥ずかしかったです。


河合先生とは柔道のこと、翠の稽古への取り組み方のこと、あと、その週の日曜日に行われる、隣の市の柔道教室とのミニ大会の話で、あっという間に1時間が経ちました


「ミニ大会。翠は、また 隣の支部の〇〇さんと最後に当たりますよ。今度こそ勝ちたいですね」

そう言いながら、まだ誰にも配られていない、ミニ大会のトーナメント表を見せてくれました

「まだ道場長から許可得てないんですが、先に翠ママには見せますよ」


〇〇ちゃんは、翠の永遠のライバルで、最近は翠はその子には勝てておらず、いつも県大会も、2位止まりです。

今回こそは!と思って、河合先生は翠が〇〇ちゃんに勝つための必勝法等を熱く語ってくれました。


13時が少し過ぎたときに、河合先生が

「昼休み終わるので、もういきますか。」と言いました。

楽しかった時間はあっという間に過ぎて、私は、1つ、計画していたことを言い出しました


「実は明日18日 私の誕生日なんですよね。40歳になります。先生、お祝いに奢ってください」


と言って見せたら、河合先生は驚いた表情で

「そうなんですか?おめでとうございます。40歳若いですね。もちろん、私からお誘いしたので、食事代もごちそうするつもりでしたが。明日誕生日だと、何かお渡ししなきゃですね」


と先生は困ったような顔をしたので

「いえいえ。こんな美味しい焼肉ランチ、ごちそうしてもらえるだけで満足です。ありがとうございます」

にっこり笑って、お店を後にしました。


そのあと家に着いてから、改めてライン


2024年4月17日(水)

【改めて、先ほどはありがとうございました、美味しかったです。また行きましょう♪】


ほどなくして、河合先生から返信のラインが届きました

【了解致しました】


1時間ちょっとではあったけど、初めての河合先生との2人きりの時間に、ドキドキが止まりませんでした。いつもの柔道着とは違う、ラフな感じのシャツと細身のジーパン。そして左耳には輪っかになったピアス。

お洒落すぎて、圧倒された私。その頃から、河合先生のことを 一人の男性として意識しだしているのに、自分でも気づきました。


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