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13:第一章覚書

覚書


■人物

□エルレナード・フィンブルツール(エルナ) 十六歳

 魔法学校高等部一年所属。優柔不断。弱気。

 一度目の長期休暇研修で持ち前の優柔不断さを発揮し、弱小艦ドレッドノートに配属されてしまった。

 優柔不断だが、追いつめられると思いきった行動に出てしまう。そして後悔する。

 両親はなく、孤児院育ち。

 ブレードタイプ、大剣型のLPを使用。戦闘となると普段の気の小ささは無くなる。

 十六歳にしては小柄で、華奢。声も高めなのでよく女の子と間違われる。更に、顔に幼さが残っているので年相応に見られないことも多い。よく頭をぶつける。

 将来、自分に剣を残してくれた人に会うために必死で勉強して魔法学園に入学した。


□ミーティア・エンシスハイム 十六歳

 魔法学校高等部一年所属。お気楽。

 十年前に孤児院からエンシスハイム卿に引き取られた。

 ロッドタイプLP【スティグマ】を使用。破壊系の術式が得意で、並外れた威力のものを撃つことができる。

 スティグマの呪われた力の継承者だったためにヘルテイトに囚われ、一度は怪物となりかけるのだが、エルナによって救われた。


白柳(しろやなぎ) (てん) 二十歳

 ドレッドノートの魔導技師。自称非戦闘員。

 背はそれなりに高い。普段はやる気のなさそうな顔をしているが、基本的に気分屋。やる気がある時は強い。夜型。

 ロッドタイプLPを使用。錬金・生成系の術式を得意とするが、探査・解析系も扱える。見ただけで相手の魔術的資質を見抜く。

 やる気はなくても割と優しい。整理整頓ができない。

 魔導工学、特にLPのことになると人が変わる。

 普段だらしないのに魔法も剣も扱えるのは、隠れて努力してきたから。ただし、純粋な剣の腕は千香には敵わない。

 本職は本人の言う通り技師。自動航行システムや長距離砲のメンテナンスなど、ドレッドノートを技術面から支えている。


□白柳 千香(ちか) 十七歳

 ドレッドノートの数少ない常識人。天の妹。やや小柄。背はエルナより低い。

 紺色の道着を着ている。落ち着いているが、想定外の事態には弱い。

 白柳の剣術のほとんどの技を若くして会得してしまっているが、まだ己の力に不足を感じている。

 また、なんでもできる(ように見える)天に対してコンプレックスを抱いている一面も。

 刀型のLPの使い手。神速の剣技と四元系の風の術式を使うことができるが、魔術にはあまり頼りたくないと思っている。

 訓練室の常連。世話焼き。

 服装は和風だが、飲食に関しては特に和風が好みというわけではないらしい。(眠い時の目覚ましにハーブティーを入れようとしている)


□ノクス・アージェンタイム 二十二歳

 コーヒーをこよなく愛するドレッドノート副艦長。背が高い。

 線が細く、目は切れ長。なんでもジョークや皮肉にしたがる。

 その性格ゆえか、他のクルーのことをよく観察している。

 副艦長ではあるが、実質的に完全な戦闘員。扱いの難しいメタモルを操り、数多の形状の武器を使いこなす。

 それなりにSッ気があり、仲間を傷つけた相手に対しては容赦しないという方針の玲菜と気が合う。


□クレレ・ヴェリタス 十四歳

 すぽーつどりんく一筋なドレッドノートの非戦闘員。艦長補佐。

 書類運び、魔導植物の世話など、細かい雑用をこなす。

 雑務において人一倍頑張るのだが、どう考えても物理的に難しいことに挑戦するため、見ていて危なっかしい。

 とても小さい。

 ドレッドノートの中では珍しい、白を基調とした制服を着る。ゆるめの帽子は大切なモノらしい。金髪碧眼。

 ペンタイプLPを使用。探査系術師として優れた実力の持ち主。

 義務教育期間だが、通信教育で済ませてギルドの仕事をしている。

 優しい性格だが、芯の強い一面を見せることも。


本川(もとかわ) 玲菜(れいな) 二十五歳?

