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「sin・sense」 〜罪人共による異能力の闘争〜  作者: むかぜまる
5章 彼らが残酷な現実から理想の世界にするまでの英雄譚
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48話 新たな戦力

今回は少々短めです!

なので、2月10日の水曜日にも投稿するので宜しくお願いします!

「ほら、もう終わりだよ。君たちの言う『平和』なんて所詮……その程度だったんだよ!」


 頼渡らいとの言葉に、椿つばきりんが青ざめたそのときだった。


「終わるのはお前だ、篠原しのはら頼渡らいと


 そう言うと、頼渡の後方で刀を向ける男が居た。椿は戸惑いながらも、その男の名前を口にする。


こうさん……どうして、ここに?」

「思ったよりも埼玉の被害が少なくてね。優秀な部下たちが圧倒しているよ」


 広は刀を下ろすと、顔をほころばせながら話した。それに対し、頼渡は顔を上げずにそちらを向く。

 すると広はいきなり表情を変え、恨みがもしい目線を頼渡に向ける。


「……と、そんな()()は置いておこうか」


 眼鏡のブリッジを弾く広。頼渡はそんな彼に、自然と体を向けた。互いに見つめ合う、切迫した空気。椿と凛は思わず固唾かたずを飲んだ。

 しかし突然、広はあっけらかんとした笑顔で椿と凛を見る。


「ここは私に任せてください。あなたがたにも、『やるべきこと』はあるでしょう?」

「し、しかし……」

「椿さん……?」


 彼の気迫が、頼渡からこちらに向けられたような威圧感があった。あたかも、「邪魔だ」と言いたげな形相だった。

 空気を察した凛は声量を抑えて話す。


「班長、ここはあの方を信じて爆発地に向かいましょう」

「……そうだね、任せよう」


 納得がいかないようだったが、椿は飲み込んだ。そして広に一瞥いちべつすると、凛と共にその場を後にした。頼渡はそれを妨害しなかった。


 そして再び、互いに鋭い目線を交える。そして、先程よりも張り詰めた状況になる。まるで緊張の糸が腫れ上がるような。

 頼渡は、静寂を断ち切るように話す。


「成り下がったもんだね、広。()()()()()()()が、今や埼玉の罪人取締班班長なんて」


 眉を一つ上げた反応の後、広は返答する。


「成り下がった……というよりは、お前たちRDBが狂気的になっただけだ。良くも悪くも、俺は変わらん」


 頼渡は眉をしかめて会話を続ける。


「裏切り者が偉そうに詭弁を騙るなよ。そうだ、君は殺してもいいらしいからね、丁重に殺してあげるよ♪」

「お前が勝てない勝負の前だ、それを遺言にしてやろう」


 広はそれに応えるように刀を構えた。





 * * * *




「ふう、これで大体終わりね。そっちは?」

「こっちも終わり。まあ、これからもっと追加されるだろうけど」


 敵から情報を抜き出す役目のすみれしょう。今、粗方(あらかた)の敵から情報を抜き取った。


「本部のロックを解くナンバーも分かったし、これを伝えないと……」


 天舞音あまねに依頼されていた、本部のロックを解除する番号を伝えようと通信器に手をかけたそのとき、


「あの……すみません、少し宜しいでしょうか」

「あなたは……?」


 菫に声をかけたのは、中学生から高校生くらいの少女だった。どこかで見たような、と菫が考えつつも、少女の話に耳を傾ける。


「あの、あなたが罪人の能力が分かる能力者の方ですか?」

「それを、どうして?」

「警察の方々に聞いてきました。あの、私も罪人なのですが、能力を発動するにはどうしたらいいのでしょうか?」


 菫は、もちろん彼女を疑った。しかし彼女の目は、まっすぐに澄んでいた。

 菫は手袋を装着すると、「《発動》」と言い、彼女の頭に手を入れた。


「ひえっ!?」

「落ち着いて。大丈夫、後遺症はないから」


 少しして菫は、彼女の使用許可証を抜き出した。


「これ、あなたの能力。見たらまあ分かるでしょ。これでいいかしら?」

「は、はい。お時間を取らせてしまって申し訳ございません。これで役に立てると思います」

「……死なないでね」


 菫はそう呟くように忠告した。彼女は一つ頷くと、その場を後にした。


「今の子は?」


 後ろから翔が菫に話しかけた。菫と彼女の対話中、翔はじっと見ていた。

 対し菫は、首を傾げる。


「さあね。だけどまあ、悪い人ではないんじゃない?」


 彼女の後ろ姿を見ながら話した。

様々な情報が出てしまい、混乱するため、今回は短めの投稿になります。

その代わり、短いスパンで投稿しようと、2月10日の水曜日にも投稿します!

疑問点や感想、アドバイスなど頂けたら嬉しいです!

ご愛読ありがとうございました!

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