表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/69

4

『4』



 サリオスに苛立っても仕方ないから、俺は今よりも強くなるよう頑張っていきたい。


「あははは、いい猫人族を捕えたぜ」

「ひえ〜可愛い猫人だ!」


 掲示板とは逆の方だった。

 猫人がどうたらと。

 振り返り見ると猫人族の女の子が床にグッタリしていた。


「うう……」


 どうしたのか。

 ひどい怪我をしている。

 早く回復してあげないと、命に関わるよな。

 助けてあげたいが、相手は何人もいる冒険者パーティーらしい。

 一人で文句を言っても、勝ち目はないと思える。

 スルーするのが得策だが、俺は我慢ならずに声をかける。


「あの、この猫人は怪我をしています。助けないと?」

「誰だお前は。この女は俺様が見つけた女だ。商人の乗っている馬車にいたんだよ。怪我は初めからだったがな」


 商人の馬車に?

 意味がまだわからないな。


「なぜ商人の馬車にいたのに、あなたが連れているのかな?」

「まだわからないか。俺は商人の馬車からこの女を助けてきたのさ。そして奴隷商人に売り飛ばす予定だ。それに文句があるのかよ」


 奴隷商人に!

 ひどいことをする。

 助けたい気持ちがある一方、怒り気味で怖くなっていた。


「文句はないけど……」

「お前には関係ねえ」

「バーニング、いい金になるぜ!」

「あはははは」


 俺と会話した男はバーニングと言うらしい。

 仲間も武器を持つので、冒険者パーティーのようだ。

 

「うう……」

「ほら立て!」

「うう……」


 猫人の子を無理矢理、歩かせようとしていたけど、怪我のため立ち上がるのも困難だった。

 なぜ誰も止めないのか。

 相手がパーティーだから、トラブルなりたくない空気だ。

 黙って見過ごすことも出来るのもあるが、俺はバーニングを止める。


「待ってくれバーニング。この猫人の子を俺に預からしてくれないか」

「なんだと、この女は金になるんだ。お前に渡して金になるのかよ!」

「いくらですか?」


 いきなり金の話になった。 金は少ししかないのに困った。


「100万バルだ、出せるか!」

「100万!」


 100万バルは高額である。

 俺の手持ちの金は5万バルで、なんとか生活していけそうだったからだ。

 予想以上の額に俺は黙ってしまった。


「うう……」

「無理だよな?」


 無理だよなと言われてこの女の子を見たら、やはり見逃すのは無理だった。


「わかった。100万を出す」


 つい、言ってしまう。


「じゃあ出せよ」

「今はないんだ」

「ないだと! こいつはバーニングを騙すつもりだぜ」


 仲間の男が強い口調で言ってきた。


「必ず払うから、後で……」


 後日に何とか支払いを伸ばせないかな?


「本当だな。そしたらギルドで調書を作ってもらおう」


 冒険者ギルドでは、お金の貸し借りの仲介もしていた。

 ギルドが直接に間に入り、書類を作成して、貸し借りを認めるものだ。

 その方が後で、トラブルにならない方法だった。

 俺は金の貸し借りは興味ない堅実だったから、まさかギルドのお世話になるとは思いもしなかった。

 バーニングと俺はギルドの受付嬢と話しあった。





評価応援してくれて、ありがとうございます。

ランキングに入れるように頑張ります。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