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『ヒール46』

『ヒール46』



 領主について?

 すとすとと歩いて来て話しかけてきた女性。

 防具を身に着けているので冒険者と思われる。


「領主と関係してまして、大変に困っているところなの。私が猫人なので、私を館で生活させると言い出したのです。取り締まる騎士団とも仲が良くて、騎士団の兵士に連れていかれそうになった。このままだと私は不安」

「領主の件はわかりました。実は私は騎士団の所属する騎士ミュートエアーと言います。これが騎士団の紋章です」

「あっ、騎士団の紋章!」


 ミュートエアーと名のった。

 普通なら騎士団は紋章をつけているが、現在は隠していた。

 なぜ隠していたのかわからないが。


「どうして騎士団てのを隠していたのかな。俺は冒険者をしているトレイル。彼女達はみんな同じパーティーだ」

「はい、騎士団にいながらも騎士団に不信感を感じています」

「不信感……」

「不信感は領主との関係です。領主と騎士団の一部の幹部の間には、以前から繋がりがあり、領主領主に有利に、働いているとありました。私も騎士団の一員として幹部を疑いました。幹部の名はフォルコメン。フォルコメンは領主に近寄り、領主が有利になるように騎士団を操作したと考えられています。おそらくは見返りとして金を得ているとも考えてます」

「それではミュートエアー、あなたは騎士団幹部のフォルコメンを疑いつつあるのですか。それなら私達と同じ立場です。一緒に領主の権力に対抗できるわ」


 ミュートエアーは騎士団の中でも領主に反対する立場と自ら話してくれる。


「騎士団の内部にはフォルコメン側の人と、それに反対する人がいる」

「対立しているんだな」

「はい、冒険者ギルドなら冒険者が多くいるでしょ、そしたら領主に反対する冒険者がいるかなて思ってたの。でも領主に反抗したい人はあまりいない。なぜなら反抗しても特するわけじゃないからかな。キミたちが受付嬢と話しているのが聞こえて、領主に反抗できると思ってたの」


 受付嬢どの会話を聞いていたらしい。

 同じ考えなら一緒に行動するのがいい。


「ミュートエアー、俺と行動しよう。騎士団が全員が領主側でないとわかって良かった。まだ可能性があるからだ。領主を追い詰めて、反省させたい、そして騎士団との不正を無くす」

「猫人も開放される!」


 ローズは何より猫人のことが気がかりなのだろう。


「しかしどうやって領主を叩くかでしょ、トレイル。領主は騎士団を護衛につけているから、簡単には近づけないし、逆に負けることもあり得る」

「それはどういうこと?」

「高ランクな冒険者を護衛にしている。私が1人では倒せない」


 領主は冒険者も味方にしているのか。


「金で雇ったのかもね。冒険者は金で動く。エルフは金では動くことはない」

「そうなの、パピアナが1番最初に金で動きそう」

「ローズ、私をバカにしてはいけません。エルフは神聖な種族なのです。金で動くことはない」

「じゃあトレイルが金でキスしたいと言ったら、それは断るてことね」

「当たり前でしょ、神聖な種族なんだから……でもトレイルなら特別に……」


 何を言っているのか。

 話が変わっているような。


「パピアナ、何を言ってる。俺はそんなこと言わないぞ」

「はい、ごめんなさい。でもローズが悪い。エルフをからかいました」

「神聖と言うりよも、素直じゃない種族だエルフは」

「猫人に言われたくない」

「すみません、話が変な方向に言ってます。要は領主の権力横暴を阻止したいことでは一致している。こういうことですかねトレイル」

「一致した。ミュートエアー、今から一緒に領主を叩こう、このハンマーで!」


 ミヤマがハンマーを持ち上げると、周りの冒険者は何事かと注目する。


「おい、ミヤマ、ここはギルド内だ。武器を振り回すのはよしなさい」

「つい、興奮してしまった」

「みんな冒険者がミヤマを見ています。凄い注目度」

「私を見ていますか、それは私の体を見たいと同じ意味だろう。そこまで見たい体なのは仕方ない。ドワーフで鍛えられた体だからだ」

「体じゃない、ハンマーを見ています」

「ハンマーを持った女が珍しいのだと思う。ミヤマの魅力とは違う」

「とにかく、領主から襲われる前にこちらから襲いたい。領主の館がどこにあるのかと重要です。町の人に聞けばわかるでしょう」

「知っています」

「ミュートエアー教えて」

「町の中央から郊外のところに大きな館がそびえ立つ。町でも有数の大きさを誇る館に領主は住んでいます。ローズの言う猫人もみんなそこに住まわされている」

「猫人を必ず救いたい!」

「ローズのためにも頑張ろ」

「お待ちくださいトレイル」


 ローズのためにもと頑張ろと言った時に、ミュートエアーが止めてきた。

 せっかく勢い良かったのに。


「まだ行けない理由があるとか?」

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