 コーヒーよりは紅茶が好きらしいドレッドノート艦長。トレードマークは艦長帽子。

 頑張るクレレを見るのが幸せ。

 かつて、第四区画中央防衛師団の教官をしていた。当時の通り名は「紅弾丸の鬼狂官」

 戦闘能力は全く衰えておらず、ガンタイプのLPを駆使しての突破力、制圧力は他のメンバーの追随を許さない。

 作戦の判断や指揮は迅速で的確。指揮官としての腕もかなりのものだが、想定外の事象で予定が狂わされると弱い。

 本名「レイナ・バーレイグ」。バーレイグに対する風当たりは強いので、普段はカラーコンタクトで色を隠している。


□エルネスト・エンシスハイム 享年二十歳

 エンシスハイム卿の一人息子。生まれつき体が弱く、ほとんど外に出ることができなかった。

 死後もスティグマの中に意識を宿し、ミーティアを見守っていた。


□第四区画中央魔法学園 学園長

 白ヒゲの老人。正義感が強い。


□ハーヴィ中将

 第四区画中央防衛師団師団長。口ひげのナイスミドル。

 オーソドックスなブレードタイプLPを使う。魔術にはあまり頼らない。


□スキルヴィル

 第四区画中央防衛師団の師団員。追尾眼の使い手。


□ベズヴィルド・ハートゥーン

 ハーヴィの部下。若くして兵長まで上り詰めた実力者。

 ALの使い手。つまり、その他の魔術を全く使わない。

 玲菜とは色々確執があったらしい? 愛称はベズ。


□フォルラムル

 連邦騎士団 銀雷のフォルラムル。ベズヴィルドの姉。三姉妹の長女。

 レイピアの使い手。ベズヴィルド、セーレイズと関係がある。また、セーレイズに対しては並々ならぬ愛情を注いでいる。

 スティグマの無力化を命じられ、第四区画に来ていた。

 スティグマと魔術的つながりを持つ候補の一人だった。


□セーレイズ

 ベズヴィルドの妹。第四区画の病院の眠りの病棟にいる。


□シャズおばさん

 エルナがいた孤児院のおばさん。


□ハーンおじさん

 エルナがいた孤児院のおじさん。忙しい。


□ハイパージョン君

 天が作った自動掃除機。ドレッドノート船内をいつもきれいに保つ頑張り屋。

 ネーミングはただの思いつきらしい。


□ヘルテイト・バーレイグ

 背の高い、黒いロングコートを着た男。顔立ちは中性的。

 四元系の炎の術式、神経干渉系の幻覚、催眠の術式を使う。また、メタモル型のLPを操ることもできる万能戦士。

 目的のためには手段を選ばない冷血さを持っている。

 己の強さと人工遺物の所持に固執したが、ドレッドノートの前に敗北した。


□ディグラルディ・ギンナル

 ぶくぶくに太った金にがめつい政治家。連邦政府大統領諮問機関、枢密院の議員。

 ヘルテイトを雇い、スティグマを手に入れようとするも、飼い犬に喉元を食いちぎられる形で死亡。


龍見(たつみ) マヤ 二十四歳?

 情報の速さと正確さに定評のあるスペースタイムズの記者。表向きは明朗闊達な性格。

 玲菜やノクスとはヘルテイトの事件以前から知り合いだった。

 情報というものに対する態度は人一倍真摯。誰よりも情報の価値を信じている。


■用語

□魔法と魔導と魔術

 魔法は魔の力の法則。魔導は魔の力を導く事。魔術は魔の力を扱う術。

 したがって、厳密には違うものだとされるが、たいして区別はされない。

 魔法は理論的分野、魔導は工学的分野、魔術は実戦的分野で用いられることが多い。

 基本的にルーン言語によって制御される。


□魔導工学

 魔法理論と電子工学を融合した分野。LPの開発など、この世界では無くてはならない学問。


□魔術師

 魔法使い、魔導師とも。魔術を行使する人の事。


□魔獣

 本来は魔力を持った獣の意味。だが、召喚核によって生成・召喚された魔獣のみを指して言うことが多い。体内に核があり、それを潰すと溶けてなくなる。


 ヘルハウンド:

