『9-1』
『9-1』
「それはパーティーのメンバーにヒール魔法の使い手がいないからさ。攻撃するアタッカーしかいないパーティー構成なんだ。怪我した時は回復薬しかない。けど今は回復薬が手元になくて痛いのを我慢しているのさ」
痛いのを我慢しているのが十分に伝わる程に痛そうだった。
パーティー構成はみんな同じ構成ではないと聞く。
「パーティーにもよるのね」
「教えてやろう。パーティーにはアタッカー中心の攻撃パーティーがある。魔物に対して攻撃力は発揮されるが、後方支援が足りない弱点になる。アタッカーが少ない補助魔法タイプばかりだと、攻撃には物足りなくなる。バランスの取れたアタッカーと魔法戦士や賢者、回復魔法士となるのが良いパーティーと言われる。俺たちのパーティーはアタッカーチームだから、こうなる事もよくあるのさ」
パーティーによって個性がある。
それを聞くと森の王は勇者のサリオスはアタッカーでもあり、魔法も最上位魔法も使えた。大魔道士ジェンティルは、攻撃魔法、防御魔法を最強ノ使い手とまで言われていたし、ムジカは防御力は世界有数を誇り、尚かつ攻撃も凄まじい。どこにもすきがなかった。
俺は単なる荷物持ちやヒールをしたり、水を運ぶ、食事を作る、宿泊の準備、ゴミ棄て、いわゆる雑用係をこなしていた。
ヒールなどはオマケに近かった。
入ったパーティーによって冒険者て変わるものかもしれないな。
「彼はトレイル。ヒールが使えますよ」
「ヒーラーなのか君は?」
「はい、ヒールしますよ」
「いや、待ってくれ。ヒールしなくていい」
別に俺の方は何も困らないのに、冒険者は断ってくる。
なぜかな?
「なぜなの?」
「ヒールされるとお金を取るだろう。俺達は今はお金に困っているんだ。嬉しいけどヒールは断る」
どうやらお金の面が断る理由らしい。
それなら全く問題ない。
俺は初めからお金を取るつもりはなかったし。
「問題ないです。お金は要りませんから」
「ええっ! 無料で他人にヒールするのかい。ありがとう。信じられないけど」
冒険者は信じられない顔をして俺を見ているところをヒールする。
「魔王竜ヒール!」
「おおっ、元気になっていく!」
「もう大丈夫ですよ」
痛々しい声をしていたのが、はきはきした声になった。
「ありがとう、お名前は?」
「トレイル」
「竜の守りパーティーのトレイルだね。覚えておくよ」
「ではまた」
俺とローズが立ち去った時に、笑顔であったからお金を取らなくて良かったと思う。
もちろん100万バル必要な時ではあるけども、笑顔が見れは方が得した気分だ。
体力を70回復しました。
経験値を70獲得しました。
レベルが21に上がりました。
スキル、マッピングを覚えました。
今の冒険者の体力を回復したから、その分の経験値を得てしまった。
レベルまでも上がり、俺の方こそ感謝したいところ。
新たにスキルでマッピングを覚えたらしく、マッピングはダンジョンで歩いた通路を地図にしていくスキルだ。
これは複雑で深い階層のダンジョンになればなるほどに役に立つだろうな。
ありがたく使わせてもらうおう。
レベルが21にまで到達。
俺でも信じられない速さであるから、嬉しくなった。
☆☆☆☆☆に
評価応援してもらえると嬉しいです。
ランキングに入れるように頑張りたいです。




