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『ヒール49』

『ヒール49』




「次の試合はエルフ族のパピアナ対レッドペルーシュ。前にお出でください」

「トリプルシックスは油断しただけ。本来なら圧倒的に勝っていた。最初から本気で行くが」

「望むところです。私も本気ですから」


 2人が正面に立ち、戦いの挨拶をした。

 相手はレッドペルーシュで女冒険者だ。


「相手は女のメンバーですが、トリプルシックスと同じくらい強い相手と思います」

「俺も強いと思う」


 どんな相手なのかもまだわからないが、初手である程度はわかる。


「先制攻撃で終わる。ファイア!」

「火魔法か!」


 レッドペルーシュは先制攻撃魔法を詠唱し、ファイアだった。

 ファイアは火魔法の中でも有名な魔法。

 レベルがあり!レベル1は比較手に簡単に覚えられる。

 レベルが上がると習得が難しいから、使い手はガクッと減る。

 パピアナにファイアが迫った。


「ファイアを打ち消す。魔法ならエルフは負けない。ホーリーサークル!」

「さすがにエルフだな。魔法使うか」


 ファイアに対してホーリーサークルで対抗した。

 魔法と魔法が激突して小爆発が起きる。


「ふふ、さすがにエルフってとこか」

「Cランクの魔法て私と同じくらいかしら?」


 結果は両者の魔法が同じ強さだった。

 お互いに打ち消しあい魔法は消えた。


「パピアナと強さは同じくらだわね」

「果たしてどうかな……」

「どういう意味トレイル?」

「まだレッドペルーシュが本気なのかわからないからな」


 そこが気になる点だった。


「もう一度ファイア!」

「無駄よ、ホーリーサークル!」


 先程と同じ展開に。

 お互いに魔法を放った。

 だけど勢いに差がある気がする!


「ええっ! さっきと魔力が違う!」

「当たり前だ。最初のファイアはレベル3に押さえて放った。今のはレベル5。ファイアレベル最強だ!」

「うわわわわ!」


 最強レベルのファイアを受けたパピアナは吹き飛ばされてしまった。

 ホーリーサークルでは最強レベルのファイアには勝てなかったのだ。

 やはりまだ奥の手があったか。


「パピアナ!」


 ローズが叫んだときには路地裏の壁に激突していた。

 大丈夫か。


「痛、痛、痛い……。最強レベルファイアとはやってくれるわ。ちょっとびっくりした。これがミヤマが言っていたCランクの強さてことね」

「立てるか。思ったよりは戦える相手だ。でも私の相手じゃない。これでは領主の雇う冒険者には勝てませんね」

「まだよ、勝負は終わっていない。私は魔法じゃ負けないんだから……」

「まだやる気? ねぇ、ミュートエアー。試合は終わりでしょ?」


 審判であるミュートエアーに判断をゆだねると、


「パピアナはまだやりたい気持ちがある。もう少しだけ見たい」

「同じなのに。まぁいいか、痛い目に合うのはエルフだから」

「……まだやれる!」

「わかりました。それが望みなら、ファイア!」

「来るよファイアが!」

「うわわわ!」

「パピアナ!」

「トレイル、このままだとパピアナが大変なことに!」

「……」


 再びファイアを受けて別の壁に激突する。

 路地裏はファイア魔法によって焼かれる。


「ファイア、ファイア、ファイア!」

「熱い!!!!」


 ファイア最強レベル5が路地裏を燃やしつくす。

 パピアナは防御しているが耐えられるのは時間の問題だな。


「ミュートエアーはそろそろ止めに入るな」

「もう限界ですよ!」

「これで終わりだエルフ、ファイア!」

「終わりですって、バカっじゃないの。まだ私の魔法は終わっていない。ホーリーサークル!」


 ホーリーサークルを放ったものの、放った方向はレッドペルーシュとは大きくズレている。


「これでは当たらない、どこに放ったのパピアナ!」

「ダメだ、方向違いです!」


 ローズとミヤマもガッカリしていた。


「あははは、勝てないから適当に放ったのか!」

「いや、違う……あれを見てみな!」


 俺がホーリーサークルの行方を指摘すると、


「ああっ、壁に反射してレッドペルーシュの方向へ!」


 ローズは壁に反射したのを驚く。


「なに! バカな! 反射して私の方に。うわわわ!」


 反射してきたホーリーサークルを防御もせずに受けたレッドペルーシュ。


「レッドペルーシュがダメージを受けました!」

「パピアナ、ナイス!」

「当たり前でしょ、私はエルフよ!」


 初めてダメージを与えて自慢した。

 どうして反射したのかな?

 俺にはわからないけど。


「ううう、どうして?」

「ファイアよ、ファイアを壁に何発も当たらせていたの。壁はレンガ作り。ファイアで熱せられて、より硬く強くなっていたの。そこにホーリーサークルを放てば、鏡のように反射すると計算して打った。ぴったりあなたに当たったってわけよ」

「そこまで計算していたとは。あなたを子供扱いしていたわ……」

「はい、試合は終わり! 2人とも終わりにして」

「引き分けって感じ、よく戦ったぞパピアナ!」


 ミュートエアー審判が停止させたところでローズは喜ぶ。


「バカっじゃない、負けると思ったの!」

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