戦国軍師列伝
戦国時代、影に日向に、兄を支えて続けた軍師の物語。
「やあやあ、我こそは源氏の嫡流八幡太郎〇〇が末孫、〇〇が五代目、〇〇が嫡子、〇〇太郎泰明。
超曽我部殿の御前にまかりこしこし候。」
「願わくば、我が前に出られ、あー、尋常に、勝負、勝負〜うぅぅ!」
「泰虎! なんじゃあれは!」
「はっ、 古式に則った、戦の儀式で御座います。」
「あー、俺も初陣で彼の海辺では名乗ったなぁ。
でも、冷静に考えると、なんちゃあ利益がありゃあせんがえ。」
「しかし、名乗りを挙げたおかげで、土佐の姫和子とさげずまれ、国人に舐められていた殿が名声をあげられたのではありますまいか、あながち無駄とも思えませぬ。」
「あれは、 別に、 異装束遊び(コスプレ)ではないわえ。 地元の内情を調べるためにやにゃ〜あ」
「猫のモノマネはこの辺で、敵が焦れて推し出してきましたぞ!」
「土佐弁ながですけど、秦虎は雅な喋りかたやな。」
「はい、はい、おまんは俺より出来がいいですよ、重臣たちは、姫和子の俺より文武両道、眉目秀麗のやすとらが当主に相応しいともっぱらの噂やきね。」
「お戯れを、私は兄上のため、超曽我部家のため、粉骨砕身お仕えする所存。」
「んで、なんで平仮名呼びなんですか?」
「えっ、なんで悪意が読み取れたが?」
「昔からの癖ですな、戦が終われば存分に問い詰めますれば!」
「まぁ、お前の存念が奈辺にあるか、掴めぬ所であるが、面前の障りを除けるとするかぇ、父上の手前もあるしな。」
後の土佐の出来人、超曽我部素親は軍勢進軍を下令した、時に〇〇年、一時西国に武名を轟かせる土佐の軍勢の進撃の始まりであった。