『39』
『39』
サリオスらと会ってしまい聖なる鏡は取られてしまったのは残念。
せっかく集めたアイテムなのだし、みんなにも悪いよな。
宿屋に帰り、部屋に。
俺が残念がっていたのを察したのか、パピアナが俺のところへ。
「トレイル……気にすることないよ。悪いのはサリオスだ。トレイルは悪くない、あんな風に鏡は取られてもいいし、取りかえぜばいい」
「取り返すとか無理だって。気持ちだけで嬉しい。ただし、まだこの町にいたみたいだな。サリオスが早くこの町からいなくなればいいのにな」
これは俺の本心。
「うん、私達がこの町から出ても追いかけてくるかもよ。聖なる鏡だってすぐに情報を得たのだし。うるさいハエみたいなものだと思うしかない。本当にうるさいハエよ」
「パピアナはサリオスをハエと思っていたの?」
「そうよ、うるさいし、しつこいし、男らしくない。何が勇者よ、勇者ってのはもっと偉大な人物に与える名前。トレイルに言うのを聞いていたら、とても勇者とは思えない。過去の偉大な勇者が見たら情けなくなるでしょう。エルフをバカにする資格がないのよ」
「勇者って感じしないのは納得する。猫人から見ても最低な勇者だ」
ローズもパピアナと同じくサリオスを嫌っている。
「あれがサリオス、ジェンティル、ムジカか。名前は誰でも知っている超有名人。最強パーティー森の王。初めて見たものの、小物感ある。勇者の風格なんてないな。むしろトレイルの方が勇者にふさわしいくらいだ。それとアイテムならこのミヤマに任せな。またダンジョンで採掘してアイテムを発見してやるんだから」
「ミヤマがいると助かるな」
そう簡単には発見されないとは思うが、気持ちはありがたい。
ミヤマにも救われている俺。
サリオス達といた時にない優しさだ。
アイテムを取られたのに、誰も怒らないのだから。
「みんな怒っていないんだな。ありがとう。サリオスのパーティーにいた時には絶対になかった優しさだよ」
「竜の守りパーティーは森の王とは違うところがあるのよ。誰かを犠牲にしたり、追放はしない。そうでしょ?」
「そうよ、それが竜の守り!」
「みんなが好きと言いたい」
「好きですって、私の体を見て言いました。サリオスをきっかけにして私の体を奪うつもりだ」
「俺はそんな変な事は言ってない。ミヤマの思い違いだ」
「そうかしら」
「ミヤマの体ならいい」
「パピアナこそトレイルが好きなのでしょ。知ってるわよ」
ミヤマが急にパピアナに振ったが、とんでもない発言だった。
「好きなわけないもん」
「嘘よ、パピアナは好きよ。なんとなくわかる」
「今日もマジックメイジに魔法攻撃されてトレイルに回復された。その時にトレイルに抱きかかえられていた」
「ローズまで言う!」
「そうなの?」
「確かに抱きかかえられたけど、ヒールするために仕方なかったと思う」
「普通に近寄ってヒールしたらいい」
「トレイルのことは好きじゃない…………でもトレイルに抱きかかえられた時は嬉しかったけど…………」
なんだか話が良くわからない方向に行っているような。
「パピアナは素直にトレイルが好きと言えないのよ」
「俺はパピアナを回復させたかっただけだが。特別に好きとか嫌いとかないさ。パピアナは俺にとって大切な仲間だからな」
これは本当だ。
「あっ、パピアナったら顔が赤くなっている」
そう言われると、ほんのり赤くなっているな。
俺の方を見て、照れくさそうにしている。
「そ、そ、そんなんじゃないもん!」
「もっと赤くなってる!」
みんなに救われた気分になった俺はベッドで横になる。
あらためて竜の守りパーティーを設立して良かったなと感じた。
ベッドにいる間は、ローズ達は着替えているようだ。
風呂か。
「風呂に入るのか?」
「そうします。サリオスのことは忘れてお風呂にしましょう。もう入れますよ」
「トレイル、先に入るけど?」
「どうぞ、お入りください」
パピアナがお風呂場に行きながら言ってくるので、返事をした。
「ミヤマもおいで、一緒に入ろ!」
「お風呂か、まさか猫人とエルフと一緒に風呂に入る日が来るとは思わなかった」
「風呂にエルフもドワーフもないのよ、入ってしまえば同じ!」
「そうだね」
ミヤマも一緒にお風呂場に行った。
俺はそのままベッドでサリオスのことを考える。
またサリオスに会ったのは偶然なのと。
早く別の町や国に行ってくれないかな。
会いたくないし、冒険の邪魔だからだ。
俺はローズ、パピアナ、ミヤマと冒険をしていきたいと思ったいるから、サリオスに関わられると邪魔でしかないのだ。
俺のことを殺しかけておいて、今さら戻ってこいとか、俺をバカにするのもいい加減にして欲しい。
今日会ってわかったのは、森の王を辞めて良かったこと。
竜の守りパーティーは森の王とは違う。
今の方が俺を受け入れてくれてる。
森の王は雑用でしかなかったとあらためて痛感した日だった。
しばらくしてお風呂からローズ達は上がってきた。
湯上がりでほてっている。
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