  黒い狂犬。生成・召喚が容易な初等的魔獣。単体での力はさほど強くないが群れて行動する。

  咆哮に魔力がこもっており、訓練を積んだ者でなければ聞いただけで動けなくなってしまう。

 アースワーム:

  地を這う巨竜。翼のない竜。大気中の魔力素を吸い込み、体内で術式を構成して吐き出す。

  魔導砲は破壊力の塊。動きは鈍いが、非常に硬いシールドを全身に持っている。

  魔導砲を撃ち終えた直後にだけ、全身のシールドが消える。

 ガルム:

  人と同じくらいの背丈を持つ、ヘルハウンドの上位種。

 ドラゴン:

  伝説の神獣。鋼色の強靭な鱗を持つ。アースワームと同じく魔導砲ブレスを吐き出す。

  巨大な翼で空を自由に飛びまわるため、アースワームとは比べ物にならないほどの強さを誇る。

  ただし、魔導砲を放つ直前直後に全身のシールドが消える。


□召喚核

 魔獣を生成・召喚する装置。人工的に生成されたものと、自然に生成されたものがある。原材料は魔王石。


□魔法学校

 魔法学園とも。この世界では学校と学園の区別は特にない。寮制の場合は学園と呼ばれることが多い。

 魔術師を育成するための機関。初等部、中等部、高等部に分かれている。

 高等部を卒業する前にギルドへの所属手続きを行う場合も多いため、高等部を卒業する者は少ない。

 更に上の機関として、魔法の研究を行う魔法大学がある。


□ルーニック・プロセッサ LP

 魔導処理装置。簡単に言えば魔法使いの杖。

 ただし、杖に限らず用途によって様々な形状のものが存在する。

 スロットがついていて、そこに増幅回路(チップ)をはめ込むことで魔法の力を増幅したり、様々な効果を発現させることができる。

 普通、話さない。


 ガンタイプ:

  遠距離戦に秀でた銃器型。

  玲菜が使うベルベット・ダークはこの一種で、モードチェンジャーを内蔵している。

  モードチェンジャーにより、ハンドガン、ライフル、ショットガンなど様々な形に派生できる。

  弾丸として増幅回路を用いるが、消費量が他のLPと比較にならないので安価な量産型を用いることが多い。

 ペンタイプ:

  特殊形状。筆型。戦闘向きではない。探査系などの非戦闘員が用いる。クレレが使うのもこれ。

  ルーン文字を直接これで書くことで細かな魔法の制御が可能になる。

 ブレードタイプ:

  剣型。接近戦に秀でた形。スロットの数が少なく、魔法の行使には向かない。

  武器の殺傷力や使用者の身体能力を強化する強化系に適している。

  エルナが使うのはこのタイプに属する大剣型。千香のものは刀型だが、やはりこの分類。

 ロッドタイプ:

  杖型。携行可能なものでは最も魔法の行使に適している。

  LPの基本系であり、多くの術師に好まれる。

  他のタイプと違い、あまり形の違う派生形がない。

  ミーティアのスティグマや、天のものもこのタイプ。

 メタモル:

  不定型。あらゆるタイプの形状を取ることができ、扱える人間は限られる。

  普段はブレスレットであったり、指輪であったり、暗器としても用いられることがある。

  ノクスやヘルテイトが使うものはこれ。

 追尾眼(チェイス・アイ)

  ウィンドミル社が販売する特殊形状LP。頭文字をとってCEとも呼ばれる。

  対象の追尾・監視に特化したタイプで、術者の魔力によってLP本体を自在に動かすことができる。

  追尾眼の映像は専用モニターによって確認できる。

  作中ではスキルヴィル、ヘルテイトが使用した。


増幅回路(チップ)

