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「sin・sense」 〜罪人共による異能力の闘争〜  作者: むかぜまる
最終章 彼らが『始まりから終わりまで』を続けたいそうです
166/174

166話? 飛ばされる

「まず僕が先制する! 《発動》!」


 ノアは周囲の瓦礫を操作し始めた。



「【塊槍劣者かいそうれっしゃ】」


 その瓦礫は槍のような形状へと変わり、一斉に名も無き風へ放たれた。

 名も無き風が笑うような動作を見せると、槍は空中で分離した。



「……やっぱり、この世界の能力を使うか。僕たちの転移は狩魔かるまの能力だね」

「今、何が起きたんだ? ノア」

届称かいしょうも見たと思うけど、あれば間違いなく僕の能力『外患罪がいかんざい』だ。それも、僕より操作する力が強い」


 ノアは自分の手のひらに岩槍を刺し、血抜きをする。



「まずいな、しかもノワルとブランの能力もある。早く決めないと全滅だ」

「まさか──同時発動もできるの?」

   当然です、私は作者なので。この世界にある能力ならいつでも何でも、何個でも使えます。例えば──


 名も無き風は眉間を抑える。その瞬間──



「まさか──」

   悪夢の再来です。そちらはたかが18人、こちらは……2000人です


 プロ・ノービスの長、青龍せいりゅうの『墳墓発掘罪ふんぼはっくつざい』だ。命潰えた罪人が軍になって襲ってくる。



「……最悪だな」

「──忠告する。みんな、耳塞いでて」

「はぁ……じゃあ、しょうが前に出てよ」


 すみれは右足を踏み鳴らして《発動》と宣言する。その瞬間、翔とその他を分かつように、音を通さない城壁バリアが顕現した。

 翔はそれを理解し、目を手で隠す。



「《発動》! 全員能力を発動せず、30分間その場を動くな!」


 翔の発言により、軍勢はその場に静止した。その代わり、自らも動けなくなっている。

 菫は障壁バリアを外す。



「ありがとう、リアム」

「っ……その代わり、僕は能力も発動できないしこの場から動けない。あとは頼むよ」

「名も無き風は──ボクたちと同じ方法で防いだ様だね」

   あなたたちにできるということは、私にもできるということなので。当然そうさせて頂きました。


 名も無き風はやれやれといった様子で浮かんでいる。



「《発動》! 【☆可憐賽(ハッピーダイス)☆】!」


 シャイニはさいを振り、『五』を出す。



「コレは真似できないよっ!」

   なるほど、確かに幸運は能力の範囲外です。しかし──


 シャイニは名も無き風が言い終わる前に、最短距離で周りを巻き込まずに機関銃を放つ。

 誰もが目を瞑るほどの光とともに衝撃が訪れる。


 直撃……のはずだった。



「あれは──『不動産侵奪罪ふどうさんしんだつざい』!?」

   届称さん、あなたの能力は実に便利ですね。絶対に通過できない壁を作ることだってできる。まあ、これが最初で最後のプログラムですが……。


 名も無き風は──想像よりはるかに……。



   さて、そろそろ終わらせましょうか。あなたたちを今から──蹂躙じゅうりんします。『暴行罪ぼうこうざい』、『傷害罪しょうがいざい』を『同時発動』します。


 終わりはすぐそこに──。

 ここに作者はいません。


 ご愛読ありがとうございました。次回もよろしくお願いします。

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