『38』
『38』
「アリストテレスの鍛冶店に着いた。おじさん!」
「おお、ミヤマか。ダンジョンの方はどうなった?」
店にはアリストテレスが居てミヤマと挨拶をする。
「ダンジョンには魔物マジックメイジがいて、トレイルが倒したの。マジックメイジが冒険者に魔鉱石を採掘させていた。マジックメイジは死んだし、魔鉱石は再び採掘可能となった。おじさんの店に魔鉱石は来るようになる」
「助かる。ありがとう、ミヤマ。それにトレイル。魔鉱石さえ手に入るなら鍛冶を行える。武器や防具も作れるわけだ」
魔鉱石が入手可能となると嬉しそうに話すアリストテレス。
これでローズと俺の武器も作ってもらえそうだな。
「その時は武器をお願いします!」
「ローズだったな、わかってるよ」
しっかりと武器の約束をするローズ。
「しかしミヤマもいいパーティーに入ったな。マジックメイジを倒せるパーティーなら期待されるぞ」
「うん、みんないい仲間だし、今後もやっていけそう」
「それじゃ武器は魔鉱石が手に入りしだいだな。少ししたら来てくれ」
「わかりました。近いうちに来ます」
アリストテレスと武器の約束をしてお店から去った。
武器を購入もするし、アリストテレスの悩みも解決できて良かった。
ミヤマが仲間になり、にぎやかになった気もする。
「良かったなミヤマ。アリストテレスが魔鉱石を入手出来て」
「魔鉱石はドワーフにとってとても重要なもの。生活に関わるんで、他のドワーフも喜んでいると思う」
「アリストテレスの腕はどうなの?」
「腕は間違いない、良い武器を作るのは私が保証する」
「楽しみにしてる」
少し時間はかかるみたいで楽しみなしておこう。
報酬も入ったことだし、良い気分だった時に、嫌な予感がした。
向こうから来る人。
とても嫌な予感しかしなくて、立ち止まる。
「どうしたのトレイル?」
「あれ、見て……」
「……もしかして……トレイルの天敵?」
「たぶんな」
「よおっ、トレイル、元気らしいな。探したぜ」
現れたのはサリオス達だった。
サリオスがなぜか俺を探していると聞こえた。
「なぜ俺を探している。俺はサリオスには用事はないが」
「それは嘘だな。オレニ隠し事をしているだろう」
「何のことかな」
サリオスが言ってくるのに少し考えるけど、なんだろうか。
「私の耳を誤魔化そうとしたもだめよトレイル。出しなさい私に痛い目に会う前に」
ジェンティルが疑ってくるもわからない。
「また来たな、悪女魔道士。トレイルに近づくな」
「悪女魔道士! 少し口の仕方がわかってませんわねエルフ族。トレイルに教育してもらわないといけない」
「教育とか必要ない。トレイルとは上手くいってるもん。あなたの森の王みたいに最低なパーティーと一緒にしないでください!」
パピアナはジェンティルに言い返した。
凄いな、俺でもあそこまで言い返したことないな。
「とにかく持っている鏡があるだろう。それを出せ」
「鏡か……聖なる鏡のことか。どうして俺が持っていると知った?」
サリオスの狙いは鏡だった。
どこかで聞いたのか?
「俺の情報網を侮るな。当然に聞いている。聖なる鏡がダンジョンで発見されたとな。聖なる鏡は俺が探していたアイテムの一つだ。魔王に対して強力な効果を発揮するとされるアイテムだ。出せ」
「断る。これは俺が手にしたアイテム。なぜ差し出す必要がある」
丁寧に断っておく。
サリオスが怒るのはわかっているが、我慢できずに言ってしまった。
少し不安になる。
「断るなら力づくでいただくことになるわよ。いいのかしらトレイル、それとも私の魔法を受けたいのかしら?」
「トレイル、渡さなくていいのよ。私たちは1歩も引かなくてよ!」
「猫人をなめたらどうなるか、今度こそ!」
「あははは、この前はムジカが失態をした。トレイルの魔法に。しかし次はない。本気で全員を殺すぞ!」
「うっ……」
サリオスの本気に満ちた迫力に押された俺は下がる。
ローズとパピアナも身を引いているのはわかる。
やはり恐怖したのかもな。
これが勇者の力だろう。
他にいる冒険者とは格が違う。
みんなのことを考えると渡すのは仕方ないとする。
アイテムボックスから取り出して、
「わかった。聖なる鏡だ……。みんなには絶対に手を出すな」
「約束しよう。鏡は俺が受け取ったぞ」
「また森の王に入りたいなら、いつでも来なさい。強くなったのだから入れて上げます」
「うるさい女ね。トレイルは入りませんよ!」
「帰れ!」
「ドワーフまで居るのか。パーティーを増やしたのか」
「ダンジョンだ会ったら覚悟しておきな、ミヤマは許しませんことよ!」
ミヤマが言い返したところでサリオス、ジェンティル、ムジカの三人は去って行った。
まるでミヤマを相手にしていないという感じだった。
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