 用途が弾丸に近いのでバレットとも呼ばれる。

 LPのスロットにはめ込むことで魔法の力を増幅したり、魔法そのものを発動したりする。

 チップには複数の種類が存在しており、それぞれについて増幅したり発動する魔法が異なる。

 たいていのものは消耗品で一度使うと力を失うが、情報記録媒体として繰り返し使えるものも存在する。


人工遺物(アーティファクト) AF

 現代ルーン言語が成立する以前、古代に作られたと言われる魔導具。

 暗黙的危険性の排除されていない古代ルーンによって記述されている。

 名目上は連邦政府が管理することになっているが、いまだに未発見、未回収のものも多い。


 自己逃走機能が備わっていたり、表に出ないルートで出回るなどするため、発見や捕捉が難しい。

 物珍しさと強力な魔術的能力から、高値で取引される。政府も買い取りに躍起になっているが、取引の価格からみれば誰も政府に売ろうとはしない。


□インテリジェンス・ウェポン IW

 人工遺物の中でも特に危険性の高いもの。全部で三十一ある。

 ミーティアの所持しているスティグマはその一つ。


□宇宙連邦

 大きく分けて四つの区画からなる宇宙最大の国家。これに対抗するような勢力はないに等しいが、国家と言うにはあまりにスケールが大きすぎるため、区画ごとに自治区のような体をなしている。

 区画は互いに内政不干渉の原則を貫いている。規模の大きな第一、第二区画は内部で更に小さな自治区に分けられている。


連邦騎士団(フェデラル・ナイツ)

 宇宙連邦最強の武装集団。政府嫌いの人間やひねくれ者からは連邦の犬(ハウンド)と呼ばれることも。

 所属する全員が何かしらの方面についてマスタークラスか、レジェンドクラスの実力の持ち主。


□ギルド

 連邦政府に認められた便利屋。政府および民間からの依頼をこなす。ただし、政府とのつながりはさほど強くない。

 宇宙を航行するための船を所持している。


□バーレイグ

 かつて、人工遺物の管理者だった一族。紅い目が特徴。

 炎の術式を自在に操り、かなり高い戦闘能力を有していた。

 ただし、一部が連邦政府に反抗したため、連邦騎士団によって鎮圧され、それ以降も危険視され続けている。


□宇宙航行艦ドレッドノート

 かつては最先端の性能を行く戦艦だったらしいが、今では旧型となってしまった。

 区画間移動を可能とするユニットを搭載していないため、辺境の第四区画から出る事ができない。

 更にギルド「ドレッドノート」に所属している人数も少ないため、弱小艦に分類される。

 道に迷うには十分な広さ。


 ブリッヂ:

  自動航行機能を後付けで実装したために不要となった管制・操舵室。

  現在ではクルーのたまり場や作戦会議室として用いられる。

 訓練室:

  人工召喚核が備え付けられた戦闘訓練室。

 栽培室:

  魔導植物を栽培する部屋。魔導植物の発育の関係上、照明が特殊なモノになっていて目に悪い部屋。

 台所:

  キッチン。

 大浴場:

  広い浴場。男女で入浴時間が分けられている。

 洗濯・乾燥機室:

  大浴場の隣にある。

 医務室:

  大事な部屋。軽いけが程度ならここで完治できる。


□長距離砲 LongRangeCanon(LRC)

 ドレッドノートに搭載された魔力砲台。

 「魔導式環状砲(Lunic Ring Canon)」「魔導砲」とも。

 ドレッドノートに搭載されたものは特に性能が良い。

 ただし、撃つ場所を考えなければ周囲への被害も甚大になる。

 (出力が高すぎて、着弾点から半径数十キロを焦土にしてしまう)

 その破壊力から、使用には厳格な制限がある。(政府関係者の許可が必要になる。発射キーを政府側が握っているため、許可を無視して撃つことは基本的にできない)


■術式分類

□破壊系

 攻撃魔法の中で攻撃性の高いもの。破壊力のある魔法で、消耗、隙共に大きい。

 魔力素を圧縮するだけで特に変質させたりはしないため、威力は出やすい。

 ミーティアが得意とするのはこの系統。

□追尾・誘導系

 攻撃魔法の中で追尾・誘導性の高いもの。破壊力はあまりなく、消耗や隙も小さい。

□神経干渉系(幻覚、催眠など)

