表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

68/69

『ヒール57』

『ヒール57』




 召喚されたドラゴンに大苦戦中。

 全員で戦っても勝ち目が見えないのが辛い。

 大丈夫か。

 

「ミュートエアー、魔物の召喚時間て、どのくらいなの?」

「先程の魔物はまだいたわね。とても持たこたえられない。時間が来る前にみんな死んでしまう。失敗だったか」

「心配しなくていい。こっちにはトレイルがいます。トレイルがいて、何度も危機を抜けてきました。今回もトレイルが何とかしてくれます」

「本当かいトレイル?」

「ローズ、あまり俺を過信しちゃうまずい。ドラゴンは強いからな。でも俺には魔王竜ヒールがある」


 逆にこれしかない俺には。


「やばい、ケガ人続出、トレイル!」

「ミュートエアー、危ないです逃げて!」

「ううっ!」


 ミュートエアーまでも炎を食らった。

 同じくオレンジフィズも焼かれていた。


「ヒールするか、魔王竜ヒール」


 ケガ人のミュートエアーやオレンジフィズにヒールする。

 踏まれたクールキャットにも忘れない。




体力を1110回復しました。

経験値を1110獲得しました。

 

レベルが577にアップしました。

レベルが578にアップしました。

レベルが579にアップしました。

レベルが580にアップしました。

レベルが602にアップしました。

レベルが603にアップしました。

レベルが604にアップしました。


スキル、止血を覚えました。




「おお、回復ありがとうトレイル!」

「助かるな。複数人にヒールをしたし、しかも体力が完全に回復している。上級回復術士だトレイルは」


 俺へ熱い感謝の言葉。

 嬉しくなるが、今はそんな余裕ないな。

 ヒールしていてもドラゴンは倒せないし。


「また回復術士か……邪魔だなオマエ。オマエから抹殺してやろう。ドラゴン、トレイルとか言う奴から殺すの命令する!」

「まずい、ドラゴンがトレイルに照準を合わせたよ」

「ドラゴンが召喚時間だ消えるのがまだなら、先にシャークウォーニンを倒すしかないかな」

「倒せるのか。ドラゴンの後方にいるし、ドラゴンが防御するし、召喚士には攻撃は難しい」

「ローズでも近寄れないかな?」

「無理っぽい。私の速度やりもドラゴンの速度がある。ドラゴンは意外と速いのよ」


 シャークウォーニンに直接に攻撃しないと難しい。

 ここは何とか時間稼ぎするか。


「ふふふ、ドラゴンには勝てないさ。死ね!」


 何度もファイアドラゴンの炎をくらい、俺もダメージを受ける。

 ミヤマもかなり体力消耗していた。


「あはははは、私の館に攻め入るとはバカな連中だ。この町の領主である私に逆らうとどうなるのか、死ぬしかないのだ」

「この声は……領主ライゴッド」


 館の二階から現れたのはライゴッドだった。


「見て、二階のベランダからこちらを下に見下ろしている。笑っています」

「二階に居たのか領主。もう不正は止めて、町のために尽くせ!」

「アホか。私がしたいようにして何が悪い。私が町の支配者なのだ。町の人間は全員が私のために生きるべきなのだ。世界は金で動いている。冒険者だって金で動くのさ。バーニングは雇ったが、雇い損だ。役立たずのパーティーだった。しかしシャークウォーニンは違う。バーニングの風の陣とはランクが違う。あの有名な殺し屋さ。誰にでも雇える男ではない。選ばれた私だからこそ雇えたのだ。もちろん契約した金も多額になる」

「金で全てが動くなんて間違いだ。もっと大事なこともある」

「なんだいそれは。金よりも大事なものとは、教えてくれよトレイル?」

「俺は以前は別のパーティーに所属していた。金で雇われて何でもした。結果は裏切られてお払い箱になった。新しく今の竜の守りパーティーを設立した。そこでローズ、パピアナ、ミヤマと仲間が出来た。以前にはなかった、大切な仲間を得た。金ではみんなは買えない」


 俺は領主の考えに対して意見を述べた。

 感じたままの意見を。

 森の王と比較したままを。

 

「あはははは、仲間か。笑える。これは傑作だトレイル。冒険者はみんな金で動くもの。騎士団だってそうだ。私を捕まえることはない」

「いいえ、騎士団はあなたの物ではない。私は騎士団に所属するミュートエアー。騎士団を好きにするのはいい加減にして。許さないです」

「騎士団までもいるのか。それでは面倒だな。シャークウォーニンよ、あの騎士団の女のミュートエアーは必ず殺せ。生かしておくと厄介だ。残りも殺していい。しかし猫人のローズは生かしておけ。館に住まわせる」

「はい、領主。そのとおりに始末します」


 領主の命令に頷くシャークウォーニン。

 まるで俺の意見など無視していた。

 むしろ笑っていたくらいだ。

 嫌な感じする男だった。


「騎士団をこの手に戻します」

「ミュートエアーの気持ちはわかる。この領主は最低な領主。町の人は不幸ですわ。トレイルと出会い、パーティーに所属したのは金ではなくてよ。エルフの心をバカにする発言だ」

「エルフの生意気な女も悪くないかもな。館に入れて私の命令に従わせる奴隷もな、あはははは」

「なんて無礼な奴だ。神聖なエルフを奴隷にしたいとは、許せません」


 パピアナは俺への想いを言ってくれて嬉しくなった。

 余計に領主に対して怒りがわいてきた。

 パピアナを侮辱したからだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