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「sin・sense」 〜罪人共による異能力の闘争〜  作者: むかぜまる
最終章 彼らが『始まりから終わりまで』を続けたいそうです
170/174

170話? 終焉

 ;_《まだ続く。続かせる──いや、終わらせる》ڡ**₂



 風は意識のない天舞音あまねを見る。そしてゆっくりと、彼女の額に手を当てる。



   ──芽衣めいさんの『重婚罪じゅうこんざい』で、私にも同等の痛覚が伝わっています。それこそ、脳死するほどの痛覚が。しかし私はその痛覚を全て、この寄生体に宿しました


 まるで語り手が安らかに物語を呟くような、邪悪さなどない口調で淡々と話す。

 手にはどす黒い寄生体が、手足を縛られてなぶられた人のようにうねうねと動く。

 風は天舞音に耳打ちする。



   それでは、仲良しなあなたに『重婚罪じゅうこんざい』でこの痛覚をプレゼントましょう。芽衣さんがあなたのために、頑張って溜めた痛覚です。受け取って下さい


 天舞音は短く声を上げ、体をわずかに震わせた後、そのまま力無く倒れた。



   ふふっ、これでいいんです──登場人物キャストに命なんて無い。全員、各々の()()()()で動く存在、物語が終結すれば動かない存在なのですから……


 その声は、風以外に聞こえることはなかった。

 風は防御壁と防音壁を全て下ろし、全員を見やる。

 今まで経験したことの無い、親しき者らが蹂躙じゅうりん光景を見た。そんな彼らは、風が振り向くだけで萎縮いしゅくしてしまった。



   朱雀すざくさんと聖華せいかさんは互いの能力で──しょうさんとサーシャさんは自身の能力で、バードルードさんは『誘拐罪ゆうかいざい』で精神崩壊を起こして、『重婚罪じゅうこんざい』で移しますか。フローリーさんは『墳墓発掘罪ふんぼはっくつざい』で過去の仲間に殺されてもらって、届称かいしょうさんは眼音まおさんの能力で──和也かずやさんと優貴ゆうきさんはそのままちからで殺しますか。


 風はそんなことをブツブツと呟いていた。


 優貴はつくづく思った。全ての能力を持つ者に勝てるはずがないのだと。

 初めから、挑んだ瞬間に負けだったのだと。



   *



 *『聞こえていますか?』ڡ

 ;∢『……聞こえて、いませんね。いえ、むしろいいのです、皆さんの前で話すことではないですし……何より照れるので』✻

 ────?

 θ;『私は何者か、ですか? 確かに、()()()()()は気になりますよね』θ⊂

 ₂_『私は──いえ、じきに分かることです。このちからはあまり長く持たないので、今は会話はのんびりとできません、ごめんなさい』ڡ⋚

 ────。

 ;_『そう、ですね。突然話を打ち切ってしまってごめんなさい。でも、()()()()()はこの結末を望んでいないのですよね?』

 …………。

 ✻=『ふふっ、いえ、言い方を間違えました。私はこの結末を望んでいません。生憎、()()()()()のご期待に沿うかどうかなど関係ないのです』∈*

 ────?

 _;『何をするのか……まあ、言葉で説明は難しいですね。ただ、ヒントはありましたよ。だいたい、2話くらい前でしょうか? とにかく、始めますね』;_

 *_『……さようなら、この世界線の皆様。ただ、次の世界線はきっと、素晴らしいものになっていますよ』_;



   *



 突然、空が、地面が、空間が脱落する。

 完成したジグソーパズルをバラバラに落とすような、そんな奇妙で不可思議な──

 作者はいません。


 ご愛読ありがとうござ────

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