 相手の神経に干渉する術式。消耗は術師の力量や相手の魔法耐性に依存する。扱いが非常に難しい。

 ヘルテイトはこの中の幻覚、催眠を使用した。また、天も幻覚を使用。

□探査・解析系

 魔法関連物を解析したり、空間を探査したりする。特殊な術式で単独戦闘には向かない。

 クレレが担当する。ペンタイプLPはこの系統に特化したもの。

□強化系

 身体能力や武具の性能を強化するもの。魔術的消耗や隙が小さく、近接戦向き。

 だが、身体的に大きな負荷がかかるため、多用しすぎると危険。

□錬金系

 物質の本質を変化させるもの。また、無から有を生み出す(ように見える)術式も。

 クレレと天が使用した。

□移動・浮遊系

 特定座標に移動したり、空中に浮かんだりする術式。

 浮遊系は研究がなされている最中の術式であり、完成されたモデルとして存在はしない。

 一応、クマバチの飛行モデルを利用した浮遊術式は完成しているが、空気の粘性を人体の大きさに合わせなければならないため、実用的でない。

 また、ゆで卵の回転を利用した浮遊モデルもあるものの、飛行時間や高度に問題がある。

□四元系

 火、水、風、地の四属性の魔術。それぞれ、他の系統に近い性質を持っている。

 また、分類が非常にあいまいで、四元系の火の術式でありながら破壊系の術式である場合などが存在する。(他の術式分類と排他的でない)

 火:破壊系に近い。攻撃的

 水:硬化系に近い。防御的

 風:移動系に近い。攻防一体。

 地:錬金系に近い。

□アンチルーン(AL)

 対魔法結界。特殊な術式であり、大気中の魔力素の運動を固定化して魔術の行使または持続を妨げる。

 ALの効果範囲や威力は術者によって変わるが、出力を上げすぎると展開したALがAL自身の持続を妨害するため、術者の負担が跳ねあがる。


■魔力

 魔術の行使または持続に要する力の中で最も大きな割合を占めるもの。

 この力は魔力量として定量的に論じることが可能。微細な粒子状の魔力素として体内や大気中に存在する。

□魔力反応

 魔力素が密集している場所は、探査の術式によってすぐに見つけることができる。ただし、探査範囲と精度は術の威力と術者の分析力に依存する。

□魔力光

 通常は、魔術の行使の際にLPの駆動部から溢れる余剰魔力が発する光のことを指す。

 しかし、魔力素は激しい回転運動をすることによって発光する性質を持つため、人工的に魔力光を発することも可能。

 駆動部からわざと魔力素を溢れさせることによって、LPを懐中電灯のように扱うこともできるが、魔力効率を考えると実用性は高くない。


 余剰魔力とは言っても、意図的に駆動部から魔力素を溢れさせる行為は頻繁に行われる。探査・解析系などの精密な操作を要求される術式の構成などには、魔力素の配列の操作やそれによって得られる結果を視覚的に確認できると都合が良い場合が多いからである。

□魔力枯渇

 体内に存在する魔力素の量が病的に少なくなった際に発生する貧血のような状態。魔力枯渇症、魔力枯渇症候群とも。

 体内の魔力量は呼吸によって大気中から魔力素を取り込むことによって正常値を保とうとするが、その回復量を超えて魔術の行使などで消費量が多くなった場合、体内の魔力量が少ない状態になることがある。

 症状としては頭痛やめまい、動悸・息切れなどが挙げられる。

 通常はしばらく安静にしているだけですぐに回復するが、あまりに深刻な魔力の枯渇は生命活動に影響を及ぼすこともある。

□魔力炎症

 短時間に人体から放出する魔力の量が多すぎると、それからしばらくの間、魔力の放出力が小さくなったり、放出の際に痛みを伴う状態になることがある。放出口は目に見えない――仮想的なモノとしてとらえられている――が、イメージとしては円筒型の空洞である。その空洞の入り口の面積を押し広げるほどの量の魔力が短時間の間に通った場合、放出口は元の大きさ、形状を保とうとして収縮しようとする。

 したがって、平時よりも放出口の面積が小さくなり、普段と同じ感覚で魔術を使おうとすると余計な負荷がかかってしまうため、それが痛みとなって術師を襲う。この状態は、炎症を起こした状態と呼ばれるが、よほどひどくない限りはしばらく安静にしていれば治ってしまう。



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