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『13』

『13』



 拘束が解かれた時には、ローズもバーニングも居なかった。

 バーニングの仲間に文句を言う。


「ローズはどこに?」


「知っても意味ないぜ」


「教えろ。100万を直接渡すから」


「バーニングに渡したいなら、町の外れにある洞窟に来い。俺達の拠点だ。ちゃんと100万用意して来い」


 仲間からバーニングの居場所は聞いた。

 そこを拠点として活動しているらしい。

 しかし俺一人で乗り込むのは愚策か。

 バーニングの風の陣パーティーの人数はやたらと多い。

 それにローズを人質とされてるわけで、強引に連れ戻すのは難しい。

 何するかわからないのは厄介だな。

 ただし受付嬢が見ていたわけで、不正取引と言うだろう。


「受付嬢、今のを見ていたろ、契約違反じゃないか。ギルドからもバーニングに言ってくれよ!」


 不満をギルドに言った。

 そもそもギルドが見ていたのに、何も注意しないて変だよな。


「我々ギルドはあくまでも契約の仲介です。それ以上の話は両者で話あって解決をすることになってます」


「えっ、ギルドは何も言わないのかよ。ひどいよな」


 どうやらこれ以上はギルドに言っても無駄のよう。

 自己責任でってキツイな。

 とはいえ、急いでクエストをしてお金を貯めるのは間に合わない。

 なにせ期限は明日だし。

 そうすると俺には打つ手がないか。

 どうするかな……。


「気の毒だなトレイル」


「あなたは、確か俺がヒールした冒険者の……」


「そう、あの時は助かったよ。ヒールしてもらい助かった。だから今回はトレイルに力を貸したい。俺達も協力するぜ」


 ちょっと前にギルドのベッドで俺がヒールしてあげた冒険者達だった。

 バーニングの態度に、俺に協力をしてくれると言ってくれる。


「ありがとう!」


 喜んで俺は答えた。


「今からバーニングに奇襲しよう」


「俺もそれは考えたのですが、ローズが心配です。万が一のこともあります」


「そしたら、他にやり方があるかい」


 そうだな、この冒険者の力を利用してみたいかな。

 俺には、ある考えが浮かんだ。


「俺の考えなんですが、あなた達には、ある事をして欲しいのですが、お願いしたい」


「なんでも言ってくれ」


「魔物を集めたい。バーニングの拠点に魔物を送りたいのです」


「魔物を? わかった、俺達が拠点近くにいる魔物に遭遇して、それを拠点の方に集めてみよう。バーニングに魔物を戦わせるわけだな」


「そうです。バーニングに罰を与えます!」


「わかった、やってみるぜ!」


 冒険者の方たちは、俺の考えを批判せずに、協力を約束してくれる。

 憎きバーニングに魔物を送り込む作戦を俺は実行する。

 もちろん俺も魔物の匂いスキルを実行する。

 魔物がより多く集まるスキルだから、効率よく集まるはずだ。








 それからバーニングの拠点近くに俺と冒険者達と魔物を集めた。

 魔物と遭遇してから戦わずに、拠点の方に向かわせる。


「トレイル、アイテムで魔物を引き寄せた。これ以上の魔物は危険だ。俺達の命も危ねえし」


「そうですね、バーニングの拠点があそこの洞窟。洞窟に向かわせます。協力ありがとう、ここからは俺がやります」


 アイテムでここまでは引き寄せてくれて、感謝する。

 冒険者の方の力はここまでだ。

 後は、俺の出番だろう。


「見ろ、大変な数の魔物だ!」


「直ぐにバーニングに知らせろ!」


 すると魔物の大群に気づいた風の陣パーティーは慌てだした。

 俺が洞窟に入っていく。

 魔物も一緒に来た。

 魔物はスライム、スパイダー、ホーリー、ウッドドレイク、イエローアントなど付近によく居る魔物が中心だ。

 だがこれだけ集まればバーニングも驚くだろうな。


「なんだこの魔物は、ホーリーもいるぞ。直ぐに全員で洞窟から追い出せ!」


「はい、追い出します!」


 バーニングが出てきて仲間に命令をする。

 仲間とともにバーニングも魔物と戦うしかない。

 俺は洞窟に隠れて見ていた。

 魔物は風の陣よりも数では多いなしても、戦いの強さはバーニングが勝っていた。

 質では風の陣が上だった。

 魔物は数で攻撃をしていき、ダメージを負っていった。


「しょせんは、低ランク魔物だ。慌てずに倒せる!」


「おおおお!」


 魔物は体力を減らせれ、倒れていく。

 ここで俺の出番だ。

 倒れていく魔物にヒールをする。


「魔王竜ヒール!」


 スライムやホーリーにヒールをした。

 使える!

 大丈夫だ、俺の作戦でいけそうだ。

 魔王竜ヒールは魔物にも使える。

 すると魔物達は洞窟に倒れていたのに、起き上がった。

 ヒールで体力は完全復活したからだ。

 急に復活したホーリーやウッドドレイクにバーニングは慌てているようだな。


「なんだ、倒したはずのスライム達が回復しているぞ!」


「一匹だけじゃないですバーニング、全匹が回復してますぞ!」


「とにかく倒せ!」


 俺がヒールをしているのはまだわかっていない様子。

 当然か。

 隠れてヒールをしたからな。

 俺に酷い事をしたお返しだ。



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― 新着の感想 ―
[一言] 魔物を使っての奇襲か。更に魔物は回復されるから、ゾンビ戦法が通じる。 疲労は溜まり、いつかは決壊する。 大多数には、更に多い大多数を、回復させて戦う。
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