24:三章覚書
三章覚書
■人物
(◆:第二章から継続して登場 ◇:第三章からの登場 ●:第一章以来の登場)
◆エルレナード・フィンブルツール(エルナ) 十六歳
ギルド『ドレッドノート』の研修生。剣を託してくれたLEONARDという人物を捜している。
天に大剣の事を調べてもらったが、LEONARDの手がかりは見つからなかった。
隔壁管理所で深部を調査する事になり、そこでマヤと再会。魔獣炉の残酷な真実を知るが、無抵抗な命を奪う事の重さに耐えきれず、剣を落とした。
◆ミーティア・エンシスハイム 十六歳
ギルド『ドレッドノート』の研修生。
インテリジェンス・ウェポン「スティグマ」の持ち主であり、その呪いによって魔物と化してしまうところだったが、エルナに助けられた。
ドラゴンと生身で張り合える魔法少女として、その筋の人間にとって一躍有名人になってしまい、多くのギルドにその力を狙われる身となる。
◆白柳 天 二十歳
ギルド『ドレッドノート』の魔導技師。
バーレイグを大した傷もなく撃退する人物として外部のギルドに目をつけられる。
が、実際にはヘルテイトとの戦いで腕の筋肉が大幅に損傷しており、治療のために入院していた。
無愛想極まりなかった性格がだいぶ丸くなり、活動時間も夜から昼にシフトした。
◆白柳 千香 十七歳
ギルド『ドレッドノート』の戦闘員の一人。天の妹。
天を斬った事について悩んでいたが、天の気持ちを聞いてスッキリ解決したらしい。
◆ノクス・アージェンタイム 二十二歳
ギルド『ドレッドノート』の副艦長。
自分の「守る力」について自信を失いかけていた。
天に自らのメタモル型LPを改良してもらい、盾の形状を扱えるようになった。
隔壁管理所の深部の調査へ向かい、その先でキーと出会う。
幼い日の自分に重なる少女を守ろうと戦い、その過程でキーの所有者となった。
◆クレレ・ヴェリタス 十四歳
ギルド『ドレッドノート』の最年少乗組員。艦長補佐。
◆本川 玲菜 二十五歳?
ギルド『ドレッドノート』の艦長。
本名は「レイナ・バーレイグ」
◆龍見 マヤ 二十四歳?
スペースタイムズの記者。竜族の女性。
かつての親友が隔壁管理所の奥に隠された魔獣炉に囚われている事を知り、単身で管理所に乗り込んだ。
魔獣化してしまった親友を自らの手で葬り、そのクローン達も全て殺した。
親友との戦いの際、自らも本来のドラゴンの姿に変わっているが、その状態を維持するには体力を消耗するらしい。
◆ルーク・アージェンタイム
ノクスの姉。足が不自由であり、車椅子で生活している。
ノクスと同じく長身で、髪は栗色のショートボブ。目は細く常に笑っているように見える。
かつて、父の家庭内暴力で母を亡くし、ノクスをかばって二度と歩けなくなった。
身寄りのなくなった後は学園に引き取られた。それからノクスとは疎遠になっていたが、彼がドレッドノートに配属されてすぐに和解した。
◆シャルフランテ・ヴァイセローゼ(シャンテ)
連邦騎士団 宣託のシャンテ。
後ろを結い上げた長い金髪と澄んだ空のような水色の瞳が印象的な、少女の面影を残した女性。
第三区画の王女でもある。
ドレッドノートを第一区画へ連行するためにやってきた三人のうちの一人。
ディガンマ事件以降、三区に残る事になった。
二三隔壁が開かない異常を確認し、ドレッドノートに隔壁管理所の調査を依頼。
◆アエル
連邦騎士団 人形師アエル。
白い包帯をぐるぐる巻きにして両目を隠した男。しっかりと前は見えているらしい。
精悍な顔立ちの若い男。
燐の保護者的存在。暴れる燐も彼が首を掴むだけでおとなしくなる。
ドレッドノートを第一区画へ連行するためにやってきた三人のうちの一人。
シャンテ曰く「仕事はできるが愛想が無い」
◆燐
連邦騎士団 苦輪の燐。
スクレラと虹彩の境目がわからないほどに、不気味なまでに白い瞳を持つ少女。
ドレッドノートを第一区画へ連行するためにやってきた三人のうちの一人。
かなり情緒不安定なようで、怯えてしゃがみこんだまま震えていたかと思えば、狂気的な笑みを浮かべてにじり寄ってきたりもする。
◇キー
二三隔壁管理所に幽閉されていた少女型のインテリジェンスウェポン。
人を恐れるようになり、立ち上がる事もできなくなっていた。
隔壁管理所で謎の触手撃退のために兵器として酷使されていたため、自らのインテリジェンスウェポンとしての力を使う事に強い抵抗を感じていた。
が、自分を救い出してくれたノクスの優しさや、ヘルテイトの助言によって再び力を使う事を決意。
ノクスを所有者として認め、石化の力を託した。
●ヘルテイト・バーレイグ
背の高い、黒いロングコートを着た男。顔立ちは中性的。
天との戦いで左腕の肘から先を失い、ノクスや玲菜に追い詰められて四区で投獄されていたが、シャンテにより釈放。
シャンテに雇われ、隔壁管理所調査の増援として送り込まれた。
キーの正体に早くから気付いており、その力の覚醒を促した。
キーを心配する姿があまりに不釣り合いで、マヤによってロリコン疑惑がかけられてしまうが、彼は単に人工遺物が心配なだけである。
キーやシャンテと共に三区へ戻り、キーの管理(と言う名の世話係)を任された。
魔導砲のような義手を装着し、強力な炎の術式でドラゴンを一撃で吹き飛ばしたが、謎の触手には通用しなかった。
■用語
□高優先度通信
一般通信よりも通信ワーム内の領域をより広く確保する事ができるが、それに見合うだけの費用がかかる。
□二三隔壁
第二区画と第三区画を隔てる壁。
封鎖は解かれたが、隔壁管理所の異常により再び通行禁止状態となっていた。
□隔壁管理所
四つの隔壁それぞれに対して用意されている、隔壁の開閉・通行を管理している施設。
外部の人間を極力近づけないよう、円環状の宇宙の中央に近い場所に位置している。
□昏き深淵
円環状の宇宙の中央。事象の境界によって覆われており、観測できない。
光すら脱出できない暗黒の世界だが、魔獣は一般的にはここから来たとされる。
これを取り巻くように航行禁止区域が定められている。
□謎の触手
二三隔壁管理所に現れた正体不明の触手。
隔壁管理所にはたびたび現れていたようで、「深淵の魔」と呼ばれている。
□魔獣炉
魔族をとらえ、その情報と魔力を抜き出してクローン魔獣を生成する施設。
□アルルーナ
精神に強い影響を及ぼす魔導植物。花弁は興奮剤として、根は鎮静剤として用いられる。
一種の強烈な麻薬的作用を持つため、使用はおろか栽培や所持にも厳格な規定がある。