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『36』

『36』



「お前を殺すのは惜しい。お前から魔力を吸い取りたい。お前の魔力が欲しいぞ!」

「来るなっ! 俺に近寄るな!」


 気持ち悪い。

 魔物に欲しいと言われて気持ちいいことは絶対にない。


「トレイル、逃げて!」

「トレイル。逃げないと捕まるわよ!」

「わかってる、逃げるさ」

「逃がすか。欲しい、欲しい、欲しい」


 めっちゃ接近してくるマジックメイジ。

 こんなに接近してくる魔物は初めてである。

  

「お前の魔力が欲しい。殺すのは惜しい。魔力を吸い取りたい、吸わせろ、こっちに来い!」

「来るなっ、来るな!」


 魔物にこっちに来いと言われて、気持ちいいわけないし、気持ち悪い。

 でも本気なのが伝わり、俺は避難する。


「トレイル、早く逃げなさい。危ないわよ!」

「そうよ、捕まったら終わりだわ!」

「気持ち悪いこというなって!」


 パピアナからも注意されるけど、マジックメイジもスピードがあり追いつかれそうだ。

 

「欲しい、欲しい、欲しいぞ」

「近寄るなっ! 俺に近寄ってもいいことないぞ!」

「欲しい、その魔力が欲しい。素晴らしい魔力を持っているぞ、ほらっ、捕まえたぞ!」

「しまった!」


 上手く逃げていたのに、マジックメイジのスピードが俺のスピードより上だった。

 マジックメイジが両手を出したら、俺の肩を掴んで、笑っている。

 魔力を吸い取る気だ。

 どうやって吸い取るかはわからないが、掴んだのだから接触した状態で吸い取るのと思う。


「もうだめだ、トレイル!」

「トレイル、離れて!」

「無理だ!」

「ガハハ、もう遅い。捕まえた。さぁ〜ゆっくりと魔力をいただこう。マジックドレイン!」

「よせ!」


 魔力を取りに来たから防ごうと抵抗するも抵抗出来ずにいる。

 魔力を奪われるとどうなるかは俺にも不明だけど、良いことではないのは確かだろう。


「…………」


 マジックメイジは俺の魔力を吸い取り、きっと気持ち良くなっていると思われる。


「なんだ……この魔力は……」

「どうした、何があったんだ。言ってみな」


 俺の予想と反してマジックメイジの様子は変だった。

 何か問題でも起きたらしい。


「お前の魔力。そして魔力の源は……凄まじい魔力だ。なんだこれは経験したことのない魔力が。あああああっ、く、く、苦しい、お前の魔力は普通じゃない。普通の人の持つ魔力じゃないぞ!」

「何を言ってるかわからないが……」


 勝手に俺の魔力を吸い取り苦しみだしたけど、大丈夫か。

 両手を離して、その場で倒れそうだ。

 俺の魔力に原因があるようだが。


「ああああっ、苦しい。苦しい。まさか、この魔力は魔族の魔力か。それも超破格の魔力だ! なぜお前の体にこれ程の強い魔力があるのだ!」

「俺の中にある魔力とは?」


 体の中にある魔力と言った。

 それが関係しているというのか。


「もしかして、トレイルの中に魔王竜の魔力があるのかも。トレイルが気づいていないだけで。それを吸い取ったからおかしくなったんだわ」

「魔王竜……ゲオルギウスのことか。あり得るかもな」


 ローズが予想して言ったが、俺もそこで気づく。

 ゲオルギウスのことなら話が通じてくるもんな。



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