『43』
『43』
ギルドでは俺たちの評判がまた上がったらしい。
どこかでサリオスが噂を聞いているのは承知している。
「サリオスの話だったから、文句を言ってやったの。気持ちいい」
「おいおい、あまり言うとサリオスの耳に入る」
「その時は直接文句を言ったらいい。猫扱いしてくるジェンティルにも言ってやるわ」
ローズはジェンティルにも根に持っているらしく、爪を研いでいるのは怖い。
「おい、そこの猫人。こちらを向け」
俺達は町を歩いていた時に知らない人に声をかけられた。
猫人てローズのことか?
「私のことかしら……」
ローズは振り向いて答える。
「お前だ。お前に言った猫人」
「どなたですか、それにお前て何?」
ローズに失礼な勢いで言ってるのは変だな。
偉そうな言い方は気になるし、見た目は60近い年輩の男だ。
「そうよ、ローズに失礼だ。あなたこそ誰なのか言いなさい!」
「黙れ、エルフ。このお方が誰なのか知って言ったのか!」
偉そうな男の周囲にいる男が割ってパピアナに怒鳴りつける。
「知らないから言った。そちらから名のりなさい!」
負けじと言い返したが当然だ。
俺でも言い返しただろう。
「無礼者、私は商人のハルキストン。このお方は町の領主であるライゴッド様。領主様に謝れエルフ娘」
「領主……」
怒鳴ったのはハルキストンと言う商人だった。
商人らしい服装をしている。
いかにも金持ちそうな派手。
領主の言葉にパピアナは今度は言い返さずに黙った。
領主てことは町で1番偉い人。
パピアナは理解している。
「領主がなぜここに……そして私を……」
領主のことはローズは知らない人らしい。
しかしなぜローズに声をかけたのかだ。
「ふふふ……いい猫人だ。まだ若いし、館に置くのに申し分ない」
「館に置く?」
「そうだ、ローズとか言ったな。ローズは今日から私の館に住みなさい。私は猫人を飼うのが趣味だ。もちろん食事とベッドはある」
なんとライゴッド領主はローズを一緒に住まわせる気だ。
「はあっ! 私をあなたの館に住まわせるって!」
「そうだ」
ライゴッドははっきりと言ったが、はっきりと言うことか。
「俺はトレイルと言います。ローズは竜の守りパーティーの仲間です。いくら領主といえ無理な話です」
俺はさすがに受け入れられないので、領主に返事した。
「トレイル、ライゴッド様が住まわせると言ったのだ、断るのはは失礼だし、一緒に住むのはむしろ猫人には光栄だと思え!」
領主の護衛なのか俺にも攻撃的に来るのは嫌味に感じる。
「おい、騎士団よ、猫人を捕らえろ!」
「はいっ!」
「騎士団? なぜ騎士団が!」
「トレイル、どうするの、兵士が出てきて、戦う気だ」
「ローズは渡せないよな。戦うしかない」
「そう答えると信じた。ハンマーで騎士団を叩いてやろう。トロールハンマー!」
騎士団兵士が10人は集まり、ミヤマと対面し、ハンマーと剣で応戦が始まる。
「このドワーフはハンマーを使うぞ!」
トロールハンマーが兵士の盾を砕く。
「こっちもいるわよ、ホーリーサークル!」
パピアナも魔法を繰り出して騎士団を迎え撃つ。
「ぬぬ、エルフは魔法を!」
「エルフを舐めたら痛い目にあうのよ」
「騎士団と戦うのが何を意味するかわかっているのか。領主様に反抗したことになるのだぞ!」
「反抗だとしてもローズは守る!」
俺は剣で兵士を切る。
切るとはいえ、魔物ではないから、致命傷にはならない程度の傷を負わせる。
二人目を切る。
三人目の剣を受けて、返し切り。
四人目は盾の間から切る。
五人目は剣を跳ね返して切る。
「何! 兵士を軽々と切るとは!」
「こいつら強い。そこらの低ランクパーティーではありません!」
「トレイル、ありがとう守ってくれて」
「ローズを守るのは当然さ。俺が守る」
「嬉しい」
ローズを俺の背中に隠して守ると、ローズが不安を少し和らいだみたいだ。
「ハルキストン、兵士を引け。こいつらはやり手の冒険者だった。しかし猫人はあきらめない……」
「はい、ライゴッド様」
商人が命令して兵士が引いて、領主ライゴッドと商人ハルキストンは去った。
ローズはあきらめないと言い残したのは気になるが。
「ローズ、もう大丈夫。領主は去った」
「ありがとうみんな!」
「あの領主はどうやら猫人が好きな趣味があるようよ。ローズを家に住まわせると言ったし、他にも猫人を住まわせたいるとも。私の体も狙われる可能性もある。きっと狙うに決まっている」
「大丈夫だミヤマ。キミの体は狙っていないと思う」
「なぜ言い切れる。領主の館に私を連れていき体を奪う気だ。なんてエロい領主だ。エロ領主」
「エロいのはミヤマだよ」
ミヤマも心配しだしたが、多分大丈夫だろう